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ORICON NEWS
“渋谷ハロ”の対極“地味ハロウィン”、「ぼっちもOK」参加者の声
“あるある”に共感しまくり、参加者がもたらすオチとフリ
『救護係』『行列はここまでの人』など、この場に“本当にいそうな”職種の仮装も続出し、随所で取材するマスコミも本物かどうか疑われる“カオス空間”が発生していた。
そんな仮装には“あるある”と共感しつつも、日常の「そこを切り取るか!」と思わずツッコミたくなる人ばかり。一見しただけでは何の仮装か分からないが、彼らが壇上に上がって「こういう仮装です」と話して、ドッと笑いが漏れる姿は、順序は逆だが『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)の名企画“細かすぎて伝わらないモノマネ選手権”を彷彿とさせた。「仮装がフリとなり、何の衣装かを宣言することで、オチがつく」という形式は、お笑い界の方程式“緊張の緩和”を踏襲しており、ことごとく爆笑を誘っていた。
常連も初参加の人も一体に 「“地味ハロ”で人生が豊かになった」
また、夫婦で仮装した『水道工事のマグネットの人』。「家にあるもので、手間をかけない、雑なところを残すことがポイント。身近なものでちょっとずらした仮装を目指しています」とこだわりを告白。夫は3回目で「“地味ハロ”のおかげで人生が豊かになった気がしています」と感激。今年初参加となった妻も楽しそうだった。
初参加では、『逃げた猫を探している飼い主』の女性は「初回からネットでイベントを見ていて、ついに来ました」と感激。だが「夫に同行を断られて一人の参加ですが、皆さん、話しかけてくださって楽しいです」と明るく交流して、一人でも楽しめるイベントだと強調した。
前回の約2.6倍の参加者に、主催者の野望は「さいたまスーパーアリーナ」
同じくデイリーポータルZのべつやく れい氏は「例年入場に並ぶことはなかったので、ビルの一階まで並んだ盛況ぶりは“まさか”という感じです。『富士登山を舐めてる人』と『2番目のお客様』が私にはツボでした」と語った。
時代を先駆けて面白いものをとらえる林氏に、巷のハロウィンに対する見方を聞くと「2018年のハロウィンは、家族イベントになってきています。渋谷の若者の(お祭り風な)感じがひと段落しているように感じました」(林氏)とのこと。
また地味ハロウィンにハマると、日常的に何気ない街の人たちに注目するようになるという。「近所のコンビニの店員が頭にかぼちゃの被り物をして、仮装しているものの黙々と働いていて、“地味ハロウィン”ではないかと思いました。“やらされている”感が最高に面白いな、と」(林氏)地味ハロウィンにハマると普通に働いている人を見ても「これ仮装したら面白いんじゃないか」「あの制服売ってないかな」などとついついシチュエーションを考えるようになるという。
10月31日のハロウィン本番を前に大いに盛り上がった「地味ハロウィン」。有名映画やゲームのキャラの仮装に飽き飽きした人々が“自分だけの個性”を発揮できる年に一度の祭りとして定着していきそうだ。