| WaTのシングル4部作をコミック化、映像化を語る WaTのシングル4部作をモチーフとしたコミック『My Favorite Girl』が『別冊マーガレット』で連載され、さらに二人が主演する映像作品『My Favorite Girl −The Movie−』がDVDリリースされる。同じく集英社刊の『NANA』を例に挙げるまでもなく、コミックと映像、音楽とが密接に連動し、大きなヒットを生み出す事例が見られるようになってきたが、従来とは違い、楽曲発という、新しいヒットのパターンが生まれそうだ。 一つの優れたソフトをどう展開するかが、 ますます大事な時代 ── これまでにあまり聞いたことのないプロジェクトになりましたね。 手島:そもそも今回はシングル自体が4部作で、4作を通じて一つのストーリーになるという話をお聞きしていたので、だったら漫画にしてみようかという話になりました。 4作の歌詞の間を埋めるストーリーを膨らませていけば、4ヶ月にわたる連載になるよねと。うちの『ラブ★コン』という漫画作品が小池徹平君主演で映画化され、今夏公開されたこともあって、かなり早い段階でマネージメント事務所の中田(しげる・エヴァーグリーン・エンタテイメント代表取締役)さんといろいろ話をしていたんですよ。例えば、「Hava Rava」なら、一度フラれた男がやけになってハジけようとする詞だから、「それなら舞台は海の家でしょう」と。そこで危ない目にあったり、ナンパした相手を口説ききれずにふと考え直したりといったあたりが、女の子から見て一番ピンとくる男心だろうとか、そんなふうに漫画家の藤村真理さんや現場の担当者と一緒にストーリーを膨らませていきました。 そうやってストーリーがだんだん固まってくると、今度は、漫画だけじゃもったいないなと。そこで我々集英社を含め、各社がお金を出し合って映像化することになりました。集英社としても『別冊マーガレット』だけでなく、他の雑誌と協力して今回のプロジェクトを盛り上げていこうと、11月中に各地で上映会も行っています。『セブンティーン』、『マーガレット』、『別冊マーガレット』の3誌の読者を全国5都市の会場に集めて上映し、WaTの二人にも各会場に参加していただくプレミアム上映会で、大いに盛り上げたいと思っています。 手島:漫画や映像がまずあって音楽もヒットすることがあるのなら、その逆もまたありだろうというところですよね。結局、漫画を読む人は漫画を読むだけ、音楽を聴く人は音楽を聴くだけ、などということはあり得ない。漫画を読み、映画を観て、音楽も聴くということが、たいてい一人の中で共存しています。だから、一つの優れたソフトをどう展開するかが、ますます大事な時代なんだと思いますよ。もちろん、漫画だけで完結させた方がいいとか、音楽だけで充分という作品だってあるわけですが、今回の場合、作り手側である僕らは、きっとこの漫画の読者はWaTの音楽を聴きながら読むだろうとイメージしていました。 |
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| だから、さらに本人たちが出演する映像作品にして、音楽も画もそこにパッケージすれば、みんなにもっと喜んでもらえるだろうという発想です。『NANA』など、漫画がどれほど人気を得ていっても、それがアニメになって動き出すだけで、さらにまた新しいファンが生まれますからね。『別冊マーガレット』ファンではないWaTファンも、WaTファンではない『別冊マーガレット』ファンも当然いるわけで、その相互乗り入れだけを考えても、パイは相当膨らみます。 ―― 『別冊マーガレット』とWaTはファン層を軸に捉えると、もともと親和性は高いようですね。 手島:高いですね。実際の読者層は相当上の年齢まで実に広いんですが、ひとまず我々としてはターゲットを高校生において作っています。そして、『マーガレット』のターゲットは中学生。だからその両方で展開すると、WaTの主なファン層はだいたいカバーできることになります。とにかく、みんなWaTが好きですよ(笑)。特に小池君の場合は、『ラブ★コン』の件で『別冊マーガレット』に登場してもらっていたり、『マーガレット』の方でも、以前にグラビアページで「Daily Teppei」という写真エッセイを掲載していて、今回のDVDには、その写真エッセイもブックレットとしてパッケージしています。さらに『My Favorite Girl』の単行本も12月25日に発行する予定で、WaTファンにとっては両方を買えば、すべてが詰まっているということになると思いますよ。 ―― 小説や漫画が映画化される場合、思い描いていた主人公のイメージと違うという感想を持ちがちですが、実在のWaTと彼らの詞を漫画化した今回の企画では、読者の反応はどうでしたか。 手島:連載の第一回目は、WaTの楽曲を漫画化したことには敢えて触れずに掲載したんですよ。それでも「ひょっとしてWaT?」という反応はありました。それで第二回目に種明かしするというサプライズも盛り込んだ企画で、最初から「WaTの二人が漫画に」と大々的に予告してやってしまったなら、おっしゃるような「ちょっと違うぞ」といった批判や、あるいは「WaTで売るつもりか」といった反発が生まれていたと思いますよ。とりあえず一度読んでもらった上で、「実は」と種明かしたことで、「ああ、なるほど」と受け止めていただけたようです。 あとから、実は小池君もウェンツ君も参加しているプロジェクトだったんだよとした方が、ファン心理としてはすんなり受け入れられますよね。その後も映像化の話など、順にサプライズを提供していきました。雑誌作りも、大事なのはある程度のライヴ感ですから、毎月新しい何かが起きる必要がある。例えば、映像化の話も実はそれほど簡単に進んだわけではなかったので、こちらも「本当に実現できるのか」とけっこうドキドキ感をもって進めていました。ドキドキしながら本を作ると、それは読む方にも伝わりますからね(笑)。 ―― 「ひょっとして?」というのは、今だとインターネット上で自己増殖していきますよね。 手島:それが狙いの一つでした。種明かしする前には、登場人物がWaTに似てると怒っている人もいたりして、「よく読んでごらん、詞の世界そのままなんだよ」と思いながら見ていました(笑)。具体的に決まったものはまだないんですが、お話はいくつかいただいていて、こういったメディアミックスは今後も積極的に手掛けていきたいと思っています。昔は人気のあるタレントを主人公にする『○○物語』という漫画を掲載するパターンがよくあったんですよ。でも今の時代、それはさすがに受け入れられませんよね。 でも優れた楽曲の世界観を漫画化すればイメージがより具体化し、映像化すればさらにリアルになって、しかももともとの音楽と一緒に楽しめる。この手法は、今後もっと可能性を持ってくると思いますよ。 | ||||
2006/12/06