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【エンタメ言葉帳Vol.10】フワちゃん「共演NGじゃなかった」、伊集院光「反射的嫌悪感」 訪れた2年越しの“雪解け”

 世間にあふれる番組やコンテンツの数だけ、数多くの言葉が紡がれている。そんなあふれる言葉の波の中から、気になるものを紹介する連載【エンタメ言葉帳】。第10回は、7月24日放送のEテレ『100分de名著』での伊集院光の発言、7月31日深夜放送のニッポン放送『フワちゃんのオールナイトニッポン0』(深3:00)でのフワちゃんの言葉から、2人の“共演NG”と“雪解け”を追ってみたい。

(左から)伊集院光、フワちゃん (C)ORICON NewS inc.

(左から)伊集院光、フワちゃん (C)ORICON NewS inc.

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■発端は2年前の記者会見 伊集院の怒り「世の中がすっげー気持ち悪い」

 ことの発端は、2021年3月までさかのぼる。ニッポン放送『オールナイトニッポン(ANN)』の新ブランド『ANNX(クロス)』(月〜金 深0:00〜0:53)が立ち上がり、その1曜日をフワちゃんが担当することになり、同局内で行われた記者会見に出席した際のことだ。フワちゃんは「ラジオとか普段聞いたことないから。前も1回ラジオ(ANN0)やったの。でも、カッコつけて、リスナーに頼らないで、フリートークだけでいきたいわって尖ったら、話すこと何もなくなっちゃって、泣いちゃったのね(笑)」と自虐を交えながら「毎週ネットニュースがざわつくような、伊集院が歯を食いしばって、おもろすぎてくやしいって思いながら、見たくなるような、そんな伊集院光の姉妹番組として頑張っていきたいと思います」と呼びかけた。

 会見後にORICON NEWSのインタビューに応じたフワちゃんは、「今回のレギュラーの方向性は決まっていますか?」との質問に、自身のキャラクターも踏まえて次のように答えた。「正直全然決まってないけど、あたしってば信じられない数の引き出しがあるのね、しかも取っ手付きのかわいい引き出し。だからこないだのANN0みたいな爆発モード以外にも、ヒミツのカギ付きとっておき引き出しボックスも新調してくるから楽しみに待ってて。レギュラーラジオのフワちゃんってほんとどうなるんだろぉね! 案外伊集院光っぽくなったらごめんね。伊集院モード、大爆発モードとか、カードゲームみたいにいろんなフワちゃんコレクションをためていっちゃえば」。

 これを受けて、4月5日深夜放送のTBSラジオ『月曜JUNK 伊集院光 深夜の馬鹿力』(深1:00)では「やろうかどうか迷っていた話なんだけどさ」と前置きした上で「どうもこんばんは!ラジオの帝王でございます。帝王って言われて、得したことが何もない。オレ、帝王じゃなかったじゃん、昔(笑)」と自虐を交えてトークを始めた。長きにわたってラジオ界に関わり、2016年4月からは同局朝の帯番組を担当するなどといった功績からの呼称であったが、そういった見え方ゆえに「帝王だってイジってきたことに返すと、なんか出てきた若手を潰しにきたみたいなことを言うバカがいるんだよ」と、自身に悪影響を与えることもあると、笑いを交えながら話していった。

 その上で、件のフワちゃん発言に触れた伊集院は「(フワちゃんは)自分はラジオを聞かないで育ったから、伊集院怖くねーっていう話と、伊集院みたいになっちゃったらごめんねって言うんだけど、それって完全に(ラジオ界での文脈を)把握できてなかったら言わないことじゃんか」と指摘する。さらに社会を取り巻く状況も言及し「オレたち老害世代が(フワちゃんに)なにか言い返すことは、とてもカッコ悪いことっていう、外堀が埋まっているんですよ」「ずっと思っているんですよ、帝王扱いをされることで、全部縛られていくっていう。尊敬して聞いていたにもかかわらず、態度が冷たいとか、人間としての懐がせまいとか…もうそのとおりだよ(笑)。洒落が通じないひどい人みたいな…おかしくない?すっげー気持ち悪い。フワちゃんが…じゃない、世の中がすっげー気持ち悪い」とリスナーを信頼して、やや踏み込んだ表現をしながら思いの丈をぶつけた。その後に、自身の発言に反省する場面も見られた。

フワちゃん (C)ORICON NewS inc.

フワちゃん (C)ORICON NewS inc.

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■フワちゃんも冒頭からアンサー もつれた糸を解けかけた2年後の『馬鹿力』OP

 その直後に放送された『フワちゃんANNX』冒頭で、フワちゃんなりのアンサーが。「みんな聞いた?伊集院のラジオ。なんか怒られたんですけどー最悪!なんかフワちゃんが、伊集院ってイジりまくったのが嫌だったんだって。ごめんなさい!今まで加藤紗里にしか怒られたことなかったのに、嫌だー!」とキャラを貫きながら「伊集院さんの名誉のためにもちゃんと説明しておくと、フワちゃんが伊集院って言っていること自体が嫌だっていうよりも、大人だからちゃんとそれを受け入れないといけない、怒ること自体が大人げないんだっていう社会の風潮が嫌だって。言ったら、フワちゃんっていうフィルターを通して社会に怒っていたのね」と自身の受け止めを語っていった。

 さらに、フワちゃん自身が感じていることも素直に吐き出していった。「伊集院さん、夜のラジオでフワちゃんの話をして、言った後に、一晩考えて朝のラジオでも話していたの。朝のラジオでは、ちょっと言いすぎたかもしれないって。フワちゃんに怒ることによって、フワちゃんがこの話題を無視しても話題にしても、オレの負けだから、詰んでいるのよっていう風に話していたの。伊集院さんは賢い方だから、あたしが(キャラ全開で)『伊集院に怒られたー!』って言ったとて『コイツは自分を弱者に見立てて…』ってなるでしょう?だからといって、伊集院さんの言っていることは正論だから噛みつけないわけ。ってなると、伊集院と同じくらいフワちゃんも詰んでいるわけよ」。

 その上で「何が言いたいかっていうと、伊集院とフワちゃんが2人きりで会ったら、全然こんな言い合いとかしないし、この間TBSの玄関でたまたま会った時も2人とも帽子取ってあいさつしていたからね。2人とも、マジマナーいい子(笑)!外野がやいやい言ったり、『大人げない』と言ったり『伊集院がキレてたぞ』っていうことで、そういうのでこじれることがあると思うのね。それぞれ真意の部分で探れば、こじれることもないだろうし。フワちゃんが伊集院さんの気持ちも知らずに『帝王だから』って言ったのは、たしかに失礼なやつだから…かわいく謝ってあげる」と話し「こういうのもまた巧妙って言われるんだろうね(笑)。そういう風に言わないで!でも、本当にすごいいいオープニングから始まりました」と締めくくった。

 それから2年が経ち、今年5月末の『馬鹿力』では、伊集院がオープニングトークで「メインはiPhoneなんだけど、Google Pixel使っているから、フワちゃんファンとして」とコメント。フワちゃんのCMでのフレーズを引用する形で「自分以外のありとあらゆるものを、消しゴムマジックで消して、もう孤独に生きようっていう時に、Google Pixelを使うようにしているから(笑)」と話していた。

太田光 (C)ORICON NewS inc.

太田光 (C)ORICON NewS inc.

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■“男性社会”で芸を学んだ伊集院が今感じること 訪れた雪解けで思い出した太田光の名言

 こうした文脈を踏まえて迎えた『100分de名著』。林芙美子『放浪記』について、柚木麻子氏が「女流文学を解き放つ」というテーマで紹介していく中、伊集院が「僕は文壇のことはあんまりわからないんですけど、例えば芸人っていうのも男性社会なんですよ」と切り出した。

 「男性社会だし、自分なんかバリバリの修行をやって芸を学ぶっていうことをやってきちゃった分、感覚で出てくる若い人たちに対して、自分を守るための反射的嫌悪感が出たりすることがあって。ついこの間、フワちゃんと会ったんだけどさ。もうフワちゃん、最初嫌でさ、そういう代表っていうかさ。そういう意味ではわかりやすいんだよね。修行をしてきた男性社会のお笑いに対して、感覚的でポップな彼女がある意味軽口を叩くっていうことに対して恐怖感を感じる。自分がやってきたことがなにか否定されるような。林芙美子の『放浪記』を読み解いてもらっている時に、さて自分は…っていうことをすごく考えさせられました」

 自身の立場を客観的に顧みて、導き出された結論を「反射的嫌悪感」という印象的なフレーズとともに紹介していく伊集院のすごさと真摯さなどが詰まった言葉だった。放送から6日後の7月30日、フワちゃんは自身のX(旧ツイッター)を更新。伊集院との笑顔の2ショット写真とともに「共演NGじゃなかった」と伝えた。その翌日、フワちゃんが自身のラジオでこの話題に触れた。

 フワちゃんは「伊集院さんと雪解けしたからね(笑)。伊集院さんのほっぺたに指突っ込んだ写真撮ったから」と切り出すと「『ANNX』が始まった時にね、私が変な技術のないイジりをして以降、ピリついてましたが。あたし、本当に共演NGだと思っていたら、たまたま共演する機会があって。なんか伊集院さんも『オレも共演NGじゃないんだって思った』って言っていて、私も『いいんですね』みたいな感じで(笑)。ついに共演させてもらって。本当に2年越し。いろいろ話して、最後ごあいさつもさせてもらって」とその瞬間を振り返る。

 さらに「伊集院さんの楽屋に行って、こんなんですみません、一緒に写真撮ったりしましょうって言って、いろいろしゃべっていたら『DayDay.』の武田さん(武田真一)が、伊集院さんの楽屋にやってきてさ。その時、ちょうど(伊集院と)写真を撮って、マネージャーさんに送るねってやり取りをしているところに、武田さんが来たから、あたしなんかすごい伊集院さんの楽屋にいついている女みたいな感じになっちゃった」と早速反省の弁。「マネージャーさんとのやり取りを中途半端で終わらせるわけにはいかず『気にせずしゃべってください』って、今まで共演NGだったくせに急に妻みたいなポジションで(笑)。めっちゃ気持ち悪い感じの見え方しただろうな。嫌だなー」と思いをめぐらせていった。

 さらに「でも、伊集院さんとラジオとかでも出たいっていう話はした」としながらも「えっ、どっちなんだろう。確かに『あたしの方に』って確証を得ないまま言っちゃうとピリつくから。伊集院さんが呼びたいかどうかはわかりませんが。でも、私が『いつでも行きますんで』っていう話をしたから、お互いに気持ちはあるんじゃない?心意気はある!」と言葉を選びながら「脳みそ介さずしゃべるから、こんなことなるんだよ。でも、楽しそうだよね。いずれ、そういうことがあったら」と締めくくっていた。

 2年間という月日を経て、それぞれの立場から聞けた言葉には、その分の重みと、爆笑問題・太田光の名言「未来はいつも面白い」が詰まっていた。

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