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「最悪な人生…」闘病乗り越えたエビ中・安本彩花、「今の自分だから伝えられる」写真集で届けたい思い
治療中に抜けていく髪、「“ありのままの自分”になっていくのは怖かった」
安本彩花 はい。「こんな写真が撮りたいです」、「こんな思いを伝えたいんです」ってプレゼンして。「今の私だからこそ伝えられることがきっとある!」という気持ちで、思わず突っ走っちゃいました(笑)。カッコ良く作り込んだカットから実家で撮影した素のままの写真まで、やりたいことを全部詰め込んだ大満足の1冊です。
──鮮やかなベリーショートがお似合いです。ヘアスタイルをがらりと変えて、いかがですか?
安本彩花 もともとミリ単位で前髪にこだわっていて、明るい髪色にするのも恥ずかしいと思っちゃうタイプだったので、最初は「まさか自分がこんな髪型をする日が来るとは!」という感じです。メンバーもびっくりしていましたが、「めっちゃ似合ってる」と言ってくれました。自分でも鏡を見てはこっそり「けっこういいじゃん」って思ったりしています(笑)。明るい髪色って、気持ちまでウキウキさせてくれるんですね。
──新しいヘアスタイルを作っていくときは、どんな心境でしたか?
安本彩花 治療中に髪の毛が抜け落ちて、“ありのままの自分”になっていくのは怖かったし、自信を失うこともありました。そんなときに海外の女優さんが自分で髪を剃り上げて、颯爽とレッドカーペットを歩く姿を見て、とても勇気をもらったんです。「私も頑張ればこんなふうにカッコよくなれるかも? なりたい!」って。
「最悪な人生だ」闘病を経て、「まっすぐで強い目」になるまで
安本彩花 あのとき勇気をくれた女優さんをオマージュしました。今度は私が、誰かに勇気や自信を渡したいという思いを込めて。グループではなかなか着ない衣装ですし、何より「私、こんなまっすぐで強い目をするんだ」って、自分でもこれまで見たことのない表情の写真が撮れました。
──写真集には笑顔もいっぱいです。今、自分が笑っていられるのは「これがあったから」と思えることは?
安本彩花 正直、病気を告知されたときはマイナスにしか受け取れませんでした。「最悪な人生だ」って、自分のことしか考えられなかった。だけど治療が落ち着いていくうちに、徐々に家族やメンバーといった周りの人たちの存在を実感するようになっていったんです。自分1人が頑張っているつもりだったけど、そうじゃない。たくさんの人に支えられて、自分は生きているんだって。病気なんて本当はならないほうがいいけれど、そういう大切な何かに気付くための大事な時間だったと、今では思えるんです。
「この歌をもう一回みんなの前で歌うんだ」、その思いを胸に
安本彩花 やっぱり、私は歌が好き。つらいときも鼻歌を歌うと、病気のことを一瞬忘れることができました。中でも大ファンの石崎ひゅーいさんが作ってくださった『ジャンプ』という楽曲は、自分とリンクするところもあってよく歌っていましたね。
──YouTube番組の『THE FIRST TAKE』で復帰した際にも、『ジャンプ』を披露されました。
安本彩花 はい。しかもひゅーいさんがギターを弾いてくださって! 「この歌をもう一回みんなの前で歌うんだ」という思いが治療を頑張る力になっていたので、『THE FIRST TAKE』で歌えたのは本当にうれしかったです。「歌には力がある」って本当だし、これからも誰かの力になれるように歌っていきたいです。
──9月には恒例の野外ライブ『ちゅうおん』でステージにも復帰されました。
安本彩花 昨年の『ちゅうおん』は「もしかしたら病気かもしれない」という不安を抱えながらステージに立っていたのですが、今年は純粋に歌うことを楽しめて。幸せでいっぱいでしたね。