フリーアナウンサーの登坂淳一（51）、タレントの矢沢心（41）が27日、都内で行われた厚生労働省の『みんなで知ろう！不妊症・不育症のこと オンラインフォーラム』に参加した。

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　不妊治療の経験がある矢沢は「10代のころから多嚢胞性卵巣症候群という持病がありました。結婚して1年経っても妊娠する気配がなく、通院していた病院で相談してタイミング法から始めました。初めは『治療をすれば妊娠できる』と楽観的に思っていたんですが、治療を進めていくうちに『私は妊娠しにくい体』ということを突きつけられました」と振り返る。

毎月、排卵をする体ではなかったそうで「20代からのんびりしてられない。やるんだったら今だ、と治療に勤しみました。タイミング法、人工授精、体外受精、顕微授精。全て治療させていただいて、長女を授かることができました。4年かかりましたが今は3子の母になることができました。治療は長くてつらいと思いますがパートナーと一緒に歩んでほしいなと思いました」と語っていた。

　フォーラムでは、「#あなたの不妊症・不育症ストーリー」を紹介することに。23歳で結婚した女性が、不妊症で金銭的にも精神的にも追い詰められ、妊娠した友人をお祝いすることができなかったという話が。その女性は、不妊治療4年目で1度だけ着床したが、心拍を確認する前に流産してしまった。落ち込みもひどかったが、夫から「つらい思いをしてまで産まなくていい。子どもいなくたって、2人で楽しく過ごそうよ」と言葉を掛けられたという。

女性は「女は結婚したら子どもを産まなくてはいけない、と自分自身で考えていたのかなと思います。主人のご両親からも『夫婦仲良くいれば、それでいいんだよ』と言ってもらえた時に泣いてしまって、やっと不妊治療をやめるという選択ができました。不妊治療をやめて、子どもを産まない選択をした今、後悔がないと言えばうそになるし、赤ちゃんを連れている家族を見ると胸が痛くなる時もあります。しかし、治療中にした大げんかも今は笑い話になっているし、ワンちゃんを迎えて我が子のように愛情を注いでいます。あの時の選択は、あれでよかったと実感して、夫婦2人とワンコ1匹で幸せに過ごしていきたいです」と締めくくった。

　この投稿を読んだ矢沢は思わず目に涙が。登坂も「つらいことを経験された中で、それをこうやってストーリーとして寄せてシェアしていただける。本当にありがとうございます」と感謝していた。

　最後に「不妊症・不育症にやさしい社会にしていくために」とテーマにディスカッション。矢沢は「思いやり」が重要とし「愛情の裏には思いやりだと思う。周りの方の思いやりのある言葉が、とても大切だなって思いました。私は治療を経て、主人から愛情という優しい思いやりをもらいました。思いやりというのは生きていく上で大切。その思いやりというのを大切にしながらパートナーと一緒に、どんな選択でもいいんですけど思いやりのある日々を過ごして、パートナーと楽しい時間を過ごしていただきたいな」と思いを語っていた。

　厚生労働省では不妊症や不育症に関する正しい知識や情報の周知、周囲に相談しやすい環境や社会気運の醸成を図り、不妊症や不育症治療当事者への差別や偏見をなくし、みんなで優しく見守れる社会をつくっていくことを目的にさまざまな普及啓発活動を行っている。