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「寄らば斬る!」“界王”の名を持つシャーシャー猫、引っかかれ咬まれ…人馴れ度ゼロの猫がついにフミフミ? 驚きの変化

 ペットショップなどではなく、保護猫を家族に迎える人も増えた昨今。とはいえ、もともと外で生きていたり、劣悪な環境にいた過去がある猫も多く、人に慣らすことに苦労した人も多いのでは? 保護団体は、そんな猫たちをどうやって慣らし、新たな家族との縁を繋いでいるのだろうか。NPO法人『ねこけん』での事例を紹介する。

まったく人馴れしないシャーシャー猫“界王”(写真:ねこけんブログより)

まったく人馴れしないシャーシャー猫“界王”(写真:ねこけんブログより)

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■人を寄せ付けないシャーシャーぶり、ママ猫がボランティアの手で仰天チェンジ

 「界王」というイカツイ名前の付いた猫は、実はれっきとした女の子。黒っぽいサビ柄で、推定3歳9ヵ月。界王が保護されたのは、とあるゴルフ場だったという。広い敷地内で猫が増えてしまったそうで、全頭を保護。子猫14頭、ママ猫5頭という猫だらけの環境の中で、分け隔てなく子猫の世話を焼いてきた若いママ猫が界王だった。

 そんな界王だが、ママ猫5匹の中でも一番の怖がり。人が近づけばシャーッと威嚇し、手が出ることもある。食いしん坊という可愛い一面もありながら、「寄らば斬る!」というような、人馴れしていないかなり手強い猫だった。

 だが、このように手強い界王の氷の心を溶かす猛者が表れた。それが、以前も保護猫を迎えてくれた家族で、ボランティアとして界王を預かってくれた人だ。『ねこけん』ブログには、「かたくなに閉ざされた猫さんの心『天の岩戸』の扉を開け続ける預かりさん! 名付けて! 天鈿女命(あめのうずめのみこと)預かりさん!」と、驚きと感謝が綴られている。

 「外で暮らしていた保護猫は、まずシェルターに収容され、そのあと預かりボランティアの元で飼い猫になるための修行をすることが多いです。やはり外猫の場合、家での生活音、とくにテレビの音などに馴染みがないので、まずはそれに慣れる必要がある。人と生活することに慣れてから譲渡するのが良いでしょうね」(代表理事・溝上奈緒子氏)

 界王はまさに、預かりボランティアの元で人と暮らすことを覚え、撫でられ、可愛がられることを覚えた。その顔つきすらも、穏やかに変化しているように見える。このあとは、新たな家族との出会いを待つばかりだ。

人を避けまくり変なポーズ…かわうそ似の猫タキシード氏(写真:ねこけんブログより)

人を避けまくり変なポーズ…かわうそ似の猫タキシード氏(写真:ねこけんブログより)

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 もう1例。まるでタキシードを着ているような模様と、ずんぐりした顔立ちの「タキシード氏」と名付けられた猫。『ねこけん』のシェルターにいるこの猫は、ケージの上で仲間たちと一緒に組体操のようなポーズをとっていた。これはなにも曲芸を楽しんでいるわけではなく、「人馴れしていないから」。保護された猫たちはいまだ人間に恐怖心を抱き、少しでも距離をとるために無理な体勢で固まって過ごしていたのだ。

 タキシード氏たちは、多頭飼育崩壊から救い出された猫たちだった。人間に飼われていたものの、ゴハンをもらうことはあっても、多くの猫がひしめく環境は劣悪。愛情は行き届かず、人を怖がるのも無理はない。『ねこけん』が保護に向かった際も、まったく人馴れしていないため捕獲に時間がかかったという。

 そんな猫たちだったが、ボランティアメンバーの根気強い人馴れ作戦により、少しずつではあるが、人間への恐怖心が落ち着いてきたようだ。ブログには、猫たちに徐々に近づく様子、鼻をちょこんと触る様子などが投稿されている。なかでもタキシード氏は、顔に似合わず猫一倍、人馴れスピードが速かった。

 「『人間は怖くない』と思わないと、猫は遊びにも反応してくれません。どうやって馴れさせていくかというと、おいしいゴハンを手から食べさせたり、ちょっとケージを開けて猫じゃらしで外に出してみたりしていきます。また慣れていない猫は、安易に触ろうとすると咬みつきます。なので、まずはハブラシで頭をなでなで、よしよしするんです。これは、猫の舌の感触に近いから。母猫の舌で舐められているようで、安心するのだと思います。これをクリアしたら、次は軍手を付けた棒で撫でる。人間の手の形に慣れさせ、もし咬んでも大丈夫なように。このように、人馴れさせるには段階が必要ですし、人間がケガしないような注意もいります」

 タキシード氏もまた、こうした段階を踏み、現在は人に撫でられながら脚をフミフミする様子まで見せるようになった。

 「これは、子猫が母猫のおっぱいを求めてお腹をフミフミしていた名残り。甘えたい表現なので、かなりリラックスしている状態だと見られます」

 今やっと、人間の愛情を素直に受け取れるようになったタキシード氏。いずれ他の猫も含め、譲渡会に出て新たな家族を見つけることもできるだろう。

 「人馴れするのに10年かかる子もいます。過酷な環境で生きてきたのなら、怖いのは当たり前ですから。ゆっくり、ゆっくりでいいんです。もし、みなさんが慣れていない猫を保護するようなことがあれば、焦らず接していただきたいですね」

関連写真

  • まったく人馴れしないシャーシャー猫“界王”(写真:ねこけんブログより)
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