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2段重ね? それとも3段? 各国で異なる“雪だるま事情”
江戸時代の“だるま”型から100年前には現在の形状に
日本の雪だるまの歴史は、江戸時代の浮世絵画家・歌川広景の『江戸名所道戯尽 廿二 御蔵前の雪』にまで遡ることができるが、雪だるまはその名の通り“だるま”のかっこうをしており、日本の雪だるまの最初の姿は“だるま”だったことがわかる。その後、頭の部分が分離して、大きな雪の塊の上に小さな雪の塊を載せる今の形となったようだ。当初だるまだった形は、明治から大正時代にかけて変化したようで、今から100年ほど前に製作された皿に描かれた雪だるまを見ると、すでに今の2段重ねの形に近い姿になっている。
「だるま」と呼ぶのは日本だけ!! 海外では様々な呼び方、形状の“スノーマン”
だるまの発祥地である中国でも雪だるまは「雪人」だが、その形は円錐形の山の上に丸い顔が載った二層構造。同じ2段重ねでもだるまとは似ても似つかないし、日本人が見ると富士山のようにも見え、見慣れた雪だるまの丸いイメージとはかけ離れている。お隣隣り韓国の雪だるまは、人気ドラマ『冬のソナタ』の名シーンに登場している。その形はかなり“日本チック”だが、名称はやはりヌン(雪)サラム(人)。“雪だるま”という愛称やその形は、どうやら日本独特の文化だと言えそうである。
個性溢れる“変わり種雪だるま”も多く出現 いつかは溶けてしまう儚さも魅力
晴れて日が出てくれば、やがては消えてしまう運命にある雪だるま。儚い命だからこそ、細かい部分にもこだわってていねいに作り上げる。そういうところも日本人独特の気質の現われか、あるいは、“わび”“さび”の心なのか。この冬、道端の雪だるまにいろいろと思いを馳せてみるのも一興かもしれない。