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福山雅治『9万人動員した16年ぶりのファンクラブライブに潜入!』
予想を裏切る嬉しい演出の連続
「ファンクラブイベントなので、あえてわがままメニューで」と言っていたが、凝りに凝った“下ごしらえ”は少しでもファンに喜んでもらいたいという愛情とサービス精神の表れだろう。予想を裏切る嬉しい演出はそれだけに止まらず、2曲目「Peach!!」ではフロート車が登場し、“歌う福山”がステージごとスタジアム内を巡回。アリーナ席はもちろんスタンド席1塁側から3塁側まで全員総立ちの大声援が飛び交う。そんな観客と福山が作り上げる場内の距離感が、より近く温かく心地よく感じられるのもファンイベントならではで、ライブ前半の1部ではファンクラブ“BROS.”と福山自身の歴史を振り返りながら得意のトークをたっぷりと聞かせるスペシャルなプログラム。「僕にとっての青春はBROS.と過ごす時間」、「ここには福山に関心がある人しかいません。雅治さん!と喉から血が出るまで叫びましょう」など、ファンをいじりくすぐるドSな福山節もいつも以上になめらかで絶妙だ。
トークの合間には甘酸っぱい夏ナンバー「Venus」、福山少年の幼少時の写真を交えた「蜜柑色の夏休み」などコアな人気曲から、「明日の☆SHOW」や「milk tea」などヒット曲までメリハリよく差し込み、福山ハウスに招かれたような贅沢で濃密なアクトに時間を忘れてくつろいでしまう。
18万人動員のライブも決定!
続くアンコールでも記念すべき第1回目のファンクラブイベントの1曲目に歌ったが“一体感がすご過ぎて歌っていなかった”「もっとそばにきて」、「歌って欲しいリクエスト順位」で1位に輝いた「あの夏も 海も 空も」と2曲を熱唱。ダブルアンコールはとどめの一発、名曲「家族になろうよ」でファンを完璧にノックアウト。全編3時間30分という長丁場をまったく感じさせず魅せきった福山のアーティストスキルの高さに改めて圧倒されたが、もっとも素晴らしかったのは広いスタジアムをドメスティックに感じさせる彼の絶妙な距離感だろう。1人ひとりに歌い話しかけるように距離を詰めながら、常に俯瞰(ふかん)で眺めるように会場全体を包み込む。その懐の深いスタンスは贅沢なゲスト感となんとも言えない安堵感を感じさせる。
今イベントでは3日間で9万人動員という快挙を成し遂げたが、年末には神奈川・パシフィコ横浜 展示ホールで10日間トータル18万人を動員するライブの開催も予定している福山。次はどんな歌声とアクト、そしてトークでオーディエンスを招き酔わせるのか。今から楽しみだ。
(文:若松正子)
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