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清純派女優ブレイクの登竜門として確立、「高校サッカー応援」枠の“特異性”とは

 箱根駅伝や大学ラグビーなど毎年恒例のスポーツ行事が続く年末年始、30日から始まる『全国高校サッカー選手権大会』(日本テレビ系)もそのひとつ。そして成人の日の決勝戦に向けて大会を盛り上げるのが、“高校サッカー応援マネージャー”だ。初代・堀北真希から、新垣結衣や北乃きい、広瀬すずへと続く系譜は、数多いアイドル・女優の登竜門の中でも、特に“清純派”と呼ばれる若手女優を多く輩出してきた。同じ“登竜門的”な立ち位置の媒体は多くあれど、その“特異性”は他と一線を画している。

高校生が憧れる“理想のマネージャー”が就任

 歴代の高校サッカー応援マネージャーをざっと眺めても、堀北真希や新垣結衣、北乃きい、川口春菜……といずれも説明不要な“清純派若手女優”が続く。黒髪・優等生系で、高校生が憧れる“理想のマネージャー像”が並んでいる。2014年度の決勝大会を担当した広瀬すずは記者発表時、「静岡出身で兄もサッカーをやっていたので、小さいころからサッカーはとても身近なスポーツでした。キラキラと輝く選手のみなさんを、全力で私も応援してサポートしていきたいと思います」と100点満点のコメントを残している。

ほとんどの応援マネージャーが順調にスターへの階段を上っているが、彼女たちが大会期間中に日本テレビをジャックする勢いで出ずっぱりになる、というわけではない。開会式で入場行進の先導役を務めるほか、決勝戦のテレビ中継や関連番組にゲストで出演する程度。制服風のブレザ―を着て、お披露目会見でリフティングに挑戦するくらいが恒例で、実はほとんど露出はないのだ。

“あえて露出しない”ことで得られるクリーンなイメージ

 これが他の媒体のイメージガールだったらどうだろう。牧瀬里穂や深津絵里などを輩出したCM「JR SKISKI」(ちなみに2014−15シーズンは広瀬すず)なら、期間中はCMで毎日複数回は目にするだろうし、通勤通学途中でもJRの車内中吊り広告などで目に留まるはずで、CMに出演した女優なりモデルの姿はいやおうなしに脳裏に刻み込まれる。

 応援マネージャーと近いノリとも言える「ビクター・甲子園ポスター」(1987〜2008年まで現役アイドルを起用)のキャンペーンモデルでも、酒井法子、高岡早紀、高橋由美子、持田真樹、菅野美穂、村田和美、吹石一恵、上戸彩、石原さとみ、戸田恵梨香などなど、錚々たるメンツが登場し、“ブレイクする若手アイドルの代名詞”とまで言われ、やはり駅や店頭など各所に相当数のポスターが貼られていた。

 応援マネージャーは、あえて華美な露出を抑えることで、現役高校生や高校サッカーファンを対象に、リアルなマネージャーっぽい親しみやすさ、クリーンで健康的なイメージの認知に成功したと思われる。また、彼女らのブレイクは本人の実力による部分が大きいことも確かだろう。

推しを感じさせない親近感で長い支持を取得

 とはいえ、彼女らは「高校サッカー」を放送する日本テレビが選抜した、いわば日テレ“イチオシ”の女優・モデルであり、局の全面的なサポートがあることは間違いない。露出が少なくて残念どころか、堀北真希の場合はマネージャー決定直後には『野ブタ。をプロデュース』、現在は『ヒガンバナ』などの日本テレビ系ドラマに多数出演しているし、北乃きいは大会開催中に『北乃きいのサッカー魂』という冠番組を担当、現在は朝の『ZIP!』で総合司会を務めるなど、局側もかなり手厚いフォローをしており、“日本テレビっ娘”とでもいうべき女優さえいる。

 にもかかわらず、他のキャンペーンやイメージガールとは違い、大々的で派手なPRがないぶん、クリーンで健康的なイメージをキープし、10代の若者たちとともに成長していくという親近感も獲得しているのだ。今年の応援マネージャーである永野芽郁も、今は知名度的にはまだまだかもしれないが、「いずれブレイクする清純派女優」と注目しながら全国高校サッカーを見るのも一興かもしれない。

(文:五目舎)

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