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“一畳”広い部屋を借りるよりむしろ得?引っ越し難民もすがる「収納サービス」人気と実態
サービス多様化で市場規模は10年で倍成長、背景には住宅スペース縮小
収納サービスは、屋内のロッカーや屋外の倉庫などに定額制で荷物を預けることができ、衣類や思い出の品、あまり使わないけど捨てられない物などの収納に使われている。スペース一角をそのまま借りるプランや段ボール等に私物を詰めて預けるプランなどサイズも様々で、sharekuraでは月額100円〜、Day倉庫では1日15円〜荷物が預けられる。
さらに、拡大する需要に合わせて各社のサービス差別化も激戦状態。sharekuraは預けた荷物の1点1点の撮影データが届くため、何を入れたかわからなくなることがない。さらに、アイテムごとの出し入れもスマホ1つで配送業者が自宅まで来てくれる。ゴルフバックやスキー、スノーボードなどを預け入れ、倉庫から直接ゴルフ場やスキー場に発送まで可能。そのほか、minikuraでは衣類をハンガーにかけた状態で保管してくれる。
思い出の品やアウトドアグッズ、引っ越し難民、災害対策にも 広がる活用法
「収納サービスを利用する最大のメリットは、自宅にある物が減ることで、掃除や片付けが楽になり、すっきりとしたお部屋で快適に過ごせるようになることが一番だと思います」と話す清水さん。また、同社では倉庫業のプロ・寺田倉庫が荷物保管を担当しているため、堅牢なセキュリティと最適な温度・湿度で荷物を徹底管理しており、自宅のクローゼットよりも良い環境で保管することができることや、不要になった物のヤフオク代理出品等のオプションサービスも喜ばれているという。
清水さんは、「収納を見直すことは防災対策になると考えます」と加える。大きな被害をもたらした阪神淡路大震災などの死因の多くは、寝ている時に家具などが覆いかぶさったことによる即死だったという。「昨今の狭小化住宅では収納がないワンルームも多いため、ベッドの周りに背の高い収納ボックスを置く人も多数いらっしゃると思いますが、耐震補強をしていても、大地震では崩れてしまうこともあります。収納をアウトソーシングすることは、防災や減災に繋がることもあるんです」とのこと。物を減らすことで、防災グッズや備蓄のスペースも生まれる。
単なる“物の整理”にとどまらず、様々な形で広がっている収納サービス。サマリーポケットは、今後預けている物を自由に貸し借りするプラットフォーム作りの構想もあるという。“ミニマリスト”という言葉が流行ったこともあったが、最近では特定の拠点を持たず、ホテルやゲストハウスなどの宿泊施設を利用しながら暮らす“アドレスホッパー”など、新たなライフスタイルを選択する人も増加している。シェアリングエコノミーが年々拡大し、あらゆる価値観が多様化していくで、これからは家の“中”だけではなく、“外”も活用した収納術が当たり前の時代になってくるかもしれない。