独特な語り口調で人気の戦場カメラマン・渡部陽一氏が20日、東京・原宿のKDDIデザイニングスタジオで『渡部陽一写真展』開催記念トークショーを行った。テレビやイベントに引っ張りだこの渡部氏は、2010年を振り返り「一生忘れることのない1年になりました。たくさんのメディアを通じて、僕の写真を見ていただけたこと、戦場の子供たちの声を届けられて感謝の1年」と深々とお辞儀した。

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　世界の紛争地域で撮った数々の写真から、「子供たちの笑顔」をテーマに全16点を紹介した渡部氏は、会場に招いた子供たちに「ぜひ、世界中に飛び出して、世界の人たちとお話をしてみてください。元気がどんどん出てくると思います」と身振り手振りを交えて熱弁。「来年も、そのしゃべり方？」と子供から質問された場面で「変えたくても、変えられないんです。小さい時から、このしゃべり方」と真摯に語ると、場内からはクスクスと笑いが起こった。

　イベントを終えた渡部氏は「子供たちに世界情勢の写真を見てもらうことは嬉しいことです。たくさんの子供たちや年配の方に、見てもらいたいと思っていたので、言葉で説明できて、感無量です」としみじみ。願いは「世界中の子供たちが笑顔になること」だといい「戦場カメラマンという仕事がなくなれば、みんな仲良しになるんです。笑っている子供たちが撮れるようになればいいと思います」と自身の夢も口にした。

　今年6月には長男も誕生し、公私共に充実した1年となった渡部氏は「新たな家族を持つことが、僕の大きな人生の転換期となりました。大きな1年でした」と目尻を下げ「子供は、勇気と希望です」と語気を強めながら語っていた。『渡部陽一写真展』は来年1月20日（木）まで開催。