お笑いコンビ・オードリーがパーソナリティーを務める、ニッポン放送『オードリーのオールナイトニッポン(ANN)』(毎週土曜 深1:00)が、来年2月18日に東京ドームでイベント『オードリーのオールナイトニッポンin東京ドーム』を開催する。360度が観客席となった会場に1万2000人、全国41の映画館で行われた生中継「ライブビューイング」に1万人のファンが駆けつけた2019年の武道館公演から5年の時を経て、国内最大規模の会場でリスナーとともに“最高にトゥース”な空間を作るため、現在の若林正恭は何を考えているのだろうか。ORICON NEWSではチケット発売直前のタイミングで単独インタビューを敢行し、胸の内に迫った。【全2回の1回目】
■縁を感じて思い出す星野源のまっすぐな目 楽曲に感じる“共感以上”のもの
――改めてとなりますが、まずは『オードリーANN』で東京ドーム公演をやることについて、オファーを受けた時の心境から聞かせてください。
最初は、5年前に武道館でやって、そこよりも大きい会場はこういうところがありますという話をしていて、別の場所を想定していました。それから、去年の年末くらいだったかな。東京ドームさん側にラジオを聞いてくれている人がいて、その人がプレゼンをしてくれるという話が、降って湧いたんですよ。東京ドームでやることは想定してなかったんですけど、その話がどうやら通りそうだという段階の時に、この年齢になると、経験上、自分の意思よりも流れに身を任せた方がいいという直感があって。これは「東京ドームでやりなさい」ということなんだろうなと。東京ドームのスタッフの方に、ラジオを聞いてくれている方がいるということも、縁の流れを感じました。
――そこで気持ちが固まった?
固まったっていうより、流れだよなという気持ちでした。それで思い出したのが、まっすぐに「東京ドームでライブやってください!」と最初に言ってくれたのは、星野源さんだったんですよ。星野さんの『YELLOW MAGAZINE 2020-2021』に出させてもらった時に、そう言ってくださって。だから、かなり早い段階ですよね。その時は、半ば冗談だと思っていたんですけど、今思い返すと、あの時の星野さんの目はまっすぐだったんです。そんな流れがあって、『LIGHTHOUSE』(※)を撮影していて、気持ちが固まったのかな? あまりにも広大な空間なので、自分はまだ迷っていたけれど、その時に星野さんと改めて話をして、やってみたいなと思いました。
(※)星野と若林が“悩み”について語り合うトークバラエティー(Netflixで世界独占配信中)。2022年10月から23年5月まで、およそ1ヶ月に1度のペースで顔を合わせた“軌跡”が全6回にわたって紡がれている。
――そんな星野さんが、今回の東京ドーム公演のテーマソングを担当されることになりました。
改めて考えると、自分たちのラジオに来ていただいたり、『オードリーのオールナイトニッポン』もすごいことになったなと。曲を作ってくれるなんて考えてもいないことだったので、本当ご縁に感謝です。ラジオで楽しく話をさせていただいたりできることも、シンプルにうれしいです。オレが作っているんじゃないかっていうくらい、星野さんの楽曲の歌詞の一つひとつに、共感以上の…番組ではアメーバという言葉を使わせていただきましたが、自分と溶け合うような感覚があって。『ボクらの時代』で、設楽さんとご一緒して、星野さんに初めてお会いした時(2012年6月)くらいから、星野さんの音楽を聞いているんですけど、たまにそういうことがあって(笑)。星野さんもラジオをやられていますし、我々のラジオもありがたいことに聞いてくださっているので、テーマソングを担当してくれることは本当にうれしいですし、いちファンとして楽しみです。星野さんのファンの方で、今回を機に聞いてくれている方にとっても、恥ずかしくないライブにしていきたいです。
■『明日のたりないふたり』で感じた、山里亮太に対する“オスの本能としてのくやしさ”
――5年前の武道館公演と比べて、チケット発売目前の心境に違いはありますか?
単純に責任の規模が違うという部分があります。一番考え込んじゃった時は「なんでやることにしちゃったのかな」って思ったりもして(笑)。自分だけじゃなくて、責任を背負っている人はもっといて、それこそドームの話をつなげてくれた人もそうだし…っていうのはありますが、チケットが売れる・売れないっていう予想は根拠がないじゃないですか? だから、人生で何度かある“祈るしかない”っていう状況だなと。2008年のM-1の3回戦から準決勝とかもそうでした。でも、もう信じるしかないですね。
――『LIGHTHOUSE』では、2021年5月の『明日のたりないふたり』が、若林さんにとって“大きな節目”と話されていました。間が開きながらも、山里さんと真正面から向き合ってきた12年間は、オードリー若林、そして芸人・若林正恭にとって、どのような時間になりましたか?
必要に迫られて、『たりないふたり』ってああなっていった部分があって。最初はいわゆる「あるある」みたいなところから始まって、自分たちでいろんなところに足跡をつけていくと、最終的に『明日のたりないふたり』みたいになっちゃったっていう(笑)。必要に迫られて、そこを踏むしかなかったというのもあるので、人間に向き合うっていう意識じゃなくて、ああなるしかなったということでしょうか。でも、あれをやったことでオードリーというか、春日とやる時の良さも再確認できました。
――『明日のたりないふたり』では、漫才後に若林さんが倒れてしまうということもありました。
あれは単純に体力不足でした。ただ、この間、ふと思ったことは、これまでいろいろスベったりしてダメージを負ってきたはずなのですが、あの時舞台で倒れていて、上から山里亮太に見下されているときほど、くやしいことはなかったなと(笑)。オスの本能としてのくやしさ。それで今、なんでこんなに必死に自転車こぐんだろうって思った時に、「あんなくやしいことねーな」というのが力になっているのかもしれないです。その流れで、今回の東京ドーム公演が終わったら、僕が燃え尽きちゃうんじゃないかっていうリスナーもいるんですけど、マジで余計なお世話で(笑)。5年前に武道館もやったし、『明日のたりないふたり』もやって、大きなイベントが終わった後のポッカリ胸に穴が空く感じをそれぞれ味わってきて、その対処法もわかっているので、燃え尽きてしまうということはないかなと。だから、ここで集大成という意識はなくて、特に相手が春日だとそういう気持ちにならないです(笑)。
■音響の壁にぶつかり…「ちょっと逃げたくなって、沖縄でずっと海を見ていた時間がありました(笑)」
――東京ドームの準備を進めるなかで、若林さん自身に変化はありましたか。
考えすぎて、夏頃に1回軽くクラッシュしました(笑)。やはり、ドームという空間のだだっ広さとの勝負がすごくあって。あのフィールドというところに、どういうセットを組めばいいのか。音のスピードってあるじゃないですか? そういうのをいろいろと考えると、アーティストの方みたいにイヤモニで両耳ふさいだ状態で声を出すと、音のディレイが自分に聞こえないから、お客さんには遅れていないように聞こえる…という演出上の提案を受けまして。でも、芸人として生の笑い声が聞こえないと(状況が)わからなくなって、すごく難しくなってしまうんです。今回、いろんなタフなドームライブを乗り越えたすごい音響のプロの方たちに入っていただいたのですが、そんなプロの方に、ズブの素人である自分が「両耳ふさぐのは、ちょっとありえないです」って言い返して(笑)。そこでラジオのスタッフから援護射撃などがくるかと思ったら、誰も乗っかってこなくて、無茶を言ってるのがオレひとりなんですよ(笑)。
「せめて、片耳くらいは空けておかないと、お客さんの空気がわからないです」って言うんですけど、それも偉そうな話じゃないですか(笑)。そこで援護射撃がくるかなと思ったら、誰もしてくれない。今までにないことをやってもらいたいと、ひとりで伝えた時の孤立感ったらなかった(笑)。その会議が終わって、次の会議の時には、あれだけ伝えたのに、また元のプランに戻っていて…。それでまた「前回と同じように…」って話した時に、オレはさみしかったです(笑)。たしかに、音響的にはそれはありえないっていうのは理解できたんですけど、オレと春日としては両耳ふさいで(観客の声が聞こえない状態で)やるのは難しいなと。そうしたら、音の伝わり方の数学的な資料を出されて「やったことないけど、これならいけるかも…」という話になりまして。そういうことが無数にあって、夏にちょっと逃げたくなって、沖縄でずっと海を見ていた時間がありました(笑)。
後編では、リスナーとの向き合い方、リトルトゥースという呼称、東京ドーム公演までの心持ちなどを紹介していく。
■『オードリーのオールナイトニッポンin東京ドーム』
日時:2024年2月18日 午後5時30分開演
全席指定 アリーナ席:1万2000円、スタンド席:1万円
最速先行受付 9月23日午前11時〜10月1日午後11時59分
■縁を感じて思い出す星野源のまっすぐな目 楽曲に感じる“共感以上”のもの
――改めてとなりますが、まずは『オードリーANN』で東京ドーム公演をやることについて、オファーを受けた時の心境から聞かせてください。
最初は、5年前に武道館でやって、そこよりも大きい会場はこういうところがありますという話をしていて、別の場所を想定していました。それから、去年の年末くらいだったかな。東京ドームさん側にラジオを聞いてくれている人がいて、その人がプレゼンをしてくれるという話が、降って湧いたんですよ。東京ドームでやることは想定してなかったんですけど、その話がどうやら通りそうだという段階の時に、この年齢になると、経験上、自分の意思よりも流れに身を任せた方がいいという直感があって。これは「東京ドームでやりなさい」ということなんだろうなと。東京ドームのスタッフの方に、ラジオを聞いてくれている方がいるということも、縁の流れを感じました。
――そこで気持ちが固まった?
固まったっていうより、流れだよなという気持ちでした。それで思い出したのが、まっすぐに「東京ドームでライブやってください!」と最初に言ってくれたのは、星野源さんだったんですよ。星野さんの『YELLOW MAGAZINE 2020-2021』に出させてもらった時に、そう言ってくださって。だから、かなり早い段階ですよね。その時は、半ば冗談だと思っていたんですけど、今思い返すと、あの時の星野さんの目はまっすぐだったんです。そんな流れがあって、『LIGHTHOUSE』(※)を撮影していて、気持ちが固まったのかな? あまりにも広大な空間なので、自分はまだ迷っていたけれど、その時に星野さんと改めて話をして、やってみたいなと思いました。
(※)星野と若林が“悩み”について語り合うトークバラエティー(Netflixで世界独占配信中)。2022年10月から23年5月まで、およそ1ヶ月に1度のペースで顔を合わせた“軌跡”が全6回にわたって紡がれている。
改めて考えると、自分たちのラジオに来ていただいたり、『オードリーのオールナイトニッポン』もすごいことになったなと。曲を作ってくれるなんて考えてもいないことだったので、本当ご縁に感謝です。ラジオで楽しく話をさせていただいたりできることも、シンプルにうれしいです。オレが作っているんじゃないかっていうくらい、星野さんの楽曲の歌詞の一つひとつに、共感以上の…番組ではアメーバという言葉を使わせていただきましたが、自分と溶け合うような感覚があって。『ボクらの時代』で、設楽さんとご一緒して、星野さんに初めてお会いした時(2012年6月)くらいから、星野さんの音楽を聞いているんですけど、たまにそういうことがあって(笑)。星野さんもラジオをやられていますし、我々のラジオもありがたいことに聞いてくださっているので、テーマソングを担当してくれることは本当にうれしいですし、いちファンとして楽しみです。星野さんのファンの方で、今回を機に聞いてくれている方にとっても、恥ずかしくないライブにしていきたいです。
■『明日のたりないふたり』で感じた、山里亮太に対する“オスの本能としてのくやしさ”
――5年前の武道館公演と比べて、チケット発売目前の心境に違いはありますか?
単純に責任の規模が違うという部分があります。一番考え込んじゃった時は「なんでやることにしちゃったのかな」って思ったりもして(笑)。自分だけじゃなくて、責任を背負っている人はもっといて、それこそドームの話をつなげてくれた人もそうだし…っていうのはありますが、チケットが売れる・売れないっていう予想は根拠がないじゃないですか? だから、人生で何度かある“祈るしかない”っていう状況だなと。2008年のM-1の3回戦から準決勝とかもそうでした。でも、もう信じるしかないですね。
――『LIGHTHOUSE』では、2021年5月の『明日のたりないふたり』が、若林さんにとって“大きな節目”と話されていました。間が開きながらも、山里さんと真正面から向き合ってきた12年間は、オードリー若林、そして芸人・若林正恭にとって、どのような時間になりましたか?
必要に迫られて、『たりないふたり』ってああなっていった部分があって。最初はいわゆる「あるある」みたいなところから始まって、自分たちでいろんなところに足跡をつけていくと、最終的に『明日のたりないふたり』みたいになっちゃったっていう(笑)。必要に迫られて、そこを踏むしかなかったというのもあるので、人間に向き合うっていう意識じゃなくて、ああなるしかなったということでしょうか。でも、あれをやったことでオードリーというか、春日とやる時の良さも再確認できました。
――『明日のたりないふたり』では、漫才後に若林さんが倒れてしまうということもありました。
あれは単純に体力不足でした。ただ、この間、ふと思ったことは、これまでいろいろスベったりしてダメージを負ってきたはずなのですが、あの時舞台で倒れていて、上から山里亮太に見下されているときほど、くやしいことはなかったなと(笑)。オスの本能としてのくやしさ。それで今、なんでこんなに必死に自転車こぐんだろうって思った時に、「あんなくやしいことねーな」というのが力になっているのかもしれないです。その流れで、今回の東京ドーム公演が終わったら、僕が燃え尽きちゃうんじゃないかっていうリスナーもいるんですけど、マジで余計なお世話で(笑)。5年前に武道館もやったし、『明日のたりないふたり』もやって、大きなイベントが終わった後のポッカリ胸に穴が空く感じをそれぞれ味わってきて、その対処法もわかっているので、燃え尽きてしまうということはないかなと。だから、ここで集大成という意識はなくて、特に相手が春日だとそういう気持ちにならないです(笑)。
■音響の壁にぶつかり…「ちょっと逃げたくなって、沖縄でずっと海を見ていた時間がありました(笑)」
――東京ドームの準備を進めるなかで、若林さん自身に変化はありましたか。
考えすぎて、夏頃に1回軽くクラッシュしました(笑)。やはり、ドームという空間のだだっ広さとの勝負がすごくあって。あのフィールドというところに、どういうセットを組めばいいのか。音のスピードってあるじゃないですか? そういうのをいろいろと考えると、アーティストの方みたいにイヤモニで両耳ふさいだ状態で声を出すと、音のディレイが自分に聞こえないから、お客さんには遅れていないように聞こえる…という演出上の提案を受けまして。でも、芸人として生の笑い声が聞こえないと(状況が)わからなくなって、すごく難しくなってしまうんです。今回、いろんなタフなドームライブを乗り越えたすごい音響のプロの方たちに入っていただいたのですが、そんなプロの方に、ズブの素人である自分が「両耳ふさぐのは、ちょっとありえないです」って言い返して(笑)。そこでラジオのスタッフから援護射撃などがくるかと思ったら、誰も乗っかってこなくて、無茶を言ってるのがオレひとりなんですよ(笑)。
「せめて、片耳くらいは空けておかないと、お客さんの空気がわからないです」って言うんですけど、それも偉そうな話じゃないですか(笑)。そこで援護射撃がくるかなと思ったら、誰もしてくれない。今までにないことをやってもらいたいと、ひとりで伝えた時の孤立感ったらなかった(笑)。その会議が終わって、次の会議の時には、あれだけ伝えたのに、また元のプランに戻っていて…。それでまた「前回と同じように…」って話した時に、オレはさみしかったです(笑)。たしかに、音響的にはそれはありえないっていうのは理解できたんですけど、オレと春日としては両耳ふさいで(観客の声が聞こえない状態で)やるのは難しいなと。そうしたら、音の伝わり方の数学的な資料を出されて「やったことないけど、これならいけるかも…」という話になりまして。そういうことが無数にあって、夏にちょっと逃げたくなって、沖縄でずっと海を見ていた時間がありました(笑)。
後編では、リスナーとの向き合い方、リトルトゥースという呼称、東京ドーム公演までの心持ちなどを紹介していく。
■『オードリーのオールナイトニッポンin東京ドーム』
日時:2024年2月18日 午後5時30分開演
全席指定 アリーナ席:1万2000円、スタンド席:1万円
最速先行受付 9月23日午前11時〜10月1日午後11時59分
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2023/09/29