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理不尽な暴言クレーマー?「君は悪くない」無口な常連が“神対応”、店員の実録漫画に共感「頑張りは報われる」

 実家が飲食店だったという漫画家も〜さん(@mori2ta)が、昔のエピソードとして描いた漫画「無口な常連さんの思い出」が、Twitterで注目を集めた。激怒する客に叱られた様子をみていた常連が、「君は悪くなかった」「気にしないでええからね」と声をかけてくれたという。ほとんど会話をしたことがない常連だったが、も〜さんは突然の出来事に感動。「癒されてガン泣きした」というエピソードについて話を聞いた。

声を聞くのは注文時くらい…、無口な常連さんの対応に「感動してあたたかい気持ちになった」

――漫画では、怒られても「自分が悪いんだ」「もっと頑張らないと…」という心境が描かれていました。

【も〜さん】とにかく昔からクレームが多かったんです。じつはこれは昔のエピソードでして、お怒りの内容が思い出せなくて…。でも「我慢しないと…反省しないと…次に活かさないと…」という気持ちだったので、自分に責のあるお叱りだったと思います。そこがちゃんと描けたら、無口なお客さんの“神感”がより伝わったと思うんですが、口惜しいです…。

――無口な常連さんに、不意打ちで声をかけられたんですよね。

【も〜さん】はい。今まで注文を聞く時くらいしかお声を聞いた事がなかったので、どのような人かわからず(大体の方がそうですが…)、ひょっとして会計をお待たせしてしまったなどで、引き続き叱られるんじゃないかなと身構えてしまったんです。思いがけず優しいお言葉を頂いたことでとても感動して、あたたかい気持ちになりました。えぐられた傷に回復魔法をかけられた気分でした。

――後日、いつも通り「無口」に来店してくれるところも好印象ですね。

【も〜さん】そうなんですよ! 次のご来店の際に、「先日はありがとうございました」とお声かけしたのですが、「いえいえ」というお言葉だけで、そのあとはいつも通りです。「渋いな〜」と思いました。私だったらペラペラペラペラしゃべって、結果いたたまれなくなっちゃう(笑)。内心はどんなご様子だったかわかりませんが、きっと普段でも、周りの方を自然にカバーしたりしてる方なのかなぁと思ったりしました。

「認めてくれて、かばってくれた」報われないと思っていた仕事への意識に変化

――仕事ぶりを見てくれる人がいるだけで、励みになりますね。

【も〜さん】ハードな仕事で、朝から晩まで走り回っても低賃金で、頑張っても報われないと思いがちでしたが、普段からちゃんと見てくれて、認めてくれる人がいたこと。さらに、つらい時にかばってくれたことが、本当に嬉しかったです。ありがたいなと思ったので、最後のシーンは心からの言葉でした

――最近は「カスハラ(カスタマー・ハラスメント)」という用語ができるほど、客の理不尽な言動に悩まされるお店が多いようです。今回の漫画でも、接客業の悩みや理不尽なクレームに共感する声が寄せられていました。

【も〜さん】いや本当にお疲れ様です、と思いましたね。私は飲食から離れてだいぶ経ちますが、現在もそういった理不尽さに苦しんでいる人たちがたくさんいると知りました。Web漫画家としてネットで活動するようになって、文字でクレームを受ける事も時々あり、それでも相当心が揺れてしまいます。だから、直接のクレームは本当にキツいですよね…。それもリアルタイムなので、気を紛らわすとか身体を休めるとかもできないですし…。

――中には納得できないクレームも…?

【も〜さん】もちろんです。「は?なんですか??」みたいな気持ちになってしまう時もありましたよ(笑)。お叱りのご意見と理不尽なクレームを混ぜてしまうといけないのですが、理不尽なクレームは本当に可能な限り減ってほしいし、そういった経験をされた方に、今後いい出来事がたくさんたくさん起こるといいなと思いました。

――読者からは「泣けた」「優しさがありがたい」という反響で、気持ちが明るくなった人も多かったようです。

【も〜さん】仕事やめたいというエピソードの連載をしているので、たまには明るい内容を…と思って描いてみました。今は不安な話題が多くて気持ちを塞いでしまう事もあるのですが、自分自身そういった時に他の方の日常エピソードに癒されたりしていますので、自分もなるべく日常の思い出話などを綴っていけたらいいなぁと思っています。基本的に自分語りで自己満足の世界なのですが、ちょっとでも作品を楽しんでもらえたら嬉しい限りです。

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