三越劇場初春新派公演『東京物語』集合写真撮影より(左から)喜多村一朗、田口守、瀬戸摩純、河合雪之丞、波乃久里子、山田洋次、水谷八重子、丹羽貞仁、石原舞子、児玉真二 (C)ORICON NewS inc.
本作は、映画監督・小津安二郎さんの『東京物語』を、映画監督・山田氏の脚本・演出によって劇団新派が舞台化した作品。同舞台は2012年1月に東京・三越劇場で初演、13年7月には京都・南座ほか全国で上演された。20年6月には三越劇場での再演が予定されていたが、新型コロナウイルス感染症の拡大によって中止。今回の再演は、初春新派公演として来年1月2日から26日にかけて、三越劇場で上演される。
2023年は小津さんの生誕120年、劇団新派の創立135年の節目となる。山田氏は「久しぶりに劇団新派のみなさんと一緒に仕事ができることを楽しみにしています」と笑顔を見せ、同作について「サラリーマンの世界の文化を丁寧に描いた作品」と紹介。「小津さんは息子世代の人と時の流れる早さが違うこと、孫たちとはもっと違うこと。そこを明らかに意識しているんじゃないかと思う」と分析した。
『東京物語』が描くのは1950年代後半の東京。山田氏は「下町は大空襲で焼けてしまったが、柴又から金町は免れた。その結果、金町は戦後にサラリーマンたちの住宅地となり、まだ常磐線が蒸気機関車だった時代ですから、一日中ピストンや汽笛が聞こえるような街だった。そういう意味で、『東京物語』の金町というのは本当に上手い設定になっている」としみじみ。
自身が手がけた人気シリーズ『男はつらいよ』が1960年代後半を描いた作品ということで、「もしかしたら『東京物語』に出てくる方々は、少年時代の寅さんに会っているのかもしれない。この金町という街には、そういう親しみも感じています」と伝えた。
三越劇場初春新派公演『東京物語』集合写真撮影より(左から)喜多村一朗、田口守、瀬戸摩純、河合雪之丞、波乃久里子、山田洋次、水谷八重子、丹羽貞仁、石原舞子、児玉真二 (C)ORICON NewS inc.
取材会には波乃、河合、丹羽、瀬戸、田口、石原、児玉真二、喜多村一朗も参加した。
