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「説明書を無視して作ったガンプラ」νガンダムが衝撃の出来…「モビルスーツとして成り立ってる」
他モデラーのミキシング作品に刺激「自分もやってみたい」
浜松「こんなに美しい作品が見れるとは思わなかった」など、現代アートの風味を取り入れた部分を評価して下さるものが多く、大変うれしかったです。一方で、原作を重んじる方々からは厳しいコメントもいただき、ネット上で作品を公開することの難しさというものも実感しました。賞賛も酷評も含め、さまざまなコメントいただいたので、とても多くの方々に自分の作品を見てもらえたのだなと思いました。
――“ガンプラは自由”です。思いもつかないカスタムでガンプラの世界を広げていくモデラーさんの発想力は本当に尊敬します。本作も「説明書を無視して作ったνガンダム」とありましたが、発想がユニークな作品です。
浜松いえいえ、カスタムの方向性は、私独自の発想という訳ではなく、プラモ制作におけるミキシングの手法を「説明書無視」と言い換えてみたものです。1つのキットを組み換えたり、キットを複数個組み合わせて全く別物に組み換えたりしている作品を、時折目にしてきました。どこに何のパーツが使われているのか、間違い探しをするような心のときめきがそういった作品から感じられ、「自分でもやってみたい!」と思い、今回冬休み期間を利用して挑戦してみました。制作期間は3日間、使用キットはエントリーグレードのνガンダムです。
――そもそもνガンダムをベースにしようと思ったのはなぜですか?
浜松νガンダムは、私の特に好きなMSのひとつということ。それと、エントリーグレードのキットは入手性がよく、大胆な改造をするのに躊躇なく挑戦出来そうだと思ったことですね。
『逆襲のシャア』ではなく“並行世界”で活躍するνガンダム
浜松νガンダムを作りつつも、「どうやったら元のνガンダムではないものに見えるだろうか」と終始考えながら、切り出したパーツとにらめっこをしていました。頭には「サザビーのようなトサカをつけてみよう」とか、「肩パーツを胸に付けたらEx-Sガンダムの胸のような形状に出来るのでは?」とか、自分の好きな要素を思いつくままに組み立てていきました。結果として見る人によってさまざまな姿に見える作品になったかなと思います。
――確かに、過去作「ラストシューティング」にも通じる現代アート感もあり、見る人の解釈でさまざまな楽しみ方ができますね。制作において一番苦労した点、一番こだわった点をそれぞれお教えください。
浜松どちらもパーツ同士の配置ですね。それぞれ付くはずのない箇所に部品を配置しているので、接着の仕方や部品の分割にはいろいろと悩まされました。この作品は無塗装ですが後から塗装がやりやすいように、パーツをある程度ばらせるように接着しています。
――この機体はどのような活躍をされるとイメージしていますか?
浜松そうですね、νガンダムではあるけど、そうではない存在。『逆襲のシャア』の世界とは別の並行世界におけるνガンダムとして活躍しているのではないかな、と思います。名付けるならば「アナザーνガンダム」ですかね。
――8000件を超えるいいねや賞賛の声も多数上がっていますが、どのように受け止めていますか?
浜松今までにないほどたくさんの反応をいただけて本当にうれしかったです。私が他のモデラーさんたちが作った作品を見た時と同じようなワクワクした気持ちを、皆さんにも届けられたと思うと本当に感無量です。
また、さまざまなコメントをいただいたのですが、なかでも自分が意図して付けたパーツのデザイン(胸部をEx-Sガンダム風にした部分など)について言い当ててくれたものが印象深く、とてもうれしかったですね。
――これだけの反応があると次作にも気合が入りますね。既に構想は練られているのですか?
浜松いえ、いつも思いつくままに作っていますが、またアート要素を組み込んだ作品を作ってみたいと思います。