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第11代“歌のお兄さん”横山だいすけ、ニューアルバム『笑顔晴れ』 「僕と皆さんの記憶が掛け合わされてできた自信作です」

 2006年に劇団四季で舞台デビューし、2008年よりNHK『おかあさんといっしょ』で“歌のお兄さん”を9年間務めた横山だいすけ。その後もコンサートや、テレビ、ミュージカルなど幅広いフィールドで挑戦を続けている彼の芸能活動20周年を記念したアルバム『笑顔晴れ』が5月27日にリリースされた。「歌は、自分にとって“生きること”そのもの」と語る横山のこれまでの歩み、そしてこれからの道筋を示す自信作が完成した。

ニューアルバム『笑顔晴れ』をリリースした第11代“歌のお兄さん”横山だいすけ

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■“笑顔”がつなぐアルバムの核

 本作は、ファンからのリクエスト企画でセレクトされた楽曲で構成されている。

 「芸能生活は20周年と謳っていますが、小さい頃からずっと歌が好きで、これまでに歌ってきた曲は数百曲。その中から、この節目となるアルバムにどんな曲を入れるべきかを考えて、まず自分で40曲まで絞り込んで選びました。そこから皆さんにリクエストしていただいて、最終的な収録曲が決まったんです。選ばれた曲はどれも、リクエストしてくださった方の思い出そのものだと感じているんですよね。僕自身と、そして皆さんの記憶が掛け合わされてできたアルバムになったと実感しています。自分で言うのもなんですが、最高のアルバムに仕上がりました!」(横山だいすけ/以下同)

 タイトル曲の「笑顔晴れ」は、昨年12月から今年1月にかけてNHK『みんなのうた』で放送された楽曲で、作詞をもりちよこ、作曲をあいあいが手がけている。横山はこの曲と出会った瞬間、直感的に“自分の歌だ”と感じたという。

 「“笑顔が晴れる”という言葉が、すごく心に残ったんです。自分が大切にしてきた ことが、そのまま言葉になっているような気がして。この言葉をアルバムのタイトルにしたいな、と自然に思いました。歌うことを楽しんで、その楽しさが誰かの笑顔につながっていく。自分がずっと大切にしてきたそんな想いが、この1曲に凝縮されていると感じています」

 もうひとつの核となるのが、20th Anniversaryスペシャルトラック「げんきのこうかんっこ」だ。この曲には約120人の一般参加者がコーラスとして加わっている。

 「一人ひとりの声の色が全然違うんです。同じフレーズでも、重なった瞬間にまったく別の響きになる。それがとても面白くて、『人の声には無限大の力がある!』と改めて感じました」

■歌が導いた人生の道

ニューアルバム『笑顔晴れ』をリリースした第11代“歌のお兄さん”横山だいすけ

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 アルバムには、横山が“歌のお兄さん”を卒業後に『おかあさんといっしょ』の今月の歌となった楽曲も収録されている。そのひとつ、「あさペラ!」では、横山自身がハモリやコーラスを幾重にも重ねることで、立体的なサウンドを作り上げた。

 「『あさペラ!』は、本来ならばお姉さんも一緒に歌う曲なんです。ただ、一度だけNHK Eテレで僕がこの曲を歌ったことがあって、『だいすけお兄さんの歌でまた聴きたいです!』という声をたくさんいただきました。そこで、お姉さんが担当するハーモニーを僕の声で入れてみたんです。そうしたらスタッフから『いいね』と好評で。それならば、ほかのハーモニーも僕の声で重ねたほうが面白いかもしれないとレコーディングチームで話し合って、もうひとつ、もうひとつ、と重ねていったら、全部自分の声になりました(笑)」

 さらに同作には、横山が人生の節々で出会ってきた“ターニングポイントとなる歌”が収められている。その1曲1曲をたどっていくと、やがて原点ともいえる幼い日の記憶へとつながっていく。少年時代は人前で歌うのは少し照れくさかったものの、歌うことそのものは何よりも好きだったという。

 「母がディズニー映画の『リトル・マーメイド』が好きで、その影響もあって劇中歌の『アンダー・ザ・シー』をよく歌っていたんです。お風呂で歌うと声が響いて、少し上手くなったような気がしていました(笑)」

 やがて合唱団に入り、仲間と声を合わせる楽しさに出合う。

 「最初は自分のパートを歌うだけで精一杯でしたが、周りの声と重なったときに、『こんな音になるんだ!』ととても感動して。みんなでひとつの音楽を作っている感覚が楽しかったんですよね。それまでは自分のために歌っていたけれど、合唱を始めて、“誰かに届ける”という意識が生まれました」

 その頃、心に深く残ったのが「翼をください」だ。

 「特に2番の歌詞が心に残っています。歌が大好きで毎日歌っていた自分がいて、それがだんだん夢に変わって、その夢をかなえて、いまもこうして歌っている自分がいる…。そんなふうに、自分の人生と重なって感じられる曲なんです。いま、この曲を歌うときには、子どもの頃の自分、そしていま目の前にいる子どもたちに、『夢を持つことは素晴らしいことなんだ』と語りかけるように気持ちを込めて歌っています」

 そして、“歌のお兄さん”になりたいと考えるようになり、国立音楽大学の門をたたいた。

 「それまで『歌うまいね』と褒めてくれたのは家族だけ。身近な人以外から評価される機会は多くなかったんです。それでも圧倒的に “音楽が好き”という気持ちがあって音大に進みました。音大では、歌唱法はもちろん、声の響き方も、楽しく、深く学びました。いろんな楽器の音もあふれていて、その中にいるだけで楽しかったですし、刺激にもなりましたね」

 しかし、横山が大学を卒業するまでに“歌のお兄さん”のオーディションは実施されなかった。劇団四季に入ったのは、“大いなる勘違い”がきっかけだったと苦笑いする。

 「僕の前任の“歌のお兄さん”だった今井ゆうぞうさんが劇団四季出身と知って、単純な僕は『劇団四季に行けば“歌のお兄さんになれるのか!』と思ってしまったんですよね。それで『ライオンキング』を観に行ったら、『これだ!』と夢中になりました」

 その後、劇団四季のオーディションに合格し、劇団員として走り出した横山が、ひとりで繰り返し練習していた歌がある。

 「『ライオンキング』の『終わりなき夜』です。初めて『ライオンキング』を観劇した際、この曲に強く惹かれて、“いつか歌いたい”と思うようになりました。実際に『ライオンキング』にはアンサンブルメンバーとして出演できましたが、この曲を歌うシンバ役を勉強しはじめた時に、“歌のお兄さん”のオーディションがあって、僕は“歌のお兄さん”の道を選んだので舞台で『終わりなき夜』を歌う機会はなかったんですよね。ずっと心に残り続けていた1曲でした」

 さらに「You Raise Me Up」では、学生時代の聖歌隊のアルバイト経験が重なる。

 「もちろん新郎新婦は見ず知らずの方たち。でも、当事者のお二方や、両家の両親、列席者の幸せそうな顔を見ながら歌っていると、僕も胸がいっぱいになっていたんですよね」

■震災が教えた“自分の歌”とこれから

ニューアルバム『笑顔晴れ』をリリースした第11代“歌のお兄さん”横山だいすけ

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 日々の積み重ねのなかで、歌は“誰かへ届いていくもの”だという感覚が、自然と育っていった。そんななかで、歌との向き合い方を大きく変えるきっかけとなった曲が、「ぼよよん行進曲」だった。

 「それまでは子どもたちの模範となるように、正しい音程と正しいリズムで歌わなくてはいけないと考えていて、少し窮屈な感覚がありました。『うまくいかないな、どうしたらいいのだろう』と悩んだこともありましたね」

 転機となったのは、2011年の東日本大震災後、宮城県で津波の被害を免れた保育園でこの曲を歌った時だった。“元気な歌を届けたい”という思いを胸に、子どもたちの前に立った。

 「正しく歌うことも大事だけれど、それよりも、1曲終わったら倒れるくらい全力で、楽しんで歌ってみようと思ったんです」

 その歌に応えるように子どもたちは満面の笑顔を見せ、後ろで見守っていた保護者たちは涙を流していた。

 「その姿を見たときに、“自分はこうやって歌っていけばいいんだ”と思えたんです。そこから、『だいすけお兄さんの歌は、あったかいね』とか『優しいね』とか、皆さんの反応が変わってきて、“横山だいすけの歌”というものができた気がしています」

 今回のアルバムでは、この曲に体操のお兄さんとして親しまれてきた佐藤弘道が参加している。佐藤は、2024年6月に脊髄梗塞を発症し、下半身麻痺により一時は活動を休止。リハビリを経て、復帰を果たしたものの、現在も後遺症と向き合いながら歩みを続けている。

 「弘道さんは以前と変わらず笑顔を見せていますが、その裏では葛藤や苦しみもあって、その姿を僕は間近で見てきました。だからこそ、 “あるけ、あるけ、あるけ”“すすめ、すすめ、すすめ”という曲中の弘道さんの言葉には力があるんです。ご自身がいろんなことを乗り越えてきたからこそ、その言葉がまっすぐ届くのだと思います。“自分だけではなく、みんなで頑張ろう”というその声が、僕が歌ってきた『ぼよよん行進曲』の思いと重なって、今回あらためて深く響いた気がしています」

 そして、アルバムの終盤に収録された「マイ・ウェイ」は、横山自身の現在地を象徴する1曲だ。

 「“歌のお兄さん”として過ごした9年間は、楽しいことばかりではなく、うまく歌えなかったこともありましたし、大変だと感じることもありました。でも、そうした時間もすべて含めて、子どもたちと歌い続けてこられたことが、自分にとってかけがえのないものになっているんです。歌があるからこそ、そうした気持ちをまっすぐ届けられる。そんな気持ちがそのまま歌になっている曲だと思っています」

 そんな自信作を引っ提げて、現在は『20th Anniversary「My Songs Concert」』ツアーの真っただ中だ。

 「コンサートは、アルバム『笑顔晴れ』の収録曲も歌いますが、収録されていない曲も歌います。たとえば音大生時代に習った『オー・ソレ・ミオ』などクラシックの曲も披露していて、これがなかなか好評なんです! アルバムを聴いていただいて、さらにコンサートにも足を運んでいただければ、僕の人生も、僕の歌も深く知ってもらえると思います」

 芸能活動20周年を迎え、ここから先へと続く、新たな出発点に立った横山だいすけ。「声が出なくなって“歌のおじいちゃん”になっても歌い続けたい。それが自分の人生だから」という彼の歌声は、これからも心にかかる曇りをやさしくほどきながら、誰かの1日を“笑顔晴れ”に導いていくに違いない。

取材・文:森中要子

<作品情報>
■横山だいすけ 『笑顔晴れ -20th Anniversary-』
発売日:2026年5月27日
品番:KICG-8928/価格:3300円(税込)

横山だいすけ ニューアルバム『笑顔晴れ』ジャケット

横山だいすけ ニューアルバム『笑顔晴れ』ジャケット

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【収録内容】
01. 笑顔晴れ(フルver.)
02. あさペラ!
03. だいすきがいっぱい
04. バスにのって
05. ぼよよん行進曲
06. 勇気100%
07. ごめんください、めんください。
08. 北風小僧の寒太郎
09. ぼくらのうた
10. ありがとうの花
11. アンダー・ザ・シー 〜「リトル・マーメイド」より
12. 終わりなき夜 〜「ライオンキング」より
13. 翼をください
14. 上を向いて歩こう
15. 正解
16. 3月9日
17. いのちの歌
18. You Raise Me Up
19. マイ・ウェイ
(20th Anniversaryスペシャルトラック)
20. げんきのこうかんっこ(20周年ありがとうver.)
21. 笑顔晴れ(みんなのうたver.)
全21曲 収録

※M01、21参加:すがも児童合唱団
※M05参加:佐藤弘道
※M20参加:だいすけ応援隊

■横山だいすけ 『笑顔晴れ −20th Anniversary−』発売記念イベント情報
5月27日(水) リミスタインターネットサイン会
5月30日(土) 埼玉・イオンモール浦和美園うららか広場 ミニライブ&CD購入者対象特典会
5月31日(日) 東京・カメイドクロック 屋外 カメクロステージ ミニライブ&CD購入者対象特典会
詳細はこちら:https://www.kingrecords.co.jp/cs/t/t20020/

<公演情報>
■『20th Anniversary「横山だいすけ My Songs Concert」』
7月18日(土) 栃木・宇都宮市文化会館 大ホール
9月3日(木) 愛知・日本特殊陶業市民会館フォレストホール
11月6日(金) 山梨・YCC県民文化ホール 大ホール
11月22日(日) 北海道・江別市民会館
11月23日(月/祝) 北海道・カナモトホール(札幌市民ホール)
11月25日(水) 北海道・函館市民会館 大ホール
11月26日(木) 北海道・苫小牧市民文化ホール グランドホール
12月6日(日) 宮城・東京エレクトロンホール宮城
12月11日(金) 鳥取・とりぎん文化会館 梨花ホール
12月12日(土) 岡山・岡山芸術創造劇場ハレノワ
12月13日(日) 香川・ハイスタッフホール(観音寺市民会館)
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