作家・小田雅久仁の最新作『禍（わざわい）』が、7月12日に新潮社より刊行される。2021年、9年ぶりの単行本となる『残月記』で、2022年本屋大賞7位入賞を果たしたほか、第43回吉川英治文学新人賞と第43回日本SF大賞で、史上初の「W受賞」を達成。いま最も次回作を待望される作家の最新作が披露される。

　口、耳、目、肉、鼻、髪、肌……。今作はヒトの（からだ）をモチーフに、さまざまな技巧でありとあらゆる「恐怖」と「驚愕」を紡ぎ、豊穣（ほうじょう）な想像力と巧みな文章力で読み手を圧倒する短編集。待望の声が続々と寄せられる本書は世界からも注目を集めている。日本での発売前にもかかわらず、このたび韓国と台湾で翻訳版刊行が決定している。

　さらに本書のコミカライズが決定。書籍発売を先行し、27日より、第一弾「耳もぐり」の連載がWEBマンガサイト「くらげバンチ」にてスタートする。漫画家・伊藤潤二氏は「「禍」の悪夢の侵襲によって私は永遠の万華鏡の中に迷い込んだ」、ゲームクリエイター・小島秀夫氏は「文藝を侵食する異次元文学！読者の身体に澱（おり）のように溜まる、艶かしい肉体感覚！クローネンバーグ×伊藤潤二×安部公房？！この著者、まさしく文藝界の禍になる」作家・恩田陸氏は「この想像力、極限」とのコメントを寄せている。