世界最大のスポーツ・エンターテインメントを標榜する、アメリカのプロレス団体「WWE」で活躍する“スーパースター=WWEのトップ選手”の中邑真輔が、26日にABEMAで放送されるプレミアム・ライブ・イベント(PLE)『サバイバーシリーズ』のプロモーションのため、弾丸日程で来日した。
15日の夜に来日した中邑は、そのままABEMAのニュース番組に生出演すると、翌16日は朝から夜まで会見への出演や申請が殺到したメディアの取材に対応、そして17日の午後には次の戦いに向けて日本を旅立った。文字通り、まさに世界を舞台に活躍するスーパースターのスケジュールである。
ORICON NEWSでは、今や日本でその声を聞くことが難しい中邑に単独インタビューを実施。スーパースターとしての生活ぶりや、表現社=アーティストとしての思い、さらに日本の格闘技界への意外な“貢献”まで、さまざまな話題を語ってもらった。
■世界中を飛び回る“スーパースター・中邑真輔”1週間の衝撃の移動距離は?
世界約165ヶ国で放映され、公式SNSの総フォロワー数は10億を超えるWWEでは、所属選手を「レスラー」ではなく「スーパースター」と呼び名を統一している。6年以上もWWEのトップ戦線で活躍してきた中邑だが、この呼び名については「やっと最近になって慣れてきたなと思います」と明かし、「スーパースターって言われているからこそ、その逆を行って『スーパースターなのにこんなことやってるよ』って自虐ネタもできますから」とニヤリとした。どんな呼び名であっても、リング上で表現するのは「中邑真輔のやりたいこと」であり、それを貫くからこそ世界中にファンを獲得し続けている。
そんなスーパースターの動きぶりについて知りたく、直近のスケジュールを尋ねると、スマホを取り出しカレンダーを見ながら詳細に教えてくれたが、まさに“スーパースター”としか例えようのない多忙ぶりだった。
「今回の来日のためにフロリダの自宅を出たのがアメリカ東時間の12日で、まず午後4時25分に飛行機に乗るため空港に行き、ワシントンDCに到着してからレンタカーで移動して、翌13日の『RAW』に出演しました。終わってから空港に戻ってレンタカーを返して、自分で予約したホテルに泊まって、14日に東京へ14時間半のフライト。15日から日本でプロモーションや取材をやって、17日の便でシカゴ経由でデトロイトの近くのミシガン州カントンという街に飛びます。そこで18日の土曜にハウスショー(テレビ収録のない大会)で試合があって、翌日も車で2時間くらいのミシガンの街で試合、そして月曜はまた2時間前くらいに運転してグランドラピッズという街で『RAW』の放送がある。それが終わったらホテルに戻って、翌朝の最初の便で経由ですけどフロリダの自宅に戻ります」
毎週金曜に移動して土曜〜翌週月曜に試合というレギュラースケジュールだが、火曜から木曜にかけて今回の来日やヨーロッパツアーが組み込まれることも多い。話を聞くだけで疲れてくるような日常だが、中邑は「ちょっと休んでブランクができるとペースが崩れるし、この中でどうにかコンディションを作るしかないですよね。フロリダの自宅に戻ってから休むこともあるし、コンディションによってはフィジカルや格闘技のトレーニングを入れるので、家族からは『大丈夫?ボロボロなのに、また練習に行くの?』って心配されます」と苦笑しながらも、充実感が伝わってきた。
■表現力を磨く秘訣は「人生そのもの。アンテナを立てて日常生活から気づきを得る」
ワールドワイドに飛び回り、初めて訪れる地でも大観衆が自分のプラカードを持って応援してくれている。スーパースターにとっては当たり前の日常でも、中邑は応援してくれるファンに触れるたびに「普通にうれしいし、ちゃんと伝わっているんだっていう感情になります」と目を細める。世界的な知名度を得ることで「近所に買い物に行ったら自分のことを知ってる人もいる」が、「野球しか見ない人とかアメフトしか見ない人、スポーツを全く見ない人もたくさんいるから、あんまり気にしないですね」。日本にいた頃から地元のお祭りを楽しむなど常に自然体だった中邑自身は変わらないが、ファンの温度感は違うようだ。
「めっちゃカジュアルに話しかけてくるから、『この人は友だちだったかな』って思って話してたら、単なるファンの人だったり(笑)。日本だとすごく構えて『あの、サインをください…』って感じだけど、普通にハナクソほじりながら『おー、シンスケ』って言ってくるファンもいて、ファーストネーム呼びだから『俺が覚えてない人かな』って思ったりすることはいまだにありますね」
リングで相手と対戦するという“プロレスの根本”は日本もアメリカも変わらないが、アメリカでは試合内容だけではなく「ストーリーテリング」も重要視されるため、日本以上に表現力が求められる。これを磨くための取り組みを聞くと、中邑はしばし考えてから「全部が全部、人生そのものがそうじゃないですかね。日々の生活のすべてが自分というものを通して、プロレスの表現方法につながっていくと思います」と自分に確認するように語った。
芸術鑑賞といったわかりやすいことだけではなく、格闘技のトレーニングで得た知識や技術、さらに家族との食事中の会話や子供の発表会まで、あらゆる瞬間が中邑にインスピレーションを与えている。「アンテナを立てていると、いろんなことに気づきやすくなるじゃないですか。例えば、ちょっと気になる車があったらいつもよりその車を見る気がするとか。吸収しようとするのではなく、本当に日常の全てから気づくことができるかどうかですよね」。このアンテナが鈍ってしまうと、生存競争の厳しいWWEではあっという間に振り落とされるのだ。
ちなみに、好きな映画は「ちょっと古いですけどリドリー・スコット監督の『ブラック・レイン』。若干勘違いした日本を映しているアメリカの映画がかなり好きで、『ベスト・キッド』(原題は『カラテ・キッド』)の1と2も大好物です」と紹介。そして「アメリカを目指す全プロレスラーに言いたいのは、『ロッキー』を見なさい。アメリカのマイノリティが成功してアメリカンドリームをつかむ教科書的な構成になっているので、戦いで見せる、戦いをビジネスにする人にとっては違う視点でも見られます」と意外な角度からアドバイスも飛び出した。
■WWE中継は「“ながら見”でも十分楽しめる」日本格闘技界との密かな関わりも明かす
中邑が活躍するWWEは、この秋からABEMAでの無料中継がスタートした。毎週開催の2つのメイン大会『RAW』と『SMACKDOWN』をはじめ、さらに「レッスルマニア」をはじめ「サマースラム」「ロイヤルランブル」「サバイバーシリーズ」といったPLEの中でも歴史のある大会も国内独占生中継する。国内ではここ数年はYouTubeでのダイジェスト版でしか楽しめなかったため、中邑も「数あるプロレス団体のなかで、WWEが一番視聴しやすい環境になった。『RAW』と『SMACKDOWN』で週に2回も見られるなんて、日曜だけじゃなく火曜にも『よりぬき』があった昔の『サザエさん』かよ(笑)」と歓迎する。
一方で、スマホやPCで見られることによりYouTubeやTikTokなどテレビ視聴とは異なるライバルと画面を争うことになる。しかも、若者の傾向として短い動画や倍速が好まれるようになり、2時間以上の『RAW』の視聴にはそれだけでハードルが高いと見られる。
中邑も「WWEはCMに入る前にどれだけ印象づけるかってことを意識していますけど、全部見るのはなかなかしんどい。だから、アメリカの人って辛抱強いですよね」と認めながらも、「番組全部をがっちり見なくても、ご飯を食べながらとかの“ながら見”で気になるところだけをチェックするのでもいいし、それでも十分楽しめますから」と気軽な視聴を呼びかけた。それだけWWEというブランドと、自分の表現力に自信を持っているからこその発言だろう。
また、同じABEMAで多数放送され、盛り上がっている現在の日本格闘技界への興味について質問すると、「耳にも目にも入りますし、堀口恭司選手はSNSをフォローしていますよ」と明かし、さらに「格闘家の知り合いも多いので『誰々が海外で練習したいんだけど、どういうところがあるかな?』とか『ビザが取れるかな?』って相談されることもあります。自分が助けてあげられるところは助けてあげたいですね」と、日本格闘技界を陰ながらサポートしていた。
短い時間ながらもさまざまなことを語ってくれた中邑に、最後に「現在のキャリアに一区切りをつけた後にどんなビジョンを描いているか」を聞いてみた。
「コロナ禍のときに家でラーメンを作ってみて、豚骨を砕いたりして10時間以上もかけて作ったけど、食べるのはたったの5分でした(笑)。じゃあ、うどん屋がいいかなとか考えたけど、まったく違うビジネスを始めるのは簡単じゃない。やっぱり自分はプロレスに携わっていきたいし、自分の知識や経験が役立つことがあれば何かやりたいと思っていますけど、現役でいる限りはプロレスをやっていきたい。ただ、具体的なセカンドキャリアはプロレスを始めた22歳くらいからずっと考えてるんですけど、答えが出ないです。せっかくアメリカにいるので、その特色を生かしたことができればとは思っていますけど、それがなんなのか、見つけていきたいですね」
■中邑真輔も出場!WWE/PLEサバイバーシリーズ
開催日時:日本時間2023年11月26日(日) 午前10:00開始
配信情報:ABEMA PPVで全試合生中継(チケット発売中)
15日の夜に来日した中邑は、そのままABEMAのニュース番組に生出演すると、翌16日は朝から夜まで会見への出演や申請が殺到したメディアの取材に対応、そして17日の午後には次の戦いに向けて日本を旅立った。文字通り、まさに世界を舞台に活躍するスーパースターのスケジュールである。
ORICON NEWSでは、今や日本でその声を聞くことが難しい中邑に単独インタビューを実施。スーパースターとしての生活ぶりや、表現社=アーティストとしての思い、さらに日本の格闘技界への意外な“貢献”まで、さまざまな話題を語ってもらった。
■世界中を飛び回る“スーパースター・中邑真輔”1週間の衝撃の移動距離は?
世界約165ヶ国で放映され、公式SNSの総フォロワー数は10億を超えるWWEでは、所属選手を「レスラー」ではなく「スーパースター」と呼び名を統一している。6年以上もWWEのトップ戦線で活躍してきた中邑だが、この呼び名については「やっと最近になって慣れてきたなと思います」と明かし、「スーパースターって言われているからこそ、その逆を行って『スーパースターなのにこんなことやってるよ』って自虐ネタもできますから」とニヤリとした。どんな呼び名であっても、リング上で表現するのは「中邑真輔のやりたいこと」であり、それを貫くからこそ世界中にファンを獲得し続けている。
そんなスーパースターの動きぶりについて知りたく、直近のスケジュールを尋ねると、スマホを取り出しカレンダーを見ながら詳細に教えてくれたが、まさに“スーパースター”としか例えようのない多忙ぶりだった。
「今回の来日のためにフロリダの自宅を出たのがアメリカ東時間の12日で、まず午後4時25分に飛行機に乗るため空港に行き、ワシントンDCに到着してからレンタカーで移動して、翌13日の『RAW』に出演しました。終わってから空港に戻ってレンタカーを返して、自分で予約したホテルに泊まって、14日に東京へ14時間半のフライト。15日から日本でプロモーションや取材をやって、17日の便でシカゴ経由でデトロイトの近くのミシガン州カントンという街に飛びます。そこで18日の土曜にハウスショー(テレビ収録のない大会)で試合があって、翌日も車で2時間くらいのミシガンの街で試合、そして月曜はまた2時間前くらいに運転してグランドラピッズという街で『RAW』の放送がある。それが終わったらホテルに戻って、翌朝の最初の便で経由ですけどフロリダの自宅に戻ります」
毎週金曜に移動して土曜〜翌週月曜に試合というレギュラースケジュールだが、火曜から木曜にかけて今回の来日やヨーロッパツアーが組み込まれることも多い。話を聞くだけで疲れてくるような日常だが、中邑は「ちょっと休んでブランクができるとペースが崩れるし、この中でどうにかコンディションを作るしかないですよね。フロリダの自宅に戻ってから休むこともあるし、コンディションによってはフィジカルや格闘技のトレーニングを入れるので、家族からは『大丈夫?ボロボロなのに、また練習に行くの?』って心配されます」と苦笑しながらも、充実感が伝わってきた。
■表現力を磨く秘訣は「人生そのもの。アンテナを立てて日常生活から気づきを得る」
ワールドワイドに飛び回り、初めて訪れる地でも大観衆が自分のプラカードを持って応援してくれている。スーパースターにとっては当たり前の日常でも、中邑は応援してくれるファンに触れるたびに「普通にうれしいし、ちゃんと伝わっているんだっていう感情になります」と目を細める。世界的な知名度を得ることで「近所に買い物に行ったら自分のことを知ってる人もいる」が、「野球しか見ない人とかアメフトしか見ない人、スポーツを全く見ない人もたくさんいるから、あんまり気にしないですね」。日本にいた頃から地元のお祭りを楽しむなど常に自然体だった中邑自身は変わらないが、ファンの温度感は違うようだ。
「めっちゃカジュアルに話しかけてくるから、『この人は友だちだったかな』って思って話してたら、単なるファンの人だったり(笑)。日本だとすごく構えて『あの、サインをください…』って感じだけど、普通にハナクソほじりながら『おー、シンスケ』って言ってくるファンもいて、ファーストネーム呼びだから『俺が覚えてない人かな』って思ったりすることはいまだにありますね」
リングで相手と対戦するという“プロレスの根本”は日本もアメリカも変わらないが、アメリカでは試合内容だけではなく「ストーリーテリング」も重要視されるため、日本以上に表現力が求められる。これを磨くための取り組みを聞くと、中邑はしばし考えてから「全部が全部、人生そのものがそうじゃないですかね。日々の生活のすべてが自分というものを通して、プロレスの表現方法につながっていくと思います」と自分に確認するように語った。
芸術鑑賞といったわかりやすいことだけではなく、格闘技のトレーニングで得た知識や技術、さらに家族との食事中の会話や子供の発表会まで、あらゆる瞬間が中邑にインスピレーションを与えている。「アンテナを立てていると、いろんなことに気づきやすくなるじゃないですか。例えば、ちょっと気になる車があったらいつもよりその車を見る気がするとか。吸収しようとするのではなく、本当に日常の全てから気づくことができるかどうかですよね」。このアンテナが鈍ってしまうと、生存競争の厳しいWWEではあっという間に振り落とされるのだ。
ちなみに、好きな映画は「ちょっと古いですけどリドリー・スコット監督の『ブラック・レイン』。若干勘違いした日本を映しているアメリカの映画がかなり好きで、『ベスト・キッド』(原題は『カラテ・キッド』)の1と2も大好物です」と紹介。そして「アメリカを目指す全プロレスラーに言いたいのは、『ロッキー』を見なさい。アメリカのマイノリティが成功してアメリカンドリームをつかむ教科書的な構成になっているので、戦いで見せる、戦いをビジネスにする人にとっては違う視点でも見られます」と意外な角度からアドバイスも飛び出した。
■WWE中継は「“ながら見”でも十分楽しめる」日本格闘技界との密かな関わりも明かす
中邑が活躍するWWEは、この秋からABEMAでの無料中継がスタートした。毎週開催の2つのメイン大会『RAW』と『SMACKDOWN』をはじめ、さらに「レッスルマニア」をはじめ「サマースラム」「ロイヤルランブル」「サバイバーシリーズ」といったPLEの中でも歴史のある大会も国内独占生中継する。国内ではここ数年はYouTubeでのダイジェスト版でしか楽しめなかったため、中邑も「数あるプロレス団体のなかで、WWEが一番視聴しやすい環境になった。『RAW』と『SMACKDOWN』で週に2回も見られるなんて、日曜だけじゃなく火曜にも『よりぬき』があった昔の『サザエさん』かよ(笑)」と歓迎する。
一方で、スマホやPCで見られることによりYouTubeやTikTokなどテレビ視聴とは異なるライバルと画面を争うことになる。しかも、若者の傾向として短い動画や倍速が好まれるようになり、2時間以上の『RAW』の視聴にはそれだけでハードルが高いと見られる。
中邑も「WWEはCMに入る前にどれだけ印象づけるかってことを意識していますけど、全部見るのはなかなかしんどい。だから、アメリカの人って辛抱強いですよね」と認めながらも、「番組全部をがっちり見なくても、ご飯を食べながらとかの“ながら見”で気になるところだけをチェックするのでもいいし、それでも十分楽しめますから」と気軽な視聴を呼びかけた。それだけWWEというブランドと、自分の表現力に自信を持っているからこその発言だろう。
また、同じABEMAで多数放送され、盛り上がっている現在の日本格闘技界への興味について質問すると、「耳にも目にも入りますし、堀口恭司選手はSNSをフォローしていますよ」と明かし、さらに「格闘家の知り合いも多いので『誰々が海外で練習したいんだけど、どういうところがあるかな?』とか『ビザが取れるかな?』って相談されることもあります。自分が助けてあげられるところは助けてあげたいですね」と、日本格闘技界を陰ながらサポートしていた。
短い時間ながらもさまざまなことを語ってくれた中邑に、最後に「現在のキャリアに一区切りをつけた後にどんなビジョンを描いているか」を聞いてみた。
「コロナ禍のときに家でラーメンを作ってみて、豚骨を砕いたりして10時間以上もかけて作ったけど、食べるのはたったの5分でした(笑)。じゃあ、うどん屋がいいかなとか考えたけど、まったく違うビジネスを始めるのは簡単じゃない。やっぱり自分はプロレスに携わっていきたいし、自分の知識や経験が役立つことがあれば何かやりたいと思っていますけど、現役でいる限りはプロレスをやっていきたい。ただ、具体的なセカンドキャリアはプロレスを始めた22歳くらいからずっと考えてるんですけど、答えが出ないです。せっかくアメリカにいるので、その特色を生かしたことができればとは思っていますけど、それがなんなのか、見つけていきたいですね」
■中邑真輔も出場!WWE/PLEサバイバーシリーズ
開催日時:日本時間2023年11月26日(日) 午前10:00開始
配信情報:ABEMA PPVで全試合生中継(チケット発売中)
2023/11/23