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「早稲田川柳」優秀作を発表、自虐するワセ女や慶應とのライバル関係も一句に
「自虐するワセジョ」「慶應との関係」“クセが強すぎる”応募作品がじわじわ話題に
集まった作品の傾向としては、早稲田への愛を表現するもの(「音痴でも 外さず唄う 我が校歌」与太郎)、「ワセジョ(早稲田大学を卒業した女性)」であることを自虐的に表現するもの(「ワセジョ会 いつも必ず 肉か麺」別腹祐子)、慶應義塾大学とのライバル関係を詠んだもの(「駅名に 「慶応はない」と ほくそえむ」早稲田駅)などが目立っている。
「投稿資格を校友(卒業生)・在学生だけでなく、入学志望者にも広げたことから、「待っていろ 通ってみせる 無門の門」(じゅん)や「夢に見る いつか漕ぎ出す 隅田川」(はつな)など、早稲田大学に憧れる高校生の熱い作品も集まりました。また「答案に 校歌書いたが 効果なく」(神宮好きの理工生)、「実らずに 朽ちる稲穂も 早稲田かな」(中退生)など、いかにも早稲田らしい、思わず笑ってしまう作品も多かったですね」と主催者である「早稲田大学校友会」の事務局・平野真さんは、選考の中で印象に残った作品について語ってくれた。
早稲田川柳で卒業生にアピール「“学生への奨学金支援”のきっかけになれば」
Web上での応募に限定したにも関わらず、高校生から年配の卒業生まで幅広い年代の応募者から予想をはるかに超える数の作品が集まった。早稲田のスクールカラーである「エンジ色」を、卒業後もつい身につけてしまう癖を詠んだ冒頭の川柳もその一つ。53歳の卒業生による作品だ。
「当初、第1回では応募数の目標を100作品としていたのですが、最終的に1,187作品もの応募があり、皆さまの早稲田愛を改めて実感しました。「三代で 肩組み歌う 応援歌」(松戸芭蕉)や「三代目 なれるか我が子 早大生」(Muteki)など、親から子、さらに孫へ早稲田大学の魅力が伝承されているのはうれしく思いました」(平野さん)
早稲田大学校友会は、母校と後輩を支援し、校友(卒業生)同士の親睦を活性化させることを主な目的として活動している。
「川柳のタイトルにもなっている『早稲田カード』は、利用額に応じてカード会社から大学へ手数料が還元されるクレジットカードで、大学はこれを全額在学生への奨学金として活用しています。校友会は経済的援助が必要な学生を少しでも多く支援したいと考えており、その考えを卒業生の方たちに広めるために川柳の企画を考えました。この『早稲田カード杯 早稲田川柳』がそのきっかけとなることを願っています」(平野さん)
審査員の小島よしお、“再再再履”だった学生時代を懐かしむ
「教育を 学んでなぜか 服ぬいだ」(小島よしお)
「落第生 還暦過ぎて 審査員」(山口恵以子)
二人のゲスト審査員はそれぞれ下記の特別賞を選出している。
「まごまごと 迷ったキャンパス 今孫と」(稲門会役員)
(早稲田の歴史の長さを川柳のユーモアの中に上手く溶かして微笑ましい句にまとめた技術力の高さから選びました。山口恵以子氏)
「「君の名は?」 再再再履の 4年生」(おがしゅん)
(自分が2留してまさにこの状況だったことと、「君の名は。」という最近の人気作品をあえて入れたことで時代が特定できて素晴らしい! 小島よしお氏)
学生審査員の文学部3年の岩村姫花さんは、「条件は ワセダに理解 ある男」(婚活戦士)を特別賞に選出。
「早稲田特有のノリや熱い母校愛を理解してほしい、というワセジョの切実な願いが込められていて、ペンネームとのつながりもエッジが効いており、思わず笑ってしまいました。その条件、私も同感です!(笑)」とコメントした。
第2回以降の実施も決定、大学の新たな広報戦略となるか期待高まる
「早稲田川柳を考えることで、学生時代を懐かしんだり、母校のことを考えたりするきっかけになってほしいと思います。『今の早稲田大学はどうなっているのか』『後輩たちは元気でやっているのか』を気にかけていただくとともに、『たまには昔の仲間と集まってみよう』『大学に遊びに行ってみよう』『神宮に早慶戦の応援に行ってみよう』という気持ちになってくれればうれしいです」(平野さん)
卒業後、社会に出て働き始めると、学生時代のことを思い出す機会は年々少なくなっていく。母校をテーマに川柳を考えることは、かつての青春を振り返り、若き日の自分の原点を思い出す良い機会となるに違いない。
(文:チームパスカル 大越裕)