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天性の“人たらし” ムロツヨシの自己売り込み力
名バイプレイヤーなのに芸人顔負けのトーク力&広い交友関係で芸能界の“潤滑油”に
基本的にはバイプレイヤーとして出演し、『勇者ヨシヒコ』シリーズ(2011年〜 テレビ東京系)の金髪マッシュルームカットの魔法使い役や、NHKプレミアムドラマ『真夜中のパン屋さん』(2014年)の意外と美人のニューハーフ役など、どこかクセのある役が多い。一方、役者以外のムロツヨシの真骨頂と言えば、やはりバラエティ番組における芸人顔負けのトーク力だろう。
『嵐にしやがれ』(日本テレビ系)の松本潤(MJ)との対決シリーズでは、自分のヘタレっぷりで笑いを取りながらも、しっかりと松本のお茶目な部分を引き出すし、ゲストで登場すれば、“何でこんな俳優たちと仲がいいんだ?”と視聴者を驚かせる豪華なメンツとの交友録(小栗旬、山田孝之、綾野剛、瑛太など)をサラっと披露したりする。
先の『交渉人』で共演した小泉孝太郎とも親友のような間柄で、小泉の実家に一緒に帰った時には、総理を辞めた翌日の小泉純一郎元首相と遭遇。以来、お正月になると小泉家を訪問するのが恒例行事になったのだとか。持ち前のネタとレベルの高いトーク力で視聴者の笑いを取りつつ、ムロツヨシは若手俳優やアイドルたちとバラエティ番組をつなぎ合わせる仲介役、潤滑油的な役割も果たしているのかもしれない。
自らの切り札“ムロ鍋”で売り込み 仕事も自分でもぎ取るアピール力
また同番組では、「とにかく近くに行ってムロツヨシですと連呼します。会話の途中にもムロツヨシとしてはこう考えますと言います。店員さんがウーロンハイですと言ったら、ありがとうございます。ムロツヨシですと。ハテナマークをいっぱい植えつける」と語り、この手法で『踊る大捜査線』シリーズの監督の本広克行監督や、『勇者ヨシヒコ』シリーズの福田雄一監督と絆を深め、特に福田監督作品には多数出演し、最近では『スーパーサラリーマン佐江内氏』(日本テレビ系)で重要なポジションを務めているのだ。
普段は見せない壮絶過去に“芸人殺し”の徹子も涙
壮絶な過去ではあるが、務めて明るく語ったムロは「嘘偽り無く1ミリもオヤジを恨んでいません。この家庭環境があるから喜劇役者になりたいと思えたし、他のことも考えず20年やれていると思います。感謝しています」と語っている。そんなムロの様子に黒柳は「人のお家に行ってごはん食べるのが平気になったのもそのおかげ」と分析。普段は感じさせないムロの壮絶過去は、ムロの武器“人たらし力”となり彼を支えているのかもしれない。
今では映画にドラマ、バラエティと大活躍を続けるムロツヨシ。自らが演出・脚本・出演をこなす舞台『muro式』のチケットも完売続出という。ここまでの道のりには、“不快感のないずうずうしさ”で相手の懐に飛び込み、若手俳優とバラエティ番組、そしてベテラン俳優との“架け橋”となっていく“自己売り込み力”が効果を発揮したことは間違いないだろう。ムロツヨシはこれからも多方面で愛されていくことだろう。