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『ゴジラ-0.0』典子のあざは“続編ありき”ではなかった 山崎貴監督が幸福な結末に残した「傷」

※本記事は映画『ゴジラ-1.0』『ゴジラ-0.0』の内容に触れています。

 ようやく再会できた敷島(神木隆之介)と典子(浜辺美波)と明子(永谷咲笑)。しかし、典子の首には、不穏なあざが浮かんでいた――映画『ゴジラ-1.0』(2023年)のラストに残されたこの描写は、『ゴジラ-0.0』(公開中)で物語を動かす重要な要素となった。だが、山崎貴監督は「続編への布石としてあのカットを撮ったわけではない」と語る。そこに込めたのは、典子が生き延びた理由と、再会の喜びだけでは終われない戦争の物語への思いだった。

映画『ゴジラ-0.0』(公開中)山崎貴監督(C)ORICON NewS inc.

映画『ゴジラ-0.0』(公開中)山崎貴監督(C)ORICON NewS inc.

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【画像】『ゴジラ-0.0』場面写真


■再会の喜びの中に、残しておきたかったもの

 あざのカットを思いついたのは、前作の撮影中だった。急きょ典子の首元にマーカーを付け、カメラを寄せてもらうと、スタッフからは「何ですか、これは?」と戸惑いの声が上がったという。

 使うかどうかは分からないものの、撮影しておいてほしいと依頼した。山崎監督の言う「一応撮っておこうシリーズ」の一つだった。

 ただ、こうした撮影はめったにしない。VFXを多用する作品では、絵コンテやプリビズ(撮影前に構図や動きなどを確認する映像)で計画を固め、必要な素材をそろえることが優先されるためだ。

 「思いつきでいろいろやれる余裕はないんですよ」

それでも撮ろうと考えた理由の一つは、典子の生存に説明を付けるためだった。ゴジラの熱線によって吹き飛ばされた後の光景を見れば、典子が生きているとは考えにくい。あざの存在によって、助かった可能性を示せるのではないかという発想だった。

 そして、幸福な結末に、そのまま幕を下ろすことへのためらいもあった。

 「戦争の物語は、そう簡単にハッピーエンドにはできない。『ゴジラ-1.0』はハッピーエンドすぎると思ったので、そこに何か少し傷を残しておきたいと思ったんですよね」

 典子が生きていたことに安堵する一方で、その首元に浮かび上がったあざは、戦争やゴジラが残した傷は消えていないことを感じさせる描写でもあった。

映画『ゴジラ-0.0』(公開中)山崎貴監督(C)ORICON NewS inc.

映画『ゴジラ-0.0』(公開中)山崎貴監督(C)ORICON NewS inc.

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■命を救ったあざが「福音」と「呪い」に

 『ゴジラ-1.0』の製作時には、続編を作ることを念頭に置いていなかったという。初号試写で「この続きを見たい」という声が多く上がったことから検討が始まり、約1ヶ月後に最初のプロットを提出。『ゴジラ-1.0』の公開初日に、続編の製作が正式に決まった。

 その新たな物語を考える上で、核となったのが典子のあざだった。

 「そのあざは、彼女の命を救ってくれた福音であると同時に、彼女の人生を変えてしまう呪いでもある」

 典子を生かしたものが、今度は彼女と家族の未来を脅かす。その状況に敷島がどう向き合うのか。キングギドラをどう絡めるのか。山崎監督は要素を書き出し、物語を構築していった。

 「今回の話では、結構重要なパーツの一つになったわけで、そこから話が展開してる部分もあるので、『危なかった』って感じですね。今思うと、あのシーンを撮ってなかったら、続編を作るのは大変だったかもしれない」

『ゴジラ-0.0』 (C)2026 TOHO

『ゴジラ-0.0』 (C)2026 TOHO

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 前作の結末に必要だと感じて残した描写が、敷島と典子のその後を描く出発点になった。

 「後から『実はあれがあったんです』みたいな話にしても、ちょっと取って付けた感じがあるじゃないですか。でも、前作にちゃんと入っているから、ということになるので。典子さんがどういう状態だったかも今回は描写できたので、もろもろよかったですね」

 再び敷島と典子を中心に据えた物語で、大切にしたのは「家族の話を真ん中に据えておきたかった」という思いだ。

 「敷島は、1作目で『戦争は終わった』と思っていたんだけど、そんなに簡単に戦争が手放してくれるわけではなくて。一旦は終わったと思ったものがまたやって来てしまう恐怖とか、全然違う脅威がやって来て、その中で自分が置かれていたのと同じような立ち位置、今度は愛する家族がされてしまうことへの葛藤とか。そういうものを描きたいと思っていました」

『ゴジラ-0.0』 (C)2026 TOHO

『ゴジラ-0.0』 (C)2026 TOHO

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 最新作『ゴジラ-0.0』を観る前に、前作『ゴジラ-1.0』を見返した人も多いだろう。そして最新作を観ると、もう一度、『ゴジラ-1.0』のあの場面を確かめたくなる。二つの作品を行き来することで、同じ場面にも新たな意味が見え、映画を味わう楽しみが増していきそうだ。

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  • 映画『ゴジラ-0.0』(公開中)山崎貴監督(C)ORICON NewS inc.
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  • 『ゴジラ-0.0』 (C)2026 TOHO
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