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プレッシャーに押しつぶされてしまう人も…二世タレントの栄光と挫折
“親の七光り”に打ち勝ち実力派として認められる二世
ロックバンド「OKAMOTO’S」のべーシスト、ハマ・オカモトとして高い評価を受けるダウンタウン浜田雅功の長男は、デビュー当初は二世であることを隠していたという。また、「ONE OK ROCK」のボーカル・Takaも、森進一、森昌子元夫妻の長男。かつては父親との確執も囁かれていたが(現在は関係良好とのこと)、英語の発音が日本人離れしてるなど、若いファンからの支持も厚い。Dragon Ashの降谷建志(古谷一行の長男)をはじめ、音楽界でも多くの二世が活躍しているが、親を抜きにして高い評価を得ている実力派が多いのが特徴だろう。
親との確執でいえば、故・三國連太郎さんの息子・佐藤浩市などは、今では過去の父親との確執について堂々と発言しているし、渡辺謙の娘・杏は、父親のことをあまり話したがらないと言われる。父が超大物俳優だからこそ、そのプレッシャーに打ち勝つためにストイックに演技に打ち込む。このふたりなどは、二世であるコンプレックスをよい方向に変換させたいい例なのではないか。一方、プレッシャーに負け、もしくは過剰に甘やかされたせいか、薬物に走ったりスキャンダルを起こすなどして、道を踏み外してしまう二世タレントもいる。彼らの親は、なぜか典型的な“昭和の大スター”であるパターンが多いのも、決して偶然ではないのだろう。
バッシングに負けず独自の立ち位置を築いた高橋真麻
こうしてみると、二世タレントにも多種多様なタイプがいるが、二世タレントの“栄光と挫折”をはっきりと体現しているのは、高橋英樹のひとり娘・高橋真麻ではないだろうか。彼女がアナウンサーとしてフジテレビに入社すると、“コネ入社”としてしばらく世間からバッシングを受けていた。実際、テレビでもあまり活躍することはなかったようだが、彼女のすごさは、人知れずアナウンス技術を磨いていたこと。あまり知られていないが、彼女のアナウンス能力は、そこらへんのアイドルアナの比ではない。そしていつのまにか、“変に上手いカラオケ”で注目を浴び、フジテレビを退社した今では、バラエティ番組などで堂々と父親とベタベタする、“開き直りキャラ”として大活躍している。
二世であるということは、芸能界入りの近道として最大の利点でもあるが、常に“親の七光り”という批判にもさらされる“諸刃の剣”でもある。二世タレントとしての宿命を、自らの努力や才能によってまっとうするのか、それともセールスポイントにするのか、あるいはプレッシャーに負けて、潰れてしまうのか。視聴者にしてみれば、そうした観賞の仕方も一興だろう。今、活躍する二世タレントの子どもたち、三世タレントが登場する日も近いのだろうから……。
(文/五目舎)