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“強面”の山内圭哉、演技力抜群の遅咲き俳優
ヤクザ・死刑囚……癖のある役をやらせたら天下一品
先述の『民王』でも、記憶力抜群の捜査の鬼という超有能な刑事を演じ、首相の父(遠藤憲一)とその息子(菅田将暉)を守る重要な役柄だったが、同系統の遠藤賢一をもしのぐ強面っぷりと、ところどころに出してくる関西弁のような変なイントネーションが妙に対照的で、どことなくコミカルな部分が視聴者からも、「新田さんカッコいい」「カワイイ」との賞賛の声が多く挙がった。その他、映画『パコと魔法の絵本』での、銃で撃たれて入院する顔がつぎはぎだらけのヤクザ・龍門寺(ミズスマシ君)役、ドラマ『SPEC〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜』(TBS系)の千里眼を持つ死刑囚役など、癖のある役をやらせたら天下一品、という評価も定着してきている。
実は子役出身の超ベテラン、バンド活動などが幅広い役をこなしていく下地に
またバンド活動も長年続けており(8月に解散)、その見た目からしてパンクやハードコア系かと思いきや、へヴィメタルにジャズやパンクをごちゃ混ぜにしたような音楽で、演奏力はめちゃくちゃ高いという超本格的なもので、はっきり言ってカッコいい。こうした多才なところも山内の魅力であり、タダ者ではない感じを受けるが、自身がブログでも言うように、ヤクザ、江戸町人、精神障害者、ネイティヴアメリカン、探偵、殺人者等々、幅広い役をこなしていく下地になっているのかもしれない。
舞台、テレビドラマ、映画など、数多くの作品に出演していた山内だが、メジャー作品での主演級の役はまだ演じてないようだ。『あさが来た』や『民王』で注目度が上昇している今、今後は主演を張る作品のオファーもあるだろう。そのときこそ、山内の真価が問われるときかもしれない。しかし山内なら、長い間の舞台経験などで培われた確かな演技力と、個性派と謳われるオリジナリティを駆使して、しっかりとチャンスを活かすことができるだろう。43歳と遅咲きではあるが、タイプは真逆なれど、“第二の堺雅人”となるぐらいの素質は十分持っているように思われる。
(文:五目舎)