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(更新: ORICON NEWS

元メロン記念日・大谷雅恵、正社員に向け奮闘も「“元アイドル”が足かせに…」

 アイドルグループ・メロン記念日の元メンバーであり、昨今はバラエティ番組やネットニュースで“バズった人”としても知られる大谷雅恵。500万円の借金から自己破産、生活保護を受けるなど、波瀾万丈の人生が話題となった。また先ごろ、採用試験の履歴書の証明写真がスーツ姿でなかったことで、賛否を呼んだことも。一般社会では、「“元アイドル”の肩書が足かせになる場合もあった」と言う彼女に、その真意を聞いた。

ネット検索すれば自己破産や生活保護が…消えないデジタルタトゥー

――メロン記念日の解散後、ソロ歌手、タレント、俳優として活動していました。先日、「正社員の面接を受ける」とInstagramで公表しましたが、現在の立ち位置を教えてください。

大谷雅恵 ソロになってから籍を置く芸能事務所に引き続き所属しています。これまで通り芸能活動をしつつ、応募していたネイルサロンの正社員採用に内定していて、これから2ヵ月の研修を受けるところです。自分のがんばり次第ですが、7月には正社員になっているかもしれません。

――芸能活動を続けながら、正社員としても働くということですか?

大谷雅恵 そうです。いままでも芸能活動をしながらアルバイトをしていましたが、同じ働くなら安定して給料をいただける正社員のほうがいいなと思いました。芸能活動で生きている自分でいたかったのですが、コロナ禍でライブ活動も激減してしまい、動画配信の他はほとんど活動ができていませんでした。事業に失敗し、自己破産や生活保護受給を経験することになって、安定を選びました。

――芸能活動で生きていくことを目指す上で、生活の大半の時間を費やす正社員は、足かせになりませんか?

大谷雅恵 それはありません。不定期のアルバイトをしていたときよりも、週休二日制で時間が決まっている分、働き方としては楽になると思います。これまで通り芸能活動を続けていくつもりです。芸能活動を続けることを伝えたうえで内定をいただいているので、柔軟に対応できます。正社員のネイリストの仕事と芸能活動の二足の草鞋でがんばっていきます。

――就職活動で“元アイドル”という知名度がプラスになりましたか?

大谷雅恵 逆にマイナスにならないか心配でした。「大谷雅恵」でネット検索すると自己破産や生活保護など、あまりよくないニュースもあって(笑)。自分から面接で全て話しました。それでも内定をいただけたので、私自身を受け入れていただいた安心感があります。

いつか芸能界で花を咲かせたいが、安定した仕事でしっかり生きないといけない

――実質的に被害が及んだことはありますか?

大谷雅恵 辞めた後に知ったのですが、私に対して否定的に思っている方からアルバイト勤務をしていたネイルサロンに、「何で大谷雅恵を雇っているんだ」といったような嫌がらせの電話もあったそうです。その経験があるので、迷惑がかからないように新しい勤務先は伏せて働きたいと思っています。

――同年代と比べて社会人経験が少ないと実感したことはありますか?

大谷雅恵 多種多様なアルバイトや派遣経験をしたので、それはあまり感じていません。これまで苦労も多く、人生経験は豊富だと思っています。アイドル時代は、所属事務所の意向もあり、一般社会でも生活できるように最低限の社会ルールも学びました。ソロ時代は、ファンの方との交流も多く、コミュニケーション能力を身につけることもできました。

――ネイリストの仕事は向いていると思いますか?

大谷雅恵 昨年は個展を開くこともできましたが、ものづくりが好きなので、タイダイ染め(絞り染め)やクラッキングアートなどの経験を活かせるネイリストの仕事は向いていると思っています。正社員になって生活が安定したら、ネイリストの資格も取得したいと思っています。

――正社員になっても芸能活動を続けるのは、やはり芸能界への心残りがあるのでしょうか?

大谷雅恵 そうですね。いま満足できる芸能活動ができているかというと、そうではない。安定してテレビ出演ができているわけではないし、歌手活動もできていない。「いつか花を咲かせたい」という思いを持ちつつも、芸能界の仕事は安定しないので、いまをしっかり生きないといけないという思いがあります。

――所属事務所との契約は正社員になってからも継続していくのでしょうか?

大谷雅恵 実は正社員雇用試験を受けることについては、事後報告でした(笑)。芸能活動を優先してほしいとは言われていますが、契約はこれまで通り継続していただけるようなので、ありがたいです。

借金苦で生死を考えたことも…一歩踏み出す原動力になったのは家族の存在だった

――正社員雇用に向けてInstagramに証明写真を載せた際に、その服装が批判の対象になりました。

大谷雅恵 Instagramで発信したところ、「なんでスーツ姿じゃないんだ」「正社員になるんだったら、そんな服装で証明写真を撮るのか」などと、「正社員雇用」ではなく「服装」に注目が集まりました。私自身には、「証明写真=スーツ姿」という考えがなかったので、「あれ?!思っていた反応とは違う…」と意外でした。

――日本では、就職活動の際に“リクルートスーツを着用する”場合が大半です。

大谷雅恵 いまの会社には、Instagramで投稿した写真で内定をいただきました。これまでも、必ずしもスーツを着用していませんでした。正社員としての社会人経験はありませんが、いままでたくさん履歴書を書いてきたし、証明写真も撮りました。でも、自分自身を伝えるものであって、服で判断されるものではないと思っています。

――そうしたSNSでの批判的な書き込みに対して、リアクションをしますか?

大谷雅恵 いまはしないです。以前は、「売られたケンカは買うぞ(笑)」とTwitterで返信していました。でも、「批判的な声に反応するのは、損をするよ」と冷静なファンの方が助言してくださって。SNSで人を批判するのは、自分自身の悪いところを公の場で晒しているので、損をしていることに気がついていないんだなと思うようにしています。

――かつてアイドルとして第一線で活躍していた方が、一般社会で正社員を目指すことに対する世間の見え方が気になることはありませんか?

大谷雅恵 私は特に何も感じません。むしろそれをきっかけに注目してもらえたらありがたいです。いつも自分の勘で生きてきて、それが当たったり外れたり、いろいろあって自己破産につながったと思うんですね。いま正社員雇用を望むのも、もがき苦しみながら生きる生活から卒業したい。41歳になって、他の人よりは遅いかもしれませんが、自分自身の生活が安定したら、その先に見えてくるものがあると思っています。

――紆余曲折あった人生のなかで、一番苦しかった時は?

大谷雅恵 一時期、家族と疎遠になっていました。多額の借金があることを告げた時に、「もう助けてあげられない」と言われ。実家からの帰りのバスのなかで、「もう私は1人なんだ」と大泣きして、この先、生きていけるかわからなくなりました。でも、もう誰の助けも求められない状況になって、「やっぱり生きたい」と思えたので、次の日に生活福祉課で生活保護を申請しました。そこで力を振り絞って行動できなかったら、あぶなかったかもしれないです。

――そのときに一歩を踏み出す原動力になったのは?

大谷雅恵 生きるか死ぬかを考えた時に、借金を残したままだと家族に迷惑がかかる。そんなことをしたら、どれだけ親不孝なんだと考えました。やっぱり家族の存在が大きかったですね。私の活動やがんばっている姿を見ていてほしいし、喜んででほしいのも家族です。母はいつも心配してくれているのですが、内定をもらっていることを報告していなくて、晴れて正社員になれたら話そうと思っています。

(文/武井保之)
◆大谷雅恵のオフィシャルサイト(外部サイト)
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