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桑田佳祐『生歌でリスナーへの感謝を伝えたスペシャルライブ!』

サザンオールスターズの桑田佳祐のレギュラーラジオ番組『桑田佳祐のやさしい夜遊び』(TOKYO FM)が、今年の4月より放送20年目に突入し、さらに7月5日には放送1000回目を迎えた。これを記念し、桑田が7月11日、12日、TOKYO FMホールで「桑田佳祐のやさしい夜遊び〜夏にサザンないの!? いいかげんに1000回!! ファンやめたるわ!! 生歌ライブ〜」と題した生歌ライブを開催した。

真夏の野外さながらの熱いステージ

 2日間合計で1000人のリスナーを招待し、“リスナー大感謝祭”ともいえるスペシャルな夜となった「桑田佳祐のやさしい夜遊び〜夏にサザンないの!? いいかげんに1000回!! ファンやめたるわ!! 生歌ライブ〜」。ORICON STYLEでは生歌ライブ1日目、11日のライブの模様をお届けする!

 会場に集まった幸運なリスナーが大きな手拍子で桑田の登場を今か今かと待ちわびるなか、客電が落ち真っ暗になると、500人の大歓声が響き渡った。その声に包まれながら、桑田が緊張した面持ちで登場。2011年に発売された桑田のアルバム『MUSICMAN』収録の「古の風吹く杜」からライブがスタートした。バンドメンバーを呼び込んでの最初のMCでは、「台風大丈夫でしたか?」(前日から早朝にかけて台風8号が関東地方に接近)と客を気遣いつつ、「今回のタイトルにもある通り、今年は夏にサザンのライブがないということで、こういう催しをやってみました。私が好きな曲をやる時間帯もあります。こんな曲いらなかったってのもちらほらあると思うけど(笑)、我慢して聴いて下さい!」とあいさつし、会場を沸かせた。

 この日のライブは“○○コーナー”として、それぞれテーマを設けて進行。まずはそのタイトル通り、サザンオールスターズの楽曲で構成された「サザンコーナー」で幕を開けた。「茅ヶ崎に背を向けて」、「Big Star Blues(ビッグスターの悲劇)」と立て続けに披露すると、一気に会場のボルテージは最高潮に。桑田が客を煽り、客もまた満開の笑顔で応える。桑田は「あがってるんですよ。みなさんの様子見ながらやってるんです(笑)」と笑いを誘いつつも、にこやかな表情で「栞(しおり)のテーマ」、「夕陽に別れを告げて」を歌った。コーナーのラストはファンから熱い支持を受ける名曲「Oh!クラウディア」。ハンドマイクに持ち替えて情感たっぷりに歌い上げ、客もゆったりとしたリズムに身を任せながら歌声に聞き入っていた。

 続いては、この日のバンドメンバー紹介。小田原豊(Dr)、琢磨仁(B)、片山敦夫(Key)、斎藤誠(Gt)と順番に紹介していき、原由子(Key)は「台風でしたけど、皆さん、来れて良かったですね。楽しんで行ってください!」とあいさつ。また、桑田が「今、オリジナルアルバムを作っているんです。最初はちゃちゃちゃっと8曲くらいで作って発売しようかなと思ってたんですけど(笑)、作ってるうちに盛り上がって、ボリュームが増えてきました」と明かすと、待望のアルバム情報に大きな声援が巻き起こった。

 ふたつめのコーナーでは「邦楽〜真夏の名曲コーナー」と題し、1960年代〜1980年代の夏の名曲をカバー。波音の効果音とともに、真夏の野外さながらの熱いステージが繰り広げられた。「一番好きな曲です」と紹介しファンの手拍子に包まれながら歌った「砂に消えた涙」(ミーナ)、原のハモりが華を添えた「恋のバカンス」(ザ・ピーナッツ)、「夏のお嬢さん」(榊原郁恵)ではビキニのダンサーとともにノリノリで熱唱。また、「青い珊瑚礁」(松田聖子)では「皆さんご一緒に、ご唱和下さい!」と、客とともに大合唱し、大盛り上がりとなった。さらに「真夏の出来事」(平山三紀)を腕のフリを交えながら披露すると、「ついてこれてますかー? 自分の好きな歌を歌ってるときが一番楽しいよ!」と話し、本当に心底楽しんでいる様子。同郷で、桑田が敬愛する加山雄三の「君といつまでも」では、喜寿を迎えた加山に向けて「77歳、大変おめでとうございます」とお祝いの言葉を述べ、間奏のセリフも「僕は加山さんがいてくれるだけで一番幸せなんだ」と替えて熱唱した。

改めて伝えるリスナーへの感謝

 お次は「お客さん置いてきぼり、ビートルズコーナー」。体調不良から復帰し、この週にツアーを再開したばかりのポール・マッカートニーの回復を喜びつつ、カラフルなライトを浴びながら「All My Loving」でスタート。軽快なリズムに客が“置いてきぼり”になるはずがなく、桑田自身も笑顔で音に乗る。「Ticket To Ride(涙の乗車券)」、「Norwegian Wood(This Bird Has Flown)」、「Nowhere Man」と名曲のオンパレードに、客も一緒に歌い、純粋に音楽を楽しんでいた。コーナー最後の「Hey Jude」ではハンドマイクで体全体を使って楽曲のメッセージを表現し、最後は大合唱となった。

 その後のMCでは、改めて「9月にニューシングルを出します」と報告。「CDが売れないとか言われてるけど、必要なことはお客さんが喜んでくれる曲を作ること」とし、「最近のCDはグッズとか特典につけてるけど、俺は大賛成だし、CDが売れるならいいと思うんです。僕らもオリコンチャート1位を目指したいですね」と、意欲を燃やしていた。続く「さらにディープに、お客さん放置プレー…エリック・クラプトンコーナー」は、「I Shot the Sheriff」、「Layla(いとしのレイラ)」の2曲を選曲。イントロから重く響き渡るエレキギターの音に歓声が上がり、こちらも放置どころか客も一緒に声を出して楽しんでいた。

 そして、いよいよラストスパート。「Yin Yang(イヤン)」、「スキップ・ビート(SKIPPED BEAT)」、「幸せのラストダンス」と、桑田、KUWATA BANDのヒット曲を立て続けに熱唱。「スキップ・ビート(SKIPPED BEAT)」のコール&レスポンスの余韻も残るなか、「天国の階段」の演奏で桑田と原が「赤い靴」をデュエットするというファンにとって懐かしくもある演出で沸かせ、本編最後のメドレーへ。会場が一体となってダンスを踊った「YOUG MAN(Y.M.C.A.)」から「レット・イット・ゴー〜ありのままで〜」、原がキュートなダンスを披露した「恋するフォーチュンクッキー」、そして最後は「波乗りジョニー」を熱唱。真面目に熱唱する姿、バンドメンバーを見つめる時のにこやかな顔、ときにユニークな演出で会場を沸かせるお茶目な部分と、くるくると表情を変える桑田は、まさに変幻自在のエンターテイナー。熱気冷めやらぬまま幕を閉じた。

 アンコールでサザンオールスターズの「LOVE AFFAIR〜秘密のデート」、「栄光の男」を歌った桑田は、「みなさんのおかげで放送1000回を超えました。今日は本当にありがとうございました」と感謝の気持ちを述べ、「このあとレコーディングにまた没頭します。年越しで皆さんとあけましておめでとうできたらと思っていますので、横浜アリーナで待っております。心を込めて最後の曲をやらせていただきます」と、「心を込めて花束を」を熱唱。客もゆったりとはじまるピアノの音色に乗る桑田の歌声を堪能し、まさに“生歌”を通してリスナーへの感謝の気持ちが伝わるライブとなった。

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