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【ザ・クロマニヨンズ】甲本ヒロト&真島昌利「ロックは楽しい」、カリスマが意外な不安も語る!?

「俺大丈夫?」「ちゃんとできてんのか?」と不安になって、怠けられない

――その、“楽しさ”という感情をいくつになっても保ち続けられるから、お二人はいつまでも歳を取らないんでしょうか。
甲本ヒロト 取ってるよ!(苦笑)。
真島昌利 ボロボロですよ!(笑)。
甲本ヒロト 本当は、周りの人のほうが気づいていると思う。でも本人はイケてると思っているんだよ、いつだって(笑)。

――もちろんイケてます(笑)。ただ、そこにさらに、年齢を重ねないと出ない渋い味わいのようなものが、加味されてきている気もします。ジャズミュージシャンが持つような、独特の枯れた味わい。さっと登場して、短いフレーズを弾くだけで、その場の空気を全部変えてしまうような。
真島昌利 あぁ、ああいうのカッコイイね。
甲本ヒロト 渋い感じのね。

――さっき、撮影しているときも、お二人もロックンローラーしか出せないオーラが出てるなと思いました。
甲本ヒロト 革ジャンは、昔より似合ってるなとは思います。俺、東京出てきて初めて、バイトした金で革ジャンを買ったんです。そしたら似合わなくて! がっかりしてさ(苦笑)。なんかロックの人って革ジャン似合うイメージあるじゃん? そのイメージと全然違ったんだけど、悔しいから無理矢理毎日着てた。一生懸命着てた。

――それが、今やすっかり革ジャンを味方につけて。それが、ジャズメンのオーラのような、ロックンローラーのオーラに繋がっているんじゃないでしょうか。
甲本ヒロト いや、ジャズの大御所の人たちみたいな、あんなスゲー感じにできないから、俺らはガムシャラにやっているんじゃないですか。焦ったりしてさ。「俺大丈夫?」「ちゃんとできてんのか?」と不安になって、それで怠けられないんです。ツアー中はいいんだけど、ツアーが終わると落ち着かなくて、すぐアルバム制作にかかっちゃう(苦笑)。

リハーサルのことを、俺らは“リハビリ”と言うんです

――レコーディングは毎回短時間で終わるとして、ライブのリハーサルも短いんですか?
甲本ヒロト リハーサルのことを、俺らは、“リハビリ”と言うんです。

――リハビリ???
甲本ヒロト ツアー前は、ニューアルバム全曲を演奏したいという思いはあるんです。でもそれがなかなかできない。何でできないかと言うと、5月にレコーディングして、夏は夏フェスに出るんだけど、そういうときは昔の曲をやるから、レコーディング以来4ヶ月ぐらいアルバム曲を一度も触ってない。それで忘れちゃっているんですね(苦笑)。

――しかも、レコーディングの時間も短いから、なおさら身体に入ってない、と。
真島昌利 その通りです(笑)。だから、リハビリはちゃんとやる。
甲本ヒロト ツアーの初日なんて、ものすごい緊張して、毎回チビりそうになるからね(苦笑)。なんか、本番前は(アニメ『アルプスの少女ハイジ』の)クララみたいな「俺、立てるのかな?」って不安があって、ちゃんと演奏して歌えた瞬間、「クララが立った!」的な感動がある(笑)。初日、面白いよ。ホントに肩の力、入りまくっているから。

――最新シングルの「どん底」に、そんなときのヒロトさんにピッタリの歌詞がありました。「力抜き 手は抜かない」(笑)。
甲本ヒロト そう歌ってはいますけど(苦笑)。
真島昌利 自分たちに対する戒めとしてね(笑)。

――クロマニヨンズにとっていつが「どん底」なんだろうと思って聴いていたんですが、ツアーの初日、始まる直前がまさにどん底ってことですね。
甲本ヒロト 普段、どん底から這い上がってまで頑張ろうというシーンがないから。それすらも楽しいですけどね(笑)。
(写真:RYUGO SAITO 文:菊地陽子)

アルバム『ラッキー&ヘブン』収録 「どん底」ミュージックビデオ

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