• ORICON MUSIC(オリコンミュージック)
  • ドラマ&映画(by オリコンニュース)
  • アニメ&ゲーム(by オリコンニュース)
  • eltha(エルザ by オリコンニュース)
ORICON NEWS

山田孝之はネオ・ハイパーメディアクリエイター? エンタメ界全体をけん引する存在に

 人気マンガ『聖☆おにいさん』が実写ドラマ化されることが先ごろ報じられた。イエス役を松山ケンイチ、ブッダ役は染谷将太が演じ、脚本・監督は福田雄一と納得の顔ぶれだが、そこに突然投下されたのが“プロデューサー”山田孝之のクレジット。福田監督と山田は言わずと知れた『勇者ヨシヒコ』コンビだが、なぜ、山田がプロデューサーなのか? 映画、ドラマ、CM、作家、企業のCEO等々、俳優業には飽き足らず、八面六臂の活躍ぶりを見ていると、かつて一世を風靡した“あの肩書き”が実にフィットしていることに気付かされる。

常に制作側の視点での役作り、“製作総指揮”も必然だった?

  • 『闇金ウシジマくん』で主人公の丑嶋馨(うしじま かおる)を演じた山田孝之(C)2016 真鍋昌平・小学館/「闇金ウシジマくん3」製作委員会・MBS

    『闇金ウシジマくん』で主人公の丑嶋馨(うしじま かおる)を演じた山田孝之(C)2016 真鍋昌平・小学館/「闇金ウシジマくん3」製作委員会・MBS

 今回、福田監督と山田のコンビが制作を手がけることで、周囲の期待もかなり高いようだ。『勇者ヨシヒコ』のときもドラクエファンの山田に福田監督が直々にオファー、「深夜なんだけど…」と伝えると、山田は「面白いことに関して局と時間は関係ありません」と快諾したというエピソードが知られている。『勇者ヨシヒコ』はコアなファンをがっちりと掴んでおり、シリーズ2作目が放映される際、ネットでもファンが湧きたった。『勇者ヨシヒコ』はムロツヨシがブレイクするきっかけともなり、山田も制作側としてアイデアを出すなど、何かと“クリエイティブ”な作品だっただけに、役者ではなくプロデューサーとして山田がどんな新たなブームを作るのか注目されるところだ。

 とは言え、山田の俳優“以外”の活動はすでに多方面で繰り広げられてきたので、実績はもう十分にあるとも言える。代表作である『闇金ウシジマくん』シリーズでは、映画化するエピソードを原作マンガから選び抜くなど、同映画の山口雅俊監督とも相談するという“制作側”の役割まで担っていた。

 また、ドラマ『山田孝之の東京都北区赤羽』(2015年・テレビ東京系)ではテレ東らしい、実話なのかドラマなのかわからない“ドキュメンタリードラマ”を展開。スターである山田が住まいや日常生活はもちろん、俳優としての苦悩ぶりなどの素顔をさらけ出して、テレ東のアプリや配信プラットフォームでも人気の作品となっている。その後も、2016年の夏には「カンヌ国際映画祭出品を目指す」自主映画の製作を企画、その記録が2017年1月度に『山田孝之のカンヌ映画祭』のタイトルでドキュメントドラマ化もされたほか、山田の思考にダイブする脳内スペクタクル映画『山田孝之3D』といったぶっ飛んだ作品にも携わってきたのだ。

俳優業以外でも話題が続く、エネルギッシュな一面

 また、俳優として、制作側として映像作品に携わるほかにも“枠”を飛び越えた活動も続けてきた。2016年はエイプリルフールのジョークを基に、親交のある歌手の赤西仁とアーティストユニット「JINTAKA」を結成。9月にデビューシングルをリリースし、その後、“方向性の違い”によりあっさりと解散するも、翌月10月の『GirlsAward 2016 AUTUMN』スペシャルステージにも出演を果たす。11月の赤西のソロライブでも、3度再結成することになる。さらにKADOKAWAが運営するWEBメディア『週刊ジョージア』(2017年2月閉鎖)では約2年間、週替わりで数々の職業のコスプレを披露。計100種類以上もの扮装で表紙のようにカバーイメージを飾り、その本気度がすごいとファンの間で話題にもなった。

 その他、最近ではエッセイ『実録山田』でその文才が評価されたり、アーティストMVの監督をするなど、芝居以外のフィールドにおける表現にも挑戦。さらにはエンタメビジネスにも乗り出し、ライブオークションサイト『me&stars』を設立してCEOを務めるほか、俳優の阿部進之介らとWebメディア『mirroRliar(ミラーライアー)』を立ち上げ、地方の俳優志望者たちにワークショップ、オーディション情報を発信、役者としての学びとチャンスを提供する。まさに、山田の姿は俳優の枠にとどまらない活躍を見せている。

“本業不明”な肩書きだったハイパーメディアクリエイターも山田ならしっくりくる??

  • 撮影/RYUGO SAITO

    撮影/RYUGO SAITO

 もはや彼をいち俳優のみで語るのは無理が生じてきた。そこで、新たな肩書きとしてぴったりくるのは「山田孝之=ハイパーメディアクリエイター」だ。もともと“ハイパーメディアクリエイター”とは、沢尻エリカの元夫にして、泥沼離婚で世間を騒がせた高城剛氏が名乗っていた肩書。氏の著書は35冊を超え、映像作家、広告プロデューサー、ライター、DJとしてさまざまな作品を発表。自身も数多くのメディアに登場し、NIKE、NTT、パナソニック、プレイステーション、ヴァージン・アトランティック等々の広告に出演。しかし一般的には、女優・沢尻エリカとの結婚報道の際、その肩書が話題になったわけだが、実際には「何をやっているのイマイチわからない」という印象を持った人が多かったのではないか。

 その点、山田は役者としての基本的な顔がある。地方のいち男子高校生だった若手時代から映画『電車男』、ドラマ『ウォーターボーイズで』一躍人気俳優として知られていった山田個人のキャラクターはすでに日本中が知るところ。映画『クローズ』にはじまり、『闇金ウシジマくん』『ジョジョの奇妙な冒険』のアンジェロ役など180度振り切ったコワモテ路線、そしてジョージアやPS4のCMで見せるコミカルな姿など、その多彩ぶりは視聴者にはすでに認知されており好感度も高い。そして、山田が関わる一連の活動はことごとく芸能ニュースになり、一般層にもすぐ伝播していく。さらには一般層も実際に見て体験できるコンテンツが多く、つまるところ山田孝之が今何をしているのかが非常に“分かりやすい”。次は何をしてくれるんだろうといった期待も集めつつ、まさにさまざまなメディアでコンテンツを“クリエイト”しているのである。

俳優から頭一つ飛び出た、エンタメ界をけん引する存在としての期待感

 そんなハイパーメディアクリエイターという仰々しい称号が相応しくなった山田孝之は、エンタメ界全体をけん引する立場になれる稀有な存在といえる。山田はインスタグラムも「交友関係がすごすぎる」とたびたび話題に。「JINTAKA」の赤西仁だけでなく、ザ・イエローモンキー、GACKT、RADWINPSらアーティストとも交友がある。誰もが親しみを込めて「山田くん」と呼ばれる人望の厚さ、俳優にとどまらぬ交友範囲の広さ、他業種とのコラボによる関係性等々、すでにハイパーメディアクリエイターと呼称される“資格”を十分に有していると思われる。

 2月に六本木で開催された『ホリエモン万博』では、堀江貴文らとトークイベントに出演し、山田は先述のWEBメディア『mirroRliar』に言及。堀江氏に「新人で、すげえ人が出てくることへの恐怖心はないんですか?」と質問されると、山田は「(出てくることは)超うれしいです」と即答。「このサービスを作ったのは、日本は俳優が少なすぎると思ったから。数百人で日本の芸能界、映画とかが回っていて、そもそも僕がこんなに忙しいのはちょっとおかしい。魅力的な人がどんどん生まれていいと思いますし、俳優をやっている人もスキルアップをしてほしいし、俳優の絶対数を増やしたいんです」と、若手俳優陣に熱烈なメッセージを送ったのである。そうした発言からも、山田が自分の俳優業だけではなく、今後の芸能界全体を見据えて活動していることが伺える。

 そして今回、冒頭で述べた『聖☆おにいさん』の実写ドラマ化だが、2018年に新たに立ち上がる動画配信サービスにて配信されると言うものの、続報はまだない。ある意味、内容・放送・配信において未知の作品とも言え、業界筋の注目を集めているようだが、ひょっとしたらその“新しい動画配信サービス”に山田が一枚かんでいる可能性さえ推測される。いずれにしろ、10年先、20年先とエンタメ界をけん引するべく、“人気俳優”から一歩抜きんでた“ネオ・ハイパーメディアクリエイター・山田孝之”のさらなる才能の開花に期待したいところだ。

あなたにおすすめの記事

 を検索