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(更新: ORICON NEWS

大ブレイク後はイバラの道? “一発屋”にピン芸人が多い理由とは?

  • 「一発屋会」に誘われて戦々恐々としているとにかく明るい安村

    「一発屋会」に誘われて戦々恐々としているとにかく明るい安村

 年末恒例の話題のひとつに流行語大賞があるが、この流行語大賞に選ばれたり、トップ10に入った芸人は“一発屋”になるというジンクスがあるらしい。確かに歴代の受賞者やトップ10に入った芸人を見ると、テツandトモ、波田陽区、レイザーラモンHG、小島よしお、エドはるみ、Wコロン、スギちゃん等々、“そうそうたる”一発屋芸人たちが並ぶ。そして今年受賞した「安心してください、はいてますよ」の、とにかく明るい安村は、小島よしおにLINEグループの「一発屋会」に誘われて戦々恐々としているとも報道された。その他の芸人を見ても、ヒロシ、ムーディ勝山、小梅太夫、そして“一発屋界の大御所”ダンディ坂野など、なぜか一発屋芸人にはピン芸人が多いようだ。

インパクト絶大なだけに“全身疲労”も早い 年々強まるピン芸人への風当たり

 そもそも年末のこの段階にして、「今年ブレイクした芸人」がすでに“一発屋化”している感もある。日本エレキテル連合、クマムシ、8.6秒バズーカーなど、コンビ名だけではすぐにネタが思い出せず、何か遠い昔の話のような気さえする。それでなくても芸人の“旬”の移り変わりは激しく、視聴者も「この芸人はいつまでもつだろう?」的な目線で見がちだし、ブレイクした芸人を持ち上げては落とす風潮が出来上がりつつある。

一発ギャグや見た目のインパクト、ネタの新鮮さ(ウケている当時)だけに頼り、一発屋に終わってしまう例は数多い。中でも、“ピン芸人”の再浮上はなかなか難しい。ピンだけにコンビに勝るインパクトが必要だし、結果として特徴のある服装や奇抜なルックス、覚えやすいフレーズでブレイクする場合が多く、誰もが知ってるネタとして流通するスピードも速いが、そのぶん飽きられるのも早い。せっかくつけたインパクトが後々まで“足かせ”になることすらあり、ピン芸人に対する風当たりは年々強くなっているとも言える。

生き残る術も2倍に コンビ芸人の強み

  • 個々でキャラを確立し、コンビで再ブレイクしたオリエンタルラジオ

    個々でキャラを確立し、コンビで再ブレイクしたオリエンタルラジオ

  • ネタを量産して再ブレイクした藤崎マーケット

    ネタを量産して再ブレイクした藤崎マーケット

 同じ一発屋でも「コンビ芸人」であれば、ひとりが異なるアプローチの芸でブレイクしてもうひとりも番組に呼ばれるというパターンがある。ピン芸人がさらなる一発ネタを…と迷走したり、精神的にも負荷がかかるところを、コンビならお互いでネタを出し合ったり、最終的には原点であるコントやネタに戻ることもできるのだ。

 たとえばオリエンタルラジオは、例の“武勇伝”で大ブレイクし、「リズムネタ」「ダンスネタ」の元祖とも呼ばれ、深夜番組のMCにも抜擢されたが、いわゆる“天狗”になったあげくに消えるのもあっという間だった。しかし中田敦彦が慶応義塾大学卒という“頭のいいキャラ”を見出し、クイズ番組でブレイクすると、徐々にコンビとしての露出も増え、今度は相棒の藤森慎吾が“チャラ男”でブレイク。今では安定した活躍ぶりでテレビに出演し続けている。また、藤崎マーケットもネタを量産して大阪で再ブレイクを果たし、今年のキングオブコントでは決勝に進出して「ラララライ」脱却に成功するなど、コンビであれば仮に一度落ちても、話題のポテンシャルとしては2倍あるし、生き残る術がそれだけ多く有利だと言えるだろう。

反面、時代が変わっても通用する“息の長いピン芸人”

  • 今なお“営業”の仕事が絶えないンディ坂野

    今なお“営業”の仕事が絶えないンディ坂野

 とは言え、小島よしおは「そんなの関係ねえ」後の迷走ぶりもネタにしてテレビに出続けているし、「ゲッツ」のダンディ坂野も今なお“営業”の仕事が絶えないという。この“営業”というのもかなり稼げる場所で、「30分ほどの出演でギャラは100万円近い。他の一発屋でも、子どもウケさえすればそれなりのギャラは今でももらえる」(芸能事務所関係者)との声もあるほどだ。

 つまり、たとえピンでも同じネタを繰り返しやり続けることで仕事になったり、ヒロシのように時代が変わっても通用するネタを作って、ちょっとした再ブレイクを果たすこともできるのである。さらに有吉弘行や狩野英孝のように、かつてのイメージを完全に払拭し、独自のポジションを確立して生き残る場合もある。制作側や視聴者から“一発屋”と安易に決めつけられたピン芸人も、悲観することなく前に進み、“息の長いピン芸人”として活躍していくことを期待したい。

(文/五目舎)

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