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なぜかテレビサイズに収まる蛭子能収の“ダーク”な魅力
蛭子能収は“己を測る物差し”
「葬式に行くと、参列者の神妙な顔が面白くて笑ってしまう」「(アンガールズの田中が伸び悩んでいた頃、蛭子に相談すると)大丈夫だよ、誰も田中さんなんか見てないから」「長男の結婚式で『今日の結婚式は中の下ですが――』とスピーチ」「競艇で1億円スる」とここに上げたのはエピソードの一部だが、ここに載せるのも憚られる伝説もあったことも一応記しておく。そんな蛭子だが、このような発言やエピソードの“まとめサイト”が多数あることからもわかるように、ネットユーザーからのすこぶる人気は高い。ではこの蛭子人気の要因はどこにあるのだろうか? 蛭子という存在自体を、視聴者が“自分より下”に見て面白がっていることもあるだろうが、かつて“抱かれたくない男No.1”だった江頭2:50が、今やネット上で大人気になっているのと同じようなノリで、“蛭子さんを許容できる、面白がれる自分って、器がでかくてカッコいい”的な心情も潜んでいるのかもしれない。そういった意味では、蛭子は“己を測る物差し”のような存在ともいえる。
蛭子の“正直な言動”に憧れを抱く視聴者も
もちろん賭け麻雀は犯罪だ。同様の罪で逮捕された芸能人も、今後の活動のことを考え、自分の気持ちを殺し殊勝に謝罪した。なのに蛭子は逆ギレ、というか義憤に駆られた感すらある。そんなリスクも顧みず、自分の思いをそのまま発言したのである。これだけ自分に正直に生きている人間、男気のある人間が、果たしてどのくらい今のテレビ界にいるだろうか?
蛭子は、今日もテレビでヘラヘラしながら、自分の思うがままに発言し、周りを気にせず生きている。「まったくしょうがないダメ人間だなぁ」と蛭子を馬鹿にしているつもりが、実は視聴者も、蛭子のように自分に正直に生きてみたいと、憧れや尊敬の気持ちを抱いて視ている。そんな視聴者の潜在意識にある願望こそが、蛭子をテレビに出演し続ける原動力となっているのかもしれない。
(文:五目舎)