歌舞伎俳優・市川團十郎白猿の長女・堀越麗禾（市川ぼたん）が17日、都内で行われた映画『ザ・クリエイター／創造者』ジャパンプレミアに登壇。来日したギャレス・エドワーズ監督に贈り物の扇子を手渡す際に、舞を披露して場に華を添えた。

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　ハリウッド版『GODZILLA ゴジラ』（2014年）を監督し、日本通で知られるギャレス監督は、豪華な扇子をもらって大喜び。「素晴らしいファン（fan＝扇子）をありがとう。私は今、あなたのファン（fan）になりました」とダジャレを言ったが、会場のリアクションは薄く、“寒い”空気を感じたギャレス監督は、扇子をあおいで「涼しくなりました」と言いながら、「英語ではめちゃくちゃウケるジョークだったんですよ」と自分で自分をフォローしていた。

　ギャレス監督は冗談好きなようで、この日はジョークを連発。監督の印象を聞かれた堀越が「優しそうな方」と答えると、ギャレスは「さっき舞台裏で、才能があって、優しくてと言うように1万円渡したでしょ」とジョークを言い、堀越は「あれ？」ととぼけるように首をかしげた。

　全米俳優組合ストライキにより参加が叶わなかった出演者の一人、渡辺謙の代わりに、劇中で渡辺が演じるAIシミュラント（模造人間）のハルンにそっくりのスタチュー、通称“謙ドロイド”が登場すると、「ここで秘密を暴露します。なぜ渡辺さんは20年前と変わらず今もイケメンなのか。それは彼がロボットだったからです。胴体の部分は移送中に壊れてしまったのですが、修理が済んだらまた素晴らしい映画に出演してもらいたいと思います」とコメント。“謙ドロイド”の顔をまじまじと見つめ、「ちょっと怖い気もしますね。私が冴えない演出をした時に『何、言っているんだ？』と思っている時の顔みたいです」と言って笑いを誘っていた。

　同映画で、物語の重要なカギを握る超進化型AIの少女・アルフィー役の吹替を担当した堀越は、「初めて実写版に声を入れたんですが、人が演じていた上に自分の声が入るのが不思議で、大丈夫かなという心配もあったんですけど、周りの方たちにやさしくしていただいて、楽しいアフレコになりました。アルフィーは難しい役で、この子は何を考えてせりふを言っているのか、たくさんたくさん想像しながら、頑張って声を入れさせていただきました」と収録を振り返り、ギャレス監督の「素晴らしかった」という言葉には安堵した表情を見せていた。

　ギャレス監督は「この映画は日本語で聴いている方がしっくりくるような気がします。堀越さんの声は日本のアニメ作品を彷彿とさせて、ぴったりでした。この映画に多大なインスピレーションを与えてくれると思う」と、大絶賛。そもそも本作は、ギャレス監督が23年前に見た日本の時代劇ドラマ『子連れ狼』に感化され、「主人公と子どもの関係性がとても魅力的でいつかSFを舞台にやってみたいと思っていた」と明かしていた。

　そして、堀越から、いったいどこから発想が湧いてくるのか、と質問されると、ギャレス監督は「日本から全部盗んでいるだけです」と回答。この言葉を真に受けて堀越は絶句したが、ギャレス監督は「これはジョークではありません」と日本のエンタメ・カルチャーへの深いリスペクトを示していた。

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