• ORICON MUSIC(オリコンミュージック)
  • ドラマ&映画(by オリコンニュース)
  • アニメ&ゲーム(by オリコンニュース)
  • eltha(エルザ by オリコンニュース)
ORICON NEWS

奈緒、早くに父を亡くし実感した母の“無償の愛” 日本で暮らすウクライナの子どもたちに重ねる

 俳優の奈緒が、カンテレで17日放送のドキュメンタリー番組『ザ・ドキュメント ウクライナ、9×9の歌 明日をつくる子どもたちへ』(深1:25〜2:25 ※関西ローカル)で語りを担当する。ロシアによる侵攻から逃れ、日本で暮らすウクライナの子どもたちに自身を重ね、感想を語った。

『ザ・ドキュメント ウクライナ、9×9の歌 明日をつくる子どもたちへ』で語りを担当する奈緒

『ザ・ドキュメント ウクライナ、9×9の歌 明日をつくる子どもたちへ』で語りを担当する奈緒

写真ページを見る

【写真】その他の写真を見る


 国外に脱出して日本で暮らすウクライナ人は2000人超、そのうち約400人が18歳未満とされ、言語の壁が課題となっている。都心の小学校に通う6年生のオリビアさんと3年生のヤンくんの授業には、通訳こそあるが、全てカバーすることはできない。4人の子どもを育てるシングルマザーのエフゲニアさんは、算数の宿題を手伝おうとするも、翻訳アプリが適切に変換されない。

『ザ・ドキュメント ウクライナ、9×9の歌 明日をつくる子どもたちへ』より(C)カンテレ

『ザ・ドキュメント ウクライナ、9×9の歌 明日をつくる子どもたちへ』より(C)カンテレ

写真ページを見る

 こうしたなか、京都教育大学の黒田恭史教授は、小学校から高校まで対応するウクライナ語の数学の動画教材を約600本作成し、YouTubeにアップロードするプロジェクトを進めている。

 教材の翻訳を担当する留学生のカテリーナさんの母と弟はドイツに避難し、父親は国に残って軍で戦う。カテリーナさんは葛藤の中で「ウクライナの子どもたちが自信を持ち学習に前向きになれるきっかけをつくりたい」と、黒田教授が立ち上げた “ウクライナの九九の歌”を作るプロジェクトに参加する。

■奈緒 コメント全文
――語りの収録を終えて、率直な感想を教えてください。

私自身、ウクライナで起こっていることが、すごく遠い距離の話になってしまうところがあった中で、今回の映像を見て、自分のすぐ近くにいらっしゃることに気づかされましたし、自分でどう思うか、何を信じるか、自分に何ができるのかを考えて、向き合い続けることがとても大切なことだと感じました。

今の私にできることは、役者として表現して見てもらえることなのかもしれないですし、それが何だろうと考え続けています。きっとこの番組が、誰かにとって、「自分にできることは何だろう」って考えるきっかけになるんじゃないかっていう気がしていて、見てくださった皆さんのどこか記憶の中に残るものになるといいなと思っています。

『ザ・ドキュメント ウクライナ、9×9の歌 明日をつくる子どもたちへ』より(C)カンテレ

『ザ・ドキュメント ウクライナ、9×9の歌 明日をつくる子どもたちへ』より(C)カンテレ

写真ページを見る

――日本で暮らすウクライナの子どもたちからどんなことを感じましたか?

ヤン君が「ありがとう」の気持ちを返すだけじゃなくて、その先のアクションを起こす姿に、私自身すごく学ばせてもらいましたし、希望やパワーをたくさんもらいました。

大人になって振り返ってみると、学校で勉強したことよりも、逆上がりができたとか、友だちとけんかしたけど仲直りできたとか、何かを乗り越えた体験の方が、今の自分にとって大切なことになっているなと思います。子どもたちに私自身を重ね合わせて、自分の学生時代を思い出していました。

――今でも大切にしている学生時代の出来事、“何かを乗り越えた体験”はありますか?

小学校の時から絵を描くのが好きで、似顔絵を描いたり、いろんな絵を描いて、友だちに喜んでもらえたっていう経験が今振り返ると、すごく自信につながっていましたし、自分を肯定できることにつながっていたと思うんです。

でも、中学で美術部に入ると、どうしても「うまく描かなきゃ」「人に評価されなきゃ」っていう気持ちになって、純粋に絵を描くことを楽しむ気持ちがどんどん失われてしまって…。そんな時、私が絵を描いている途中に「あっ失敗した」ってひとりごとをつぶやいたら、美術の先生が「絵に失敗はないよ。失敗してないよ」って言ってくれたんです。

先生からその言葉をもらうまでの私は、誰かの基準で失敗したと思いこんでいたので、その言葉で失敗のない世界というか、そういうものに気づけたと思います。

その言葉に支えられて、今でも絵を描くことって楽しいなって思いますし、お仕事でも「きょう、うまくいかなかったなぁ」と落ち込むこともあるんですけど、それでも失敗ではないと思うようになりました。

私も子どもの頃出会ったすてきな大人たちのように、宝物みたいな子どもたちと向き合ったときに「あの人と出会えて良かった」って思ってもらえるような大人になりたいです。

『ザ・ドキュメント ウクライナ、9×9の歌 明日をつくる子どもたちへ』より(C)カンテレ

『ザ・ドキュメント ウクライナ、9×9の歌 明日をつくる子どもたちへ』より(C)カンテレ

写真ページを見る

――母1人で、4人の子どもを抱えて避難してこられたエフゲニアさんの姿からどんなことを感じられましたか?

うちも父が早くに亡くなったので、母が1人で育ててくれたんですけど、だからこそ、今、大人になってみて「あっ、この時お母さん大変だっただろうな」とか、「この時、たぶんこれ我慢してくれてたんだろうな」って、気づく機会っていうのがたくさんあって、その度に自分が受けてきた無償の愛っていうのを感じる瞬間が、一緒にいなくても、ただ生きているだけですごくあるんですよ。そんなに愛されていた自分を感じるだけで、自分を肯定できるんです。

母は、環境を少しでも良くしてあげようとか、そういうふうに思って、汗水たらして私を育ててくれていたんだなっていうのを、今になって気づかされます。

お母さんから受けた愛っていうのは、記憶の中で消えることは絶対にありませんし、それは、本当に本当に私自身にとって、すごく幸せなことだったんだなって…。

だから、きっとエフゲニアさんの思いっていうのは、お子さんたちが大きくなった時に、すごく温かい形で、かけがえのないお守りになるような愛情だと感じました。

関連写真

  • 『ザ・ドキュメント ウクライナ、9×9の歌 明日をつくる子どもたちへ』で語りを担当する奈緒
  • 『ザ・ドキュメント ウクライナ、9×9の歌 明日をつくる子どもたちへ』より(C)カンテレ
  • 『ザ・ドキュメント ウクライナ、9×9の歌 明日をつくる子どもたちへ』より(C)カンテレ
  • 『ザ・ドキュメント ウクライナ、9×9の歌 明日をつくる子どもたちへ』より(C)カンテレ
  • 『ザ・ドキュメント ウクライナ、9×9の歌 明日をつくる子どもたちへ』より(C)カンテレ
  • 『ザ・ドキュメント ウクライナ、9×9の歌 明日をつくる子どもたちへ』より(C)カンテレ
  • 『ザ・ドキュメント ウクライナ、9×9の歌 明日をつくる子どもたちへ』より(C)カンテレ

オリコントピックス

あなたにおすすめの記事

>

 を検索