映画『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』(公開中)のラクス・クライン生誕記念舞台あいさつが4日、都内で行われ、ラクス・クライン役の田中理恵、キラ・ヤマト役の保志総一朗、オルフェ・ラム・タオ役の下野紘が参加した。
イベントでは、福田己津央監督からの手紙が。そこには「田中理恵様へ。ラクス・クライン、誕生日おめでとう。そして、理恵ちゃん、『ガンダムSEED』放映から20年以上、ラクス・クラインを演じてくれてありがとう。理恵ちゃんの声と芝居が、キャラクターに深みと感情の豊かさを与えてくれて、ラクスがファンの人たちにとっても特別なキャラクターになったと思います。特に今回の『FREEDOM』は良かった。 そして、透き通るような歌声は、今回は披露することはできなかったですが、ラクスというキャラクターの思いを伝えてくれる素晴らしいものでした。理恵ちゃんの熱意と才能によって、ラクスが生き生きと画面の中で動き、ファンの共感を呼び起こしてくれました」と感謝の言葉がつづられた。
そして20年前の思い出話も。「ラクスとしての初めてのアフレコ。どちらかといえばメインキャストの中では後発で参加する形でしたが、それでも現場に早く溶け込もうと必死に頑張っている理恵ちゃんの姿が今も思い出されます。あの当時はキャストのほとんどが声優事務所所属で、理恵ちゃんは普通の芸能事務所でしたっけ。少しアフレコの所作とか、みんなとの関わりが若干微妙だったことは覚えています。そのことは特に両澤(『ガンダムSEED』シリーズ脚本の両澤千晶氏、2016年に死去)が気にしていました。やはり『SEED』のメインキャストの1人ですから。そして、これから物語の上で大きな役割を果たさなければいけない人で、両澤はあなたにとても期待をかけていました。だからあれこれと世話を焼いて、結構うるさい姑になっていたと思います」と回顧した。
田中は当時、フレイ・アルスター役でオーディションを受けたそう。「1番最初のオーディションに、実はラクスはいないんです。理恵ちゃんはフレイでオーディションを受けていました。結果は桑島さんになりましたが、理恵ちゃんも候補として残っていたんです。そこで両澤が ラクスに理恵ちゃんを推してきました。両澤は『ラクスを演じられる人はフレイができる人だけ』って恐ろしいことを言っていました。ラクスもフレイも表裏両極端な芝居を要求されることが多かったということですね。歌も聴いて、レコード会社からもすごくうまい方だと太鼓判をいただきましたので、ラクスとしてのオーディションはしなかったんです。覚えていますかね。両澤は本当に目をかけていたと思います。ガンダムという注目されるタイトルで、そしてまだ20代だったリエちゃんのプレッシャーは相当だと言っていました。ましてヒロインとして他にカガリとフレイがいる。その中で存在感を出していかなくてはならないのですから。よく1年やりきって成長してくれたと思います。『SEED』が終わった後、また『DESTINY』でラクスをやるという段階で、両澤はミーアというキャラを作りました。理恵ちゃんに合わせた役を作りたかったようです。まぁ、理恵ちゃんは2役ということで大変だったと思いますけど、結果は良かった。特にミーアの最後のミーアの日記のモノローグは今も記憶に残っています」と懐かしんでいた。
制作陣の悩みも明かす。「あの時は両澤も大変なスランプでした。実は狙った形で物語が進んでいなかった。デュランダルと対峙できるほどにカガリが仕上がってなかった。そしてラクスにはデュランダルを打つべき明確な理由がない。困り果てた時、ミーアを起爆剤にできると両澤は思ったようです。ミーアの死がラクスの怒りと使命感を呼び起こすという最終局面につながったわけですから、ミーアが『DESTINY』のラストを作り、この映画の発端とラクスの成長の物語を作ったと言えるわけです」と伝えた。
「本当にこの20年は出会いと別れの連続でした。私たちは数々の人と出会い、共に笑顔を分かち合いました。友人、仲間、恋人、夫婦、家族。私たちの人生に彩りを添え、意味を与えてくれる存在。しかし、出会いは別れとも結びついています。私たちは愛しい人を失い、涙しました。その痛みは心に深く刻まれ、喪失感を与え、大切なもの、尊さを思い出させてくれました。出会いと別れは私たちの人生の旅路の一部であり、その重みが私たちを成長させてくれました。これからも新しい出会いと別れは訪れるでしょうが、それは私たちの命の豊かな一部であり、その中で新たな感動と成長を見つけていくでしょう。泣き、笑い、出会いと別れ。たとえ『ガンダムSEED』が終わったとしても、私たちの物語はこれからも進んでいきます。『ガンダムSEED』の中で、ラクスはあなたのおかげで魅力的で記憶に残る存在になりました。その貢献に心から感謝します。今後の活躍も楽しみにしております。ありがとうございました」と温かいメッセージが贈られ、田中は冒頭から涙が止まらず号泣だった。
そんな手紙の最後は、こう締めくくられた。「追伸。そういえば下野くん、オルフェも誕生日おめでとう。一応ね」。まさかの締め方に下野は「この追伸はいらなかったのでは?会った時に言ってくれれば…」と困惑すると、本当に福田監督が登場するサプライズが。福田監督は田中と下野に花束を手渡すと「書いているうちに自分でも盛り上がっちゃって。泣いちゃうんじゃないかなと思った」と正直に明かすと、田中は「もうボロボロ…」と照れ笑いを浮かべていた。田中は「こみ上げるものがたくさんあって。やっぱり長くやってきたので。やっぱり両澤さんのこともすごくアフレコの時に思いましたし、だから本当にしっかりやろうって思いました。もう悔いの残らないように。本当にありがとうございます」と改めて感謝を伝えていた。
『機動戦士ガンダムSEED』シリーズは、2002年10月より全50話で放送された、21世紀に入って初めて制作されたテレビシリーズのガンダム作品。物語は遺伝子調整がおこなわれた人類(コーディネイター)とこれまでの人類(ナチュラル)が、軍事組織ザフトと地球連合軍にわかれ戦いを繰り広げる。この戦争を通じ、コーディネイターである主人公のキラ・ヤマトの苦悩と成長が描かれている。
シリーズの完全新作となる劇場版『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』のストーリーは『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』の続編となり、戦いが続く世界でキラやアスラン、シンたちの新たなストーリーが展開される。
イベントでは、福田己津央監督からの手紙が。そこには「田中理恵様へ。ラクス・クライン、誕生日おめでとう。そして、理恵ちゃん、『ガンダムSEED』放映から20年以上、ラクス・クラインを演じてくれてありがとう。理恵ちゃんの声と芝居が、キャラクターに深みと感情の豊かさを与えてくれて、ラクスがファンの人たちにとっても特別なキャラクターになったと思います。特に今回の『FREEDOM』は良かった。 そして、透き通るような歌声は、今回は披露することはできなかったですが、ラクスというキャラクターの思いを伝えてくれる素晴らしいものでした。理恵ちゃんの熱意と才能によって、ラクスが生き生きと画面の中で動き、ファンの共感を呼び起こしてくれました」と感謝の言葉がつづられた。
そして20年前の思い出話も。「ラクスとしての初めてのアフレコ。どちらかといえばメインキャストの中では後発で参加する形でしたが、それでも現場に早く溶け込もうと必死に頑張っている理恵ちゃんの姿が今も思い出されます。あの当時はキャストのほとんどが声優事務所所属で、理恵ちゃんは普通の芸能事務所でしたっけ。少しアフレコの所作とか、みんなとの関わりが若干微妙だったことは覚えています。そのことは特に両澤(『ガンダムSEED』シリーズ脚本の両澤千晶氏、2016年に死去)が気にしていました。やはり『SEED』のメインキャストの1人ですから。そして、これから物語の上で大きな役割を果たさなければいけない人で、両澤はあなたにとても期待をかけていました。だからあれこれと世話を焼いて、結構うるさい姑になっていたと思います」と回顧した。
田中は当時、フレイ・アルスター役でオーディションを受けたそう。「1番最初のオーディションに、実はラクスはいないんです。理恵ちゃんはフレイでオーディションを受けていました。結果は桑島さんになりましたが、理恵ちゃんも候補として残っていたんです。そこで両澤が ラクスに理恵ちゃんを推してきました。両澤は『ラクスを演じられる人はフレイができる人だけ』って恐ろしいことを言っていました。ラクスもフレイも表裏両極端な芝居を要求されることが多かったということですね。歌も聴いて、レコード会社からもすごくうまい方だと太鼓判をいただきましたので、ラクスとしてのオーディションはしなかったんです。覚えていますかね。両澤は本当に目をかけていたと思います。ガンダムという注目されるタイトルで、そしてまだ20代だったリエちゃんのプレッシャーは相当だと言っていました。ましてヒロインとして他にカガリとフレイがいる。その中で存在感を出していかなくてはならないのですから。よく1年やりきって成長してくれたと思います。『SEED』が終わった後、また『DESTINY』でラクスをやるという段階で、両澤はミーアというキャラを作りました。理恵ちゃんに合わせた役を作りたかったようです。まぁ、理恵ちゃんは2役ということで大変だったと思いますけど、結果は良かった。特にミーアの最後のミーアの日記のモノローグは今も記憶に残っています」と懐かしんでいた。
制作陣の悩みも明かす。「あの時は両澤も大変なスランプでした。実は狙った形で物語が進んでいなかった。デュランダルと対峙できるほどにカガリが仕上がってなかった。そしてラクスにはデュランダルを打つべき明確な理由がない。困り果てた時、ミーアを起爆剤にできると両澤は思ったようです。ミーアの死がラクスの怒りと使命感を呼び起こすという最終局面につながったわけですから、ミーアが『DESTINY』のラストを作り、この映画の発端とラクスの成長の物語を作ったと言えるわけです」と伝えた。
「本当にこの20年は出会いと別れの連続でした。私たちは数々の人と出会い、共に笑顔を分かち合いました。友人、仲間、恋人、夫婦、家族。私たちの人生に彩りを添え、意味を与えてくれる存在。しかし、出会いは別れとも結びついています。私たちは愛しい人を失い、涙しました。その痛みは心に深く刻まれ、喪失感を与え、大切なもの、尊さを思い出させてくれました。出会いと別れは私たちの人生の旅路の一部であり、その重みが私たちを成長させてくれました。これからも新しい出会いと別れは訪れるでしょうが、それは私たちの命の豊かな一部であり、その中で新たな感動と成長を見つけていくでしょう。泣き、笑い、出会いと別れ。たとえ『ガンダムSEED』が終わったとしても、私たちの物語はこれからも進んでいきます。『ガンダムSEED』の中で、ラクスはあなたのおかげで魅力的で記憶に残る存在になりました。その貢献に心から感謝します。今後の活躍も楽しみにしております。ありがとうございました」と温かいメッセージが贈られ、田中は冒頭から涙が止まらず号泣だった。
そんな手紙の最後は、こう締めくくられた。「追伸。そういえば下野くん、オルフェも誕生日おめでとう。一応ね」。まさかの締め方に下野は「この追伸はいらなかったのでは?会った時に言ってくれれば…」と困惑すると、本当に福田監督が登場するサプライズが。福田監督は田中と下野に花束を手渡すと「書いているうちに自分でも盛り上がっちゃって。泣いちゃうんじゃないかなと思った」と正直に明かすと、田中は「もうボロボロ…」と照れ笑いを浮かべていた。田中は「こみ上げるものがたくさんあって。やっぱり長くやってきたので。やっぱり両澤さんのこともすごくアフレコの時に思いましたし、だから本当にしっかりやろうって思いました。もう悔いの残らないように。本当にありがとうございます」と改めて感謝を伝えていた。
『機動戦士ガンダムSEED』シリーズは、2002年10月より全50話で放送された、21世紀に入って初めて制作されたテレビシリーズのガンダム作品。物語は遺伝子調整がおこなわれた人類(コーディネイター)とこれまでの人類(ナチュラル)が、軍事組織ザフトと地球連合軍にわかれ戦いを繰り広げる。この戦争を通じ、コーディネイターである主人公のキラ・ヤマトの苦悩と成長が描かれている。
シリーズの完全新作となる劇場版『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』のストーリーは『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』の続編となり、戦いが続く世界でキラやアスラン、シンたちの新たなストーリーが展開される。
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- 1. “ラクス”田中理恵、『SEED』福田己津央監督の手紙で号泣「ボロボロです」 両澤千晶氏への思いも【手紙全文】
- 2. 『SEED』“キラ”保志総一朗、ラクスの誕生日を田中理恵と祝う “オルフェ”下野紘ボヤく「僕、帰っていいですか?」
- 3. “オルフェ”下野紘、ラクスを触ってない説を押し通す 『SEED』時代の蒸し返された“キラ”保志総一朗「『SEED FREEDOM』の話をしてください!」
- 4. 『SEED FREEDOM』福田己津央監督、ズゴック登場シーンで大笑い「ちょっと悪ふざけ」
- 5. “オルフェ”下野紘、“ラクス”田中理恵&“キラ”保志総一朗から息ぴったりにおだてられご満悦「悪い気はしない」
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2024/02/04