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映画『のぼうの城』SPECIAL INTERVIEW

いつの時代も、人を動かす力の本質は変わらない。映画『のぼうの城』の主人公“のぼう様”こと成田長親は、将に求められる智や勇こそないが、誰にも及ばぬ徳望で人々の心を掌握する人物だ。ORICON STYLEでは、そんな稀代の名将からリーダーの条件を読み解く特集を2週に渡ってお届け。1週目は、今作が9年ぶりの映画出演となる野村萬斎が登場。日本を代表する狂言師でもある萬斎の奥深い人間性に迫る。続く2週目は、長親と相対するリーダーを演じた上地雄輔と“インタビュー対決”で、互いの印象や現場裏話を語り合ってもらった。

悪とか敵ではなく 愛される三成を表現したかった

──数多くの作品に出ていますが、時代劇は『天地人』に続いて本作が2作目。オファーを受けたときの感想から聞かせてください。
上地『天地人』が終わった直後に『のぼうの城』の話をもらったので、今度はそっち側の役かよ!と(笑)。『天地人』では小早川秀秋として、石田光成をどう裏切ったら作品が面白くなるかな……と考えて芝居をしていたのに、今度はその三成の役で。この役にキャスティングされたことがまず驚きでした。

──たしかに(笑)。そこから三成という人物をどのように捉えていったのでしょうか。
上地ほかの人(俳優)の演じた三成をあまり見たことがなかったんですが、自分としては、上地雄輔にしかできない三成をやってみたいという思いは漠然とありました。作品のなかで三成が膨らむ話になったら面白いし、観客がいつの間にか三成の側も応援したくなってしまうような、そんな悪とか敵とかではなく、人間らしい三成を表現したかったというのはあります。



──実際、愛される三成になっていると思います。ラストシーンは特に絆を感じるいいシーンに仕上がっていました。
上地あのシーンは、ものすごく大事なシーンでした。逆算というか、すべてはあのラストシーンに向かっていくためにあった芝居で。楽しかったし、やり甲斐がありましたね。

──そのやり甲斐のなかには、もちろんのぼう様役の野村萬斎さんとの共演も含まれると思います。野村さんとの共演の感想を聞かせてください。
上地野村さんとの共演シーンは、あのラストシーンだけなんです。やっと現場で会える!という喜びと、やっとこのシーンを演じることができる!という嬉しさがありました。(野村さんに刺激されて)作品のなかで三成がどんどん存在感を増していくような、存在感ある三成を演じてしまえ!という勢いもありましたね。

のぼう様みたいな役も多いので…その心象を裏切りたい

──そんななかで感じた時代劇の現場の面白さってどんなところですか?
【上地】現代劇も好きなんですけど……時代劇って、芝居をしていると「ああ、俺って日本人なんだな」って思えるんです。日本人で良かったとも思う。この歴史のなかに自分もいるんだと、改めて実感した撮影現場でもありました。時代劇にかかわらず、時代や歴史を描いたものが好きなんです。

──しかも、この『のぼうの城』は史実に基づいていながらもエンターテインメント、すべての設定が分かりやすいというのもいいですよね。
【上地】そうなんです。人間模様も丁寧に描かれているので、俺はこの人が好き、私はこの人、というように感情移入する人によっても面白さが変わってくる。僕はもちろん三成に感情移入していましたけど(笑)。三成以外で好きなのは、そうですね……大谷吉継(山田孝之)かな。大谷はもともと好きなキャラクターではあったんです。情に熱くて、がまん強くて、頭がよくて、実力があって、何よりも渋い!小さい頃は、柴崎とか酒巻とか(わかりやすいヒーロー的なキャラクターが)好きだったんですが、大人になると、男の渋さとか人間の熱さを求めちゃうみたいです(笑)。

──そうなんですね。ところで、野村さんは「上地さんはのぼう様に似ている」と言っていました。ということは、上地さんはリーダーの素質があるということになりますね。
【上地】いやいや(苦笑)。ただ、これまで演じてきた役が、どちらかと言うとのぼう様のような役が多かったこともあって、周りの友人からは「えっ、のぼう様をやってるの?」と勘違いされています。ぼけーっとしてるイメージが強いんでしょうね(笑)。もちろん、それだけではなく、僕自身とこれまで演じてきたイメージの両方からくるものなんでしょうけど……。

──で、本当の上地雄輔さんはどういう人物なんですか?
【上地】やっぱり、両方ですね(笑)。今回は、のぼう様とは真逆のキャラクターの三成を演じることができて、本当に嬉しいんです。いい意味で観客を裏切っていきたいと思っているので。



──役者の方は口々にそう言いますよね、イメージを裏切っていきたいと。ちなみに、上地さんがこれから先、挑戦してみたいのはどんな役ですか?
【上地】狂気的な役をやってみたいんです。とんでもない殺人鬼とか、何の共感も得られない役とか。でも、求められている役に応えるのも好き。ここまでお願いしますというそのハードルを超えることが好きというか。対監督、対共演者、相手が僕に対して抱いているハードルを越えてやろう!と、それは常に意識しています。

──いい貪欲さですね。最後に、この映画は水攻めをはじめCGを駆使した映像美も見どころ。完成した映画を観た感想を聞かせてください。
【上地】めちゃめちゃ迫力ありましたね。「うぉおお!」って思わず体が後ろに下がってしまうくらい、それくらい迫力がありました。映画だなって実感しました。だから、みんなにも大きなスクリーンで観てほしいです。すべてのシーンが印象深いんですが……やっぱり、のぼう様と三成の対峙シーンは特別印象深いですね。みんなからも「いいシーンだった」と言われることが多くて。ぐっさん(山口智充)からも「今だから言うけど、テストの時に「うぉおお!」って思った」って(笑)。できるならその時に言って欲しかったですね(笑)。もちろん、僕自身もテストで萬斎さんと目が合ったとき「うぉおお!」って思いました。

(文:新谷里映/撮り下ろし写真:鈴木一なり)

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映画情報

のぼうの城

 天下統一目前の豊臣秀吉にケンカを売った“でくのぼう”がいた――。軍勢はわずか500人。総大将は、才能も勇気もないが人気だけはある“のぼう様”。豊臣2万の大軍に包囲され、絶体絶命のその時、のぼう様が打って出た突飛な奇策とは!? 驚天動地の実話、遂に解禁。脚本は、03年に城戸賞を受賞した和田竜のオリジナル。その脚本をもとに自身が書き下ろした小説は、08年第139回直木賞にノミネート、累計165万部突破の大ベストセラーとなった。日本映画の歴史を塗り替える壮大なスケールの本作を手掛けるのは、日本を代表する犬童一心×樋口真嗣の2二大監督。この奇跡のタッグで、2012年最大の超大作、誰も見たことのない興奮と感動のスペクタクル・エンタテインメントを生み出した!

監督:犬童一心 樋口真嗣
出演:野村萬斎 榮倉奈々 成宮寛貴 山口智充 上地雄輔 佐藤浩市
【映画予告編】 【OFFICIAL SITE】
2012年11月2日(金)全国超拡大ロードショー (C)2011『のぼうの城』フィルムパートナーズ

関連リンク

野村萬斎 as 成田長親インタビュー
萬斎VS上地“リーダー”対決!
上地雄輔 as 石田三成インタビュー

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