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「OK、“ゲルグーグル”、ガンダムの倒し方を教えて」あの世界的企業のロゴをモチーフにしたガンプラ爆誕、問いかけへの衝撃回答は?
ガンプラのパッケージを見ていて閃き「GELGOOGのGOOGにLE足したら…」
生米もともとは、所属している模型サークル「モケモケ団」の展示会に出品するつもりでゲルググの制作を始めたんです。何のアイデアもないまま、とりあえず組んでたんですが、仮組みを終え、箱の前に立たせたときに、パッケージを見て、ふと気付いたんです。「GELGOOGのGOOGにLE足したら…」と。完全に悪ふざけです(笑)。そもそも、サークルに所属しているモデラ―さんは凄腕の方ばかりなので、まともに作っても敵わないですし、「どうせなら全力でふざけてしまおう!」と思って制作に至りました。
――パッケージを見ての閃きと、思い切った開き直りが本作を生んだのですね。本作の最大の特徴は「カラーリング」だと思うのですが、制作時に特にこだわった部分は?
生米デザインの都合上、そのままだとどうしてものっぺりした印象があったので、スジボリを追加したり、袖にメタルパーツを付けたりしています。バーニアなど、見えないところにも地味に手を入れてますよ。まぁ、おっしゃる通りカラーリングメインなので、物凄くどうでもいいんですけどね(笑)。ただ…。
――ただ?
生米その塗装の方も制作中にミスを連発してまして…。しかも締め切り間際だったので、修復しきれず怪しい箇所が多いんですよね。こんなに多くの方に見ていただけるとは思ってなかったので、お恥ずかしい限りです(笑)。
――そうなんですか? ロゴの『G』を構成する色だけでなく、空白部分もきちんと表現されていて、非常に芸が細かいです。
生米『G』のロゴは白背景なので、胴体や左腕の白はそれを意識しています。撮影ブースの背景も白にすればよかったなと今さら後悔してますが……。特に左腕の白はGの開いた部分を表現する最も大事なポイントです。SNSではそれに気づいてくれた方もいて、コメントをくださったので嬉しかったですね。
企業に払い下げられたゲルググがPR用に塗装され…
生米すみません。完全に悪ふざけなので、設定的なものは何にも考えてないです(笑)。しいていうなら軍属、戦闘用のモビルスーツではないかな。武器も持たせていませんし。どっかの企業が、払い下げられたゲルググをPR用に塗装して…とかなんじゃないですか?
――多くのコメント、いいねが寄せられていますが、制作後の反響をどのように受け止めていますか?
生米ただのダジャレがこんなにも多くの反響をいただくとは思ってもみませんでした。たくさんの方から温かいお言葉をいただき、嬉しい半面なんだか恥ずかしいです(笑)。僕が特に印象的だったのは「G型ですね。」というコメントです。本来G型はゲルググの陸戦仕様ですが、確かにこれもG型だな、と笑ってしまいました。
――コメントといえば、「OK ゲルグーグル、ガンダムの倒し方を教えて。」という秀逸なコメントが寄せられていました。こう投げかけられたら、どのように返信してくれると思いますか?
生米そうですね…。「慣らし運転はしましたか?」とか聞いてくるんじゃないですか? シャアはゲルググでガンダムに負けた際、「ええぃ!慣らし運転もしないで使うと!」とこぼしてたので、とりあえず、ガンダムと万全の状態で戦えるように。
――なるほど、ここで物語が絡んでくるわけですね(笑)。本作以外にも硬派な作品も残されていますが、ご自身が、ガンプラを制作するうえで一番大切にしていること、信条はどのようなことですか?
生米好きなときに好きなものを好きなように作っているので、正直特にありません。「信条がないのが信条」といっていいくらい。
――気の向くままに、好きなガンプラを手に取る。それも一興ですね。では最後に、生米さんにとって「ガンプラ」とは?
生米やたら仰々しいですが、「閃きを形にできるもの」でしょうか。僕はライター・校正者をしているので、日々文章を考える作業をしています。もちろん好きでやっているので楽しいのですが、仕事である以上、思い通りにできる事ばかりではありません。僕の文章力の問題もありますが、上手く文章にできない(ならない)モヤモヤが常に自分の中に溜まっていくんです。それを発散する機会が、僕にとってはプラモデルなんですよ。文章以外で自分の閃きやイメージを自由に形にできるのでとても楽しいです。その意味で言えば、今回のゲルグーグルは、僕の「ちょっとふざけたい!」という気持ちの現れなんでしょうね(笑)。