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“結婚に夢が見られない”令和の恋愛マンガ、原作者明かすリアルとのバランス「今はソワソワ感より安心感が求められる」

個性派ふみふみことの再タッグ、フィクションらしさと現実味のバランスを大事に

――本作の作画は、『女の穴』(徳間書店)、『愛と呪い』(新潮社)など独特な作風で知られる漫画家ふみふみこさん。前作『qtμt キューティーミューティー』(LINEマンガ)に続く再タッグに感激する声も寄せられています。

 「ふみさんのマンガは、絵柄・ストーリー・登場人物の感情などが、“いかにもマンガらしい部分”と、そうであるにもかかわらず“猛烈にリアル、生々しい手触りのある部分”が同居しているところが魅力だと思っています。しかし、そういう作風だからこそ、ふみさんご自身がさらにさじ加減をうまく配分したいと思われた結果、『qtμt キューティーミューティー』の時に、僕へ原作のご依頼をいただいたんです」

――本作でのタッグでは、どんなものを見せていきたいですか?

 「再び僕にご依頼いただいたということで、やはり同じことを期待されているはずだな、と思いました。だから一見すると全く違うジャンルの作品なのですが、やはり、ふみさんが自分では描かないような設定や展開、ジャンルなどを採り入れ、そしてフィクションらしさと現実味のバランスを取りつつ、ふみさん一人で描かれるのとは違った読み応えが生まれるようにしたいなと思っています」

――絵柄やキャラクター造形などで、さやわかさんから伝えたことは?

 「キャラクター造形については、前作とは違った方向性でやりましょうと提案しました。コメディではありますが、地に足の着いた、しかも大人ばかりが出てくる恋愛マンガなので、かなり具体的にライフスタイルやファッション、その人物がどんなふうにものを考えるかなどを決めています。その結果、ふみさんからは実写ドラマやファッション誌に出てきそうなビジュアルやシチュエーション、背景シーンの描き込み具合など、画面の作り込みについてのアイデアをいただき、今のような絵になっていきました。お互いに持ち寄ったアイデアでひとつの絵柄が固まっていったのは、共作の醍醐味という感じでとてもありがたく思っています」

――前作が個性的な作品だっただけに、「今回は恋愛ネタ?」と驚きをもって受け取られているようです。

 「前作はもともとLINEマンガ以外の媒体で発表し、途中で移籍したものでした。感謝の気持ちがあるからこそ、次はもっと『LINEマンガの読者の皆さんのことを考えて作った』と言えるものがやりたかったんです。それで、担当さんともあれこれ相談した結果、恋愛ものにしようということになりました」

――ファンからは、「このあとダークな展開になるのでは?」という憶測も生まれていますが。

 「恋愛ラブコメなので、基本は“楽しいマンガ”でいいと思うのですが、やっぱりこの二人がそのまま付き合うことを世間がスッと許すわけもなくて、どうしてもちょっとだけ障害が発生することにはなりますよね。具体的には永守くんの両親が登場して、主人公二人は彼らと対決しなければならなくなります。恋愛マンガやドラマで、男性キャラクターの親との確執みたいなのを描くのはわりとあるのですが、永守くんの場合、彼の人格形成にもかかわっているので避けられないところですね」

――なるほど。では最後に、本作を通して読者に届けたいメッセージとは?

 「そればっかりは、作品を読むことで受け取っていただけたらと思います。それがうまく伝わるような作品になるようにがんばります。ただ、ひとつ言えば、まずは皆さんがお読みになって『夢みたいな恋愛だなあ、嘘みたいだなあ、楽しいな』とだけ思っていただければうれしいです。そしてさらに、『恋愛とか結婚って、何なんだろう?』と思っていただけたなら、もう、幸甚です」
永守くんが一途すぎて困る/原作:さやわか 漫画:ふみふみこ(外部サイト)
◇『LINEマンガ』にて毎週月曜更新で連載中

過去のトラウマから、恋愛に対して後ろ向きな主人公・三崎優花(25)。 ”恋愛で幸せになろうと思っていない”という彼女の前に、トラウマを植え付けた本人・永守一途が現れて…。

■漫画はコチラから(外部サイト)

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