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“女芸人No.1”優勝のゆりやんレトリィバァ、ブレイクしても「今だけだと思っている」

 2017年末に行われた『女芸人No.1決定戦 THE W』で、見事初代チャンピオンに輝いた芸人・ゆりやんレトリィバァ。芸歴5年目ながらも、独特の個性で活躍の幅を広げているが、映画『ヴァレリアン 千の惑星の救世主』(3月30日公開)では、リアーナ演じる宇宙人・バブルの日本語吹き替え版声優にチャレンジしている。「子どものころから映画が大好きで、いつかやりたいと思っていた」というゆりやん。次々と夢が叶っていく現状について率直な胸の内を明かした。

「映画がなかったら芸人やっていたかわからない」

 旬な芸人がアニメや洋画の“吹き替え”を務めることは過去にも数多くあったが、ゆりやんの場合、吹き替え声優の仕事はガチの夢だったようだ。

 「小さいころから金曜ロードショーや日曜洋画劇場などをずっと観ていました。主音声と副音声で、実際の人の声と、吹き替えをやられている人の声を聴き比べたり、真似したりしていたんです。2年ぐらい前に、今のマネージャーさんについていただいたとき、未来の計画を立てたのですが、そのなかに『R-1優勝』や、『吹き替えをやりたい』という目標を掲げていました。なので、お話をいただいたときは、本当にめちゃくちゃうれしくてテンションが上がりました」。

 この言葉通り、ゆりやんの芸には、“映画”に関連するキーワードが出てくることが多い。芸歴2年目のときに出場した『R-1ぐらんぷり2015』でのネタも、アメリカのアカデミー賞授賞式を舞台にしたものだった。自身も「映画がなかったら、今、芸人やっていたかわからないし、芸風も全然違っていたと思う」と認めている。

「自分らしくない声にしたい」、初の吹き替えには不安も

 そんなゆりやんが、夢にまで見た吹き替えの仕事。しかも、大学時代に所属していたダンスサークルでいつも踊っていたという、大好きなリアーナの吹き替えを務めることとなった。「本当に信じられなくて舞い上がっていたのですが、映画を拝見したら、イメージしていたよりも低い声で『大丈夫かな』と思いました」と心情を吐露する。

 映画が好きで、自身も吹き替えに馴染みがあるだけに「私が映画を観ていても『なにこの声!』と思ってしまうと映画自体に乗り切れないので、自分が演じることによって、もしそうなってしまったら作品に申し訳ない」という不安も大きかったという。だからこそ「役柄を考え、しっかりキャラクターの特徴をつかもうと必死でした。ある意味で自分らしくない声にしたいと思って演じました」と、全身全霊で挑んだという。

ブレイクしても、「まだまだ自分では怖いと思っている」

 着実に夢を現実に変えているゆりやん。まさに充実一途の印象を受けるが、「めちゃくちゃうれしいし身に余る思い」と笑顔を見せる一方で、「こうしていろいろな番組やお仕事に呼んでもらっているのは、今だけだと思ってやっています。『THE W』の優勝にしても、来年には次のチャンピオンが生まれるわけだし…。まだまだ自分では怖いと思っています。大好きだった祖父の口癖が『勝って兜(かぶと)の緒を締めよ』だったので、そういう気持ちでやっています」と、やや慎重な意見も。

 まだ27歳という若さにしては、地に足がついているように感じられるが、「本来は、すぐに浮き足立ってしまう性格なので、気をつけないといけないなと注意しているんです。浮かれている人を見るのって、あまりいい気分しないじゃないですか」と胸の内を明かす。

 それでも「本当に仲良くさせていただいている『霜降り明星』さんや『ミキ』さんたちとは、お互いお仕事が決まると『あれ〜、今日は洋画の吹き替えの仕事か〜』とか『明日はすべらない話か〜』なんて、わざと聞こえるような感じで言い合って楽しんでいます」と、気の置けない仲間たちと切磋琢磨しながら過ごしていることを明かす。

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