19日に行われる新格闘技イベント『FIGHT CLUB』（ABEMA PPVで全試合生中継）で、プロデューサーを務めるYA-MAN対朝倉未来について、RIZINのCEOである榊原信行氏が徹底解剖を行った。

　これまでRIZINにてYA-MANや朝倉のマッチメイクおよび試合の行方を見てきた榊原氏だが、このたびの『FIGHT CLUB』にてメインイベントとなる対戦について「面白いんじゃないですか」と率直に感想を述べると、「彼（=朝倉未来）としては初のキックボクシングルール。俺からするとすごいリスクがあると思うんだけど」と続けた。

　現在の朝倉の心情について、今年7月に行われたウガール・ケラモフ選手との試合で敗北したことをあげつつ、「彼はケラモフとの一戦に、覚悟と決意と自身を持って臨んであの結果（=敗北）だから、放心状態にもなる。それでも格闘技として闘うことには意欲はあるものの、今のRIZINの舞台で次に誰とやるってところからは距離を置きたいという気持ちもわかる」と寄り添うと、「それにしては大胆な挑戦」と驚きつつ、「その中で新しいチャレンジをしてみる。それが未来にとっての新しい発見になったらいいなと思ってる」と期待を寄せた。

　『FIGHT CLUB』のプロデューサーでもあるYA-MANについては「YA-MANは本番に強い。当日の鬼気迫る闘いぶりというか、スイッチの入れ方がハンパないので」と評価し、「割と“未来圧勝”と世の中の人は思いたいのか、予想してるんだけど、何言ってんの？って。俺はYA-MANにKOされるんじゃないかって。（未来にとっては）大ピンチというか、なめてると酷い目に遭うと思うよ」と長年、格闘技を見続けてきた榊原氏だからこその鋭い見解を述べた。

　また、朝倉については「今までに出会ったことのない格闘家であることは間違いない」と評価し、「あらゆる自己プロデュースや、Breaking Downを発案する発想力など、才覚に富んだ人」と格闘家としてだけではない朝倉選手の才能を賞賛。ただ、「それが彼の弱点でもある」とコメントすると、「格闘技だけに舵を切って向き合うことができないくらい、いろんなことをやってしまっている。格闘技に100%のエネルギーを注げない、時間を投下できないということが、格闘家・朝倉未来を今の位置に留めてしまっている」と指摘した。

　最後に「朝倉未来が万が一負けるようなことがあったら？」という質問に対しては、「もう引退したと思っておけばいいんじゃない？」と冷静に答えると、「鈴木千裕がこうやって猛スピードで追い越して、世界ランク6位に駆け上がるわけじゃないですか。それは格闘家・朝倉未来としてはめちゃくちゃジェラシーだと思う。かといって格闘技だけに舵が切れるかというと、それができないだけのポジションと責任を手に入れてしまっている。もし圧倒的にYA-MANにボコボコにされるようなことがあれば・・・引退したと思ってあげたほうがいいんじゃないの？」と今のRIZINフェザー級戦線の状況と朝倉選手個人の立場を読み解き、“負ければ引退”を示唆し「試合はめちゃくちゃ跳ねる、面白い試合になるのは間違いない」と断言した。

　「ABEMA」格闘チャンネル公式YouTubeで、インタビュー動画が公開されている。