(更新:)
ORICON NEWS
マッコイ斉藤が語るバラエティ番組における“演出”の役割
テレビでアイドル番組を観てると、全然面白くないなって(笑)
マッコイ斉藤マスカッツが終わって、結構やりきった感じはあったんですよ。ただ、テレビでアイドル番組を観てると、全然面白くないなって(笑)。なんか真似事というか、バラエティを舐めてるなって印象が凄くあって。あ、これではアイドルを使ったバラエティ番組の先は無いなっていう気持ちが芽生えたんです。
――マスカッツの時もそうでしたが、常に王道へのアンチテーゼとしての存在を作ろうとしてますよね? これはマッコイさんのバラエティ番組全般にも言えますけど。
マッコイそうですね。ただ、そんな強い決意で臨んでいるワケでもなくて、普通にアイドルを使っても面白くないから(笑)。何かを背負ってる人が好きなんでしょうね。何も背負う物がないと、今のアイドルの子たちみたいにキャッキャ♪やってればいいやってなっちゃいますからね。そんなことやってもしょうがない。まずは、背負ってるものは何か?という部分を明確に提示するのが大事。
――で、借金総額1億円3000万を背負った彼女たちがデビューしたと。確かに以前のマスカッツも背負ってるものは大きかったですよね。
マッコイマスカッツは背負ってましたよ〜。AV女優というのは、やっぱり“差別”はされないけど“区別”はされてしまうカテゴリーですからね。あの子たちはそのことを凄くよく分かっていたんですよ。でも、逆にそれを糧にして水を得た魚のようにステージで輝いてましたから。
――ある意味、普段お世話になっている男性から“区別”を受けるワケですもんね。
マッコイそうですよ! 我々世の男性にとってはありがたい存在じゃないですか? それを区別するって違うんじゃない! って気持ちで彼女たちも臨んでいた。だからライブでも凄く人の心を打つんですよ。今回のマーガリンズもそうです。借金を背負ったことで、物のありがたさとか感謝の気持ちをホントの意味で実感することが出来た子たちなんですよ。
――正統派アイドル然とした子もいれば、子持ちもママもいて、ドイツ人までいる(笑)。なかなか個性的な面子が揃いましたよね。
マッコイ人前に出ようなんて子はひとクセもふたクセもありますよ。で、どこで身に付けたか知らないけど、ダメな知恵ばっか持ってる。
――ダメな知恵(笑)。
マッコイクラスでウケたネタレベルのことを突然言ってくるから、そういうのは根こそぎ剃ってやりましたよ(ニヤリ)。
――怖いなぁ〜(笑)。
マッコイ大変と言えば大変なんですけど、それをやらないと、そこら辺にいるバカなユニットと一緒になっちゃうから。だから3年がかりでしょうね。1年くらいじゃ「なんでアタシ怒られてるの?」って感じでしょう。結局、番組を成功させるかは、培った信頼関係と年輪があってこそ。よそから拝借してきたようなツマラナイこと言ってきたら、速攻でシメます。
――先日も収録現場を拝見したんですけど、スタジオに入ったら、マッコイさんが丁度メンバーに雷を落としているところでしたね(笑)。メンバーが事前アンケートを未記入だったらしく。
マッコイあ! あれ見てました(笑)。どんなバラエティ番組でもそうですけど、出演者のアンケートって凄く大事なんですよ。ここから番組を作っていくから、スタッフも真剣に目を通すんです。いかに“とっかかり”を作れるか? そして、そこから繋いでいけるか? すべては事前アンケートにかかっているんです。それを空白で出すなんて考えられない! 大御所の女優でも芸人さんでも、枠を埋め尽くすまで書いてくるんですよ。
――スタッフさんに対しても、なるべく番組として成立するようにという気持ちがアンケートに詰まってるんですね。
マッコイそうです。そこが1流と2流の違いですよ。
『元気が出るテレビ』の現場なんて“和気あいあい”なんて一度もない!
マッコイ私生活は言えないよねぇ(笑)。僕、ADの頃にベンツ乗り回してたから。
――アハハハハ! ベンツで出社するAD(笑)。でも、仕事に入ったら“切った、張った”だと。
マッコイふざけた延長で作っていたらバラエティ番組は無理なんですよ。僕もそうだったんですよ。この業界に入った直後は、ふざけた気持ちでバラエティって作るものだと思って『元気が出るテレビ』とかの現場に臨んでたんですけど、もの凄くピリピリしてる現場だった。(ビート)たけしさんとか高田純二さんとか、それこそ“神様”みたいな人たちとご一緒させて頂きましたけど、“和気あいあい”なんて一度もないですよ。張りつめた空気の中で収録が始まり、本番で演者さんが弾けて120点取れて、初めて「おつかれ」って言葉を頂ける……そんな毎日でしたね。
――自分のテレビマンとしての力量を提示したことで、初めて認めてくれる。そして信頼関係が芽生える。
マッコイそうです。マスカッツだって最初は信頼関係なんて全く無かったですから。「私が一番前の席よね?」なんて勝手に言ってくるヤツばっかりだったし(笑)。
――やっぱり、AV業界でNo.1を獲った方が集まったワケですもんね。プライドをかけた女の戦いが(笑)。
マッコイ凄かった(笑)。分かりやすく言うと、戸塚水産(※漫画『ビーバップハイスクール』に登場するワルの巣窟)が6校くらい集まって、各校のトップが集結したようなもんですから。
――アハハハハ! ヘビ次、ネコ次が一杯(笑)。
マッコイそうそう! 集合写真撮るにしても、ヘビ次、ネコ次たちがぞろぞろ前列に来るんですよ。「どけよ!」とか言って(笑)。
みひろは、俺のことホントに大嫌いだったと思う
マッコイ彼女たちはAV界でNo.1だったという自負があるから、それこそ五寸釘みたいなプライドを叩いて叩いて平らにしてね(笑)。それに比べたらマーガリンズは簡単。ちょっと言えばすぐペターン!ってなるから。
一同爆笑
マッコイでも、最後はマスカッツとも信頼関係が構築できましたよ。僕自身、それを肌で感じてましたから。でも、それだって4年掛かりましたからね。やっぱり五寸釘ですからね(笑)。現にみひろは、俺のことホントに大嫌いだったと思う。それが解散コンサートを観に来て、「マッコイさんのやりたいことがやっと分かりました」って言ってくれてうれしかったね。あんな五寸釘の一番尖がってるような娘が気持をわかってくれて(笑)。ただ、マスカッツの中には未だに俺のことを恨んでいる奴はいる!
――アハハハハ! でも、だからこそ面白いんですよね。リアルな感情のぶつかり合いが画面を通して滲み出てくるから。
マッコイうん。そうあることで、ヒリついたバラエティ番組が出来るんですよ。例えば、AKBの子たちって凄く頑張ってると思うんですよ。でも、AKBを使って番組作りをしている局の人たちは、もうちょっと何とかなんないかなぁって。一緒にご飯を食べに行きたいみたいな欲望が画面から滲み出てるから(笑)。