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水原希子 SPECIAL INTERVIEW 全部なしの状態でやろう!
深く考え込み過ぎて…
【水原】 最初は、深く考え込み過ぎていました。いろいろな角度から考えれば考えるほど、余計に難しくなっちゃって(笑)。だから、途中からあえて考えないようにしていました。早樹は物語のキーパーソン的な存在で、観ている人にどんなインパクトを与えられるか、印象的なキャラクターになれるか、が大事。そういった点を重視して役と向き合うようにしていきました。私はまだ“役作り”というものが何なのかはよくわからないですけど、今回の現場では、まず自分が考えたものを出して、監督の意見を聞く。話し合いをしながら探りさぐりキャラクターを作っていった感じです。
──大友啓史監督とはどういうお話を?
【水原】 難しいことは全然言われなかったんです。わりと自由にさせていただいた感覚があるくらい。ディレクションもとてもシンプルで、「これはこうしないで、こうしたほうがいい」といった感じでわかりやすくて。明確に画が見えていらっしゃるんだなと、安心してお芝居に臨むことができました。早樹がひたすら壁に素数を書き続けるシーンがあるんですけど、カメラを長回ししたんです。その方法が私にとってすごくやりやすくて。その撮影ではお芝居を続けながら新たな発見もあったりして、印象深いです。
──“演じる”ということに関して、頭で考えるよりも、現場で感じた空気や直感を活かすほうが、自分に合っていると思いますか?
【水原】 今のところはそうですね。ただ、本来の性格が考えちゃうタイプなんですよ。ムダにいろいろ調べたり、知識を入れようとしちゃう(笑)。けど結局それが、現場で足を引っ張る要因になってしまったりすることもあるんです。知識を増やしたせいで緊張したり、頭のなかで勝手に「こうしたほうがいいんじゃないかな?」って考え過ぎちゃったり。最終的には「いったん全部なしの状態でやろう!」という結論に落ち着くことがほとんどなんですけどね(照笑)。
複雑だなあと感じて…
【水原】 とくに撮影初日は緊張します!今回みたいに原作があるお話は、「作り手側のイメージと自分のイメージが一致していなかったらどうしよう……」と考えたりして、すごく不安になったり。正直、モデルのお仕事ではあまり不安はないんです。キャリアが長いという理由もありますけど、スタイリングから何から、周囲がしっかり形にしてくれるということを自分でも理解できているので。だけど、女優のお仕事の場合はまだプレッシャーを感じますし、しゃべり方や仕草も映し出されるぶん、より複雑だなあと感じて悩んでしまいますね。
──ということは今の水原さんにとって、スチールのカメラの前に立っているときと、映像のカメラの前に立っているときでは、明確な感覚の違いがあると。
【水原】 違うと思います。モデルの仕事は、たとえ間違えたとしても、それをすぐに認めることができるし、何を間違えたかもわかる。お芝居はニュアンスや空気感といった微妙な要素を、自分の動きを含めて感じ取らないといけないので、まだ難しい……(照笑)。経験が浅いということも大きいけど、事前に何回もシミュレーションして行っても、現場では全然違っていた、ということもあるんです。“こうしたらOK”っていう、“安全パイ”を作っておけたらいいのになって思っちゃいますね。
──“安全パイ”って?
【水原】 安心な選択肢、お芝居の引き出しを備えておきたいというか。自分が持っていったイメージが現場で否定されることへの不安感が今はあるので……。だけど結局は“見せる”じゃなく、“感じたまま”お芝居をすることが、結果としてうまく行くんだなって考えるようになってきました。
(文:奥浜有冴/撮り下ろし写真:逢坂 聡)
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プラチナデータ=極秘裏に集められた全日本国民の究極の個人情報・DNAデータ。近い将来、犯人を特定する最先端のDNA捜査が可能になり、検挙率100%、冤罪率0%の社会が訪れようとしていた。神楽龍平は警察庁の科学捜査機関『特殊解析研究所』に所属する、天才科学者。いくつもの難事件を解決してきた彼は、DNA捜査の重要関係者が殺される連続殺人事件を担当することに。しかし、わずかな証拠からDNA捜査システムが導き出した犯人は、なんと、神楽自身だった――。まったく身に覚えがない神楽は逃亡を決意。“追う者”だった神楽は自ら作り出したシステムによって“追われる者”に――。神楽は白か黒か?信じられるのは科学か、自分自身か?
監督:大友啓史
出演:二宮和也 鈴木保奈美 生瀬勝久 杏 水原希子 豊川悦司
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2013年3月16日(土)全国東宝系ロードショー
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