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永山絢斗 SPECIAL INTERVIEW 心地よくて…楽しくはないけど おもしろい
そんな彼がまた新たな顔を見せてくれるのは
三池崇史監督による本格アクションサスペンス大作『藁の楯 わらのたて』。
撮影現場での葛藤、今の自分に対して思うこと……素顔をのぞかせてくれました!
このなかに自分もいられるんだな…
【永山】 そうですね、良い作品に呼んでもらえる機会が増えることはとても嬉しいです。
──今回の『藁の楯 わらのたて』も良い作品ですよね。オファーをもらったときはどんな気持ちでしたか?
【永山】 すごく衝撃的な話だったし、(スタッフもキャストも)すごいメンバーだし、オファーをもらったばかりのときは「ああ、このなかに自分もいられるんだな」という(嬉しい)感覚だったんですけど、クランクインが近づくに連れて、ものすごく緊張してしまって……。いい意味でしびれた作品でした。
──しかも、神箸のような本格的な刑事役は初めてですよね?
【永山】 ですね。前にも『罪とか罰とか』(2009年)で刑事役はやってはいるんですが、あのときは刑事であり殺人者でもある特殊な役でしたし、ドラマ『理由』(2012年)は下っ端の刑事役。なので、きちんとした刑事役というか、警視庁のエリート刑事役としては今回が初めてですね。
──神箸は血の気が多くてイヤミも言う、口は悪いけれど正義感のある刑事ですが、演じるにあたって事前にどんな準備を?
【永山】 すごくエネルギーのある役だったのでおもしろかったです。準備は……いろいろ考えて作ってはいきましたけど、いわゆる役作りといえるような「僕の役作りはこうです!」というほどのものではなくて……もう、薄っぺらいものですね(苦笑)。
──いやいや、あの熱のこもった演技は全然薄っぺらくないです。
【永山】 (笑)キャストだけでなく、スタッフさんも自分たちの仕事にこだわりと誇りを持った職人さんのような方ばかりだったので、自然と力が入りました。衣裳もすごく良かったし。髪形に関しては(監督から)「自分で考えてきて良い」と言われていたんです。なので、自分なりに神箸をイメージして、いろんなものをミックスして作りました。
おもしろさであり恐さでもある
【永山】 彼の人間味は、仕事を重ねて出来上がってきたものだと思うんです。なので、そこに上司として岸谷(五朗)さんが入ることで、すごい説得力が生まれるというか。個人的には、空港のシーンでその感じが伝わればいいなと思うんです。というのは、空港のシーンは(自分の)最初の撮影で、現場の張り詰めた空気にものすごく圧倒されたシーンでもあるので。
──そんな思い出の空港シーンを含めて、三池組の現場の感想も聞かせてください。
【永山】 役者さんたちもすごいメンバーで、スタッフもキャストもみんな監督に身を預けている感じが伝わってきて、安心できました。けど、もちろん緊張感もあって。セリフの言い方とか目の動きとか、こういう感じでと実際に三池さんがやってみせてくださるんですけど、なんて芝居の上手い監督なんだと驚きました(笑)。
──また、藤原さん演じる殺人犯・清丸は見ていて本当にイラッとさせられましたが、撮影ですぐ傍にいてイラッとしなかった?
【永山】 「何を言ってるんだ、コイツ!?」とはなりますよね(笑)。撮影中、藤原(竜也)さんにご飯を食べに連れて行ってもらったりしていたんですけど、やっぱり、現場に入ると周りの人と全然話をされないんです。僕自身も最後まで集中して現場にいることができました。
──この作品は「自分だったらどうするのか?」を誰もが考えると思います。永山さん自身はどんな答えを出しましたか?行動することで10億円が手に入るとしたら?
【永山】 どうしようかなぁ、どうするかなぁ……。未遂でも1億ですからね、石ぶつけたらいいんですよね(笑)。誰にでもそう思わせてしまうことがこの作品のおもしろさであり恐さでもあるんです。
(文:新谷里映/撮り下ろし写真:逢坂 聡)
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