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「キティ6位」に衝撃? “殿堂入り”も“引退”もしない、苛烈な投票イベントでも生涯現役貫くサンリオキャラクター

 毎年、大きな話題となる『サンリオキャラクター大賞』(投票期間〜5月26日)。初日速報では、上位陣だけでなく「ハローキティ6位」という順位も注目を集めていた。「サンリオを代表するキャラクターなのに…」という心配も寄せられるが、あくまで「殿堂入りはしない」と同社は明かす。かつては“総選挙ブーム”の一環と思われた同イベントは、なぜここまで注目を集めるようになったのか。同社の狙い、37年の長い歴史について聞いた。

今年も話題、2023年サンリオキャラクター大賞(C)2023 SANRIO CO.,LTD.  著作(株)サンリオ

今年も話題、2023年サンリオキャラクター大賞(C)2023 SANRIO CO.,LTD. 著作(株)サンリオ

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■ハローキティ6位に心配の声、それでも「殿堂入り」しないのはなぜ?

 『2023年サンリオキャラクター大賞』の初日速報順位が4月11日に発表され(Web投票のみ)、4連覇を狙うシナモロールが1位スタートを決めた。2位はポムポムプリン、3位はポチャッコとサンリオ“犬キャラクター”勢がTOP3を独占。昨年初のTOP3入りを果たしたクロミが着実に4位につけるなど、昨年の上位勢が順調な滑り出しを見せている。

 そんな中で健闘しているのが、ボーイズグループ・JO1とサンリオが共同開発したキャラクターのJOCHUM(ジェオチャム)で、今年初エントリーながら速報5位にランクイン。サンリオ広報によると、「サンリオキャラクターのファンとアイドルファンは親和性が高い」とのこと。近年、アイドル自身が推しキャラクターを発信したり、ファンがアイドルの担当カラーのキャラクターグッズを集めることも多いそうだ。これまでも、X JAPANYOSHIKIとハローキティがコラボしたyoshikittyなどが、大きな存在感を示してきた。

 ちなみに、サンリオを代表するキャラクターであるハローキティは速報6位。1998年〜2009年には前人未到の12年連続首位を決めてきただけに、ファンからは嘆きの声や「私たちがもっと頑張らねば!」と応援の思いを新たにする声が上がっている。一方、ファン以外からもこの順位は注目を集め、「サンリオといえばキティなのに、6位で大丈夫なのか?」「キティ先輩、6位だけどどうしたん?」といった心配も寄せられている。

 「たしかに『ハローキティは殿堂入りさせてもいいのでは?』という声もいただいていますが、みんな仲良く、ということをモットーとしています。もちろん、エントリーしたキャラクターはファンのみなさんに応援していただけることをうれしく感じていて、楽しく活動していますね。ちなみにハローキティ自身は常々、自分のYouTubeでも『サンリオ箱推し』と発信していて。今年もキャラクター大賞開始時の動画で、『推しは1人だけじゃなくてもいい、たくさん推してもいい!』と発言しています」(サンリオ広報、以下同)

 ハローキティといえば、同社を代表するキャラクターであり、長年サンリオの世界を支えてきた功労者でもある。とはいえ、スタンダードと言えるほど幅広い世代に認知され、長い年月にわたり活動してきたからこそ、鮮度の点では新しいキャラクターの後塵を拝すのは仕方ないことだ。それでも、「殿堂入り」のような特別扱いを受けることもなく、多くのキャラクターの中で平等に勝負する…。かわいらしいキャラクターたちのイベントではあるが、ある意味で熾烈な戦いでもある。その中で生涯現役を貫きつつ、同社の企業理念も体現するハローキティ。順位に関わらずその貫禄はやはり圧倒的だ。

2023年サンリオキャラクター大賞(C)2023 SANRIO CO.,LTD.  著作(株)サンリオ

2023年サンリオキャラクター大賞(C)2023 SANRIO CO.,LTD. 著作(株)サンリオ

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 450を超えるキャラクターから、今年は90キャラクターがエントリー。新たなキャラクターに加えて、タイニーポエム(1975年〜)、ボタンノーズ(1978年〜)、メローチューン(1981年〜)といった懐かしい顔ぶれも復活した。

 「年々、キャラクターが増えるので、すべての商品展開をするのは難しいのが事実です。ただ、サンリオのキャラクターに“引退”という概念はなく、ファンのみなさんの『あの子にまた会いたい』といった声を聞きながら、折を見て復活させることも。サンリオキャラクター大賞はそうした懐かしいキャラクターを、今の時代に改めてご紹介する役割もあります」

 実際、80〜90年代に活躍した男の子キャラクター(ポチャッコ、バッドばつ丸、ハンギョドン、あひるのペックル、タキシードサム、けろけろけろっぴ)で2020年に結成したユニット「はぴだんぶい」のメンバーも、大きく躍進。この活動が功を奏し、ハンギョドンは昨年のサンリオキャラクター大賞で8位と35年ぶりにTOP10入り。今年も初日速報7位とさらなる浮上が期待されている。タキシードサムも速報10位(昨年10位)と堅調な滑り出しだ。これらキャラクターたちの全盛期を知っているのは、おそらく40代以降。それでも今、若年層まで広く取り込み、見事な“復活劇”を見せている。

■注目のきっかけはAKB48総選挙、コロナ禍の危機はファンの結束で乗り越えた

 このように、新旧織り交ぜた多彩なキャラクターがエントリーした同イベントは、1986年にサンリオの月刊紙「いちご新聞」紙上で始まった。実に37年の歴史を誇るイベントだが、世界中から熱い投票が集まり、SNSのトレンド入りが恒例になるなど、その注目度は今やワールドクラスだ。

 「いちご新聞の1企画として始まり、2010年からはWEB投票も加わって投票数が一気に増えました。とはいえ当時も、あくまでサンリオキャラクターファン内部の“知る人ぞ知る”イベントで。テレビの地上波の情報番組の方からは『言っても、サンリオのキャラクターだけですよね』と、あまり大きく取り上げられることもなかったんです」

 それが、現在のようにメディアを賑わせる一大イベントになったきっかけのひとつは、あのAKB48総選挙だった。

 「たまたまAKB48総選挙とサンリオキャラクター大賞関連の発表日が重なった年があり、スポーツ新聞の記者さんがトピックにしてくださったんです。当時は総選挙ブームと言いますか、いろんな企業が類似のイベントを行っていて、『サンリオも?』と言われたりもしましたが、うちは実はかなり昔からやっていました!と説明して驚かれました(笑)。でも、その頃から世間的にも徐々に認知が広がっていき、ありがたかったですね」

 投票数は、毎年のように過去最多を更新。だが、存続の危機かと思われた年もあった。それが、2020年のコロナ禍だ。この年はサンリオショップでの店頭投票が行えずに開催が危ぶまれたが、蓋を開けてみれば前年超えの投票数だったという。

 「2020年は『ピンチのときこそ支え合おう』とファン同士が推しキャラクターの応援を呼びかけ合い、そのコメントが拡散されてさらに多くの方々に知っていただけました。私たちも不安の中での開催だったのですが、結果的にみなさんの思いを強く受け取ることができた年になりましたね」

 ファンにとっては、推しキャラクターに直接応援を届ける機会であり、その成果が順位となって表れる。まさに、熱狂の可視化ともいうべきイベントだ。キャラクターたちが長く深く愛されるためにも、大きな役割を果たしていると言えるだろう。

 「キャラクターをきっかけに世代を超えて会話が生まれる。そんな1年に一度のお祭りでありたいですね。順位を付けるものではあるけれど、それだけでなく、今年も多くのみなさんに笑顔になっていただけたらと思っていますWEBサイトでの投票のほか、全国のサンリオショップなどでも投票を実施しているので、今年のかわいい戦いに参加していただけるとうれしいです」

(文:児玉澄子)

(C)2023 SANRIO CO.,LTD. 著作(株)サンリオ

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