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西山茉希、寄り添ってくれた相手に感謝「どの自分なら許されるのか?」と悩んだ日々も

 初のエッセイ『だいじょうぶじゃなくてもだいじょうぶ』(大和書房)を発売したモデルの西山茉希(37)。これまで、離婚や事務所トラブル、誹謗中傷(ひぼうちゅうしょう)など、さまざまなことを乗り越えてきた彼女に、つらい経験の本音や恋愛について、子どもとの向き合い方など、まっすぐな気持ちを聞いた。

初のエッセイ本出版を出版する西山茉希 (C)猪原悠

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■環境が変わると、同じことをしていても色めがねで見られてしまう

――このタイミングで初のエッセイを出版するに至った理由はありますか?

西山:私のInstagramを見て興味を持ってくれた作家のしみずたいきさんが、編集者さんを紹介してくれたんです。文章を書くことには興味があったので、直接連絡して。モデルとかこれまでの仕事の肩書に頼るものではなく、自分自身について書きたいなと思って、それから事務所にお話しました(笑)。

――Instagramの投稿が話題になっていることもありましたもんね。

西山:そうですね、ありがたいことに。本当の自分を出してもいい場だと思って、さまざまな言葉を綴っていました。でも、ここ数年はフィルターをかけることも多くなりましたね。

―― フィルターをかけてしまうきっかけになった出来事が?

西山:結婚して母親になった時に、祝福の声をもらったり、育児をがんばっているねと褒めていただけていたんです。でも、離婚してシングルマザーになった途端、その雰囲気が一気に変わったんです。シングルマザー、バツイチ…そういうワードがつくと、子どもがかわいそうに映っちゃったのかな。結婚している時と同じようなことをアップしても、「育児放棄」と言われてしまったり。世の中は、肩書によって色めがねで見るんだと感じたんです。

――どんな気持ちになりましたか?

西山:同じように子育てをしていたので、傷つきました。反省しようと考えたこともあったのですが、自分の中ではブレていないので、反省しても答えがでないんですよ。答えがないけれど、否定はされる…「私はダメな人間なんだ」って思うようになっちゃったんです。だから自分を守るためにもフィルターをかけて発信するようになりましたね。今回、本の中では、そのフィルターを外して、抑えていた感情を開放しています。

初のエッセイ本出版を出版する西山茉希 (C)猪原悠

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――いまの自分をフィルターを通さずに書いたのが今回の本なんですね。

西山:本が一番優しく届いてくれる気がしたんです。なので思い切って攻めて書いています。ただ、いまでも癒えていない傷やトラウマと向き合うことがたくさんあった分、今はどんな反応をいただけるのか少し怖い気持ちもあります。

――トラウマというのは、たとえばどのような?

西山:離婚もそうですけど、事務所のトラブルで一度業界を離れたことだったり、誹謗中傷だったり、それ以外にも小さく小さく傷ついてきたことを見ないようにしていたことに気づいたり。だけど、そいういう経験があったからこそ、問題への対処方法がわかったり、人に寄り添えていたりするのかな。全部の経験が無駄じゃないとも思えました。

――そういった感覚が、今回のエッセイ『だいじょうぶじゃなくてもだいじょうぶ』のタイトルに込められているんでしょうか。

西山:そうですね。「だいじょうぶ」という言葉はポジティブで好きですが、無責任に聞こえる時や、強すぎると感じることもあって。「本当はだいじょうぶじゃないんだってこともわかっているよ。でもだいじょうぶだよ」って寄り添ってあげたいという思いを込めています。読んでくれた人が「しんどいのはひとりだけじゃないんだな」と感じてくれたらうれしいな。

■発信は、誰かを不快にするためにしているわけではない

初のエッセイ本出版を出版する西山茉希 (C)猪原悠

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――言葉選びで気をつけていることはありますか?

西山:気を付けていても、自分の思いが間違った届き方をしてしまうことがあります。でも恐れすぎていても私の伝えたいことが伝わらなくて。その葛藤は常にありますね。

――発信したとおりに言葉が伝わらず独り歩きしている様は、特に現代ではよく見られる気がしますね。それが原因で悩むことや落ち込むこともありますか?

西山:もちろんあります。SNSを始めた頃、ワクワクした希望しかなかったんです。でもある時、「不快だ」というコメントが届いて驚きました。こんなにポジティブな気持ちで発信していることで、誰かが不快になるなんて予想もしていなくて。笑っていたらムカつかれ、泣いていたら病んでると言われ、怒っていたら感情が激しいって言われる。でもお休みしたら「どうしたの?」ってなるし。「アレ? ちょっと待ってどの自分なら許されるんだろう」っていう感情になってしまうことも多々ありましたね。

――つらさを感じた時の西山さん流の乗り切り方はありますか?

西山:振り返ってみると、私には自分のつらさを吐き出せる相手が必ずいてくれたんです。若い頃はそういう人がいるのに、自分のプライドとか恥ずかしさが勝って吐き出せない時期もあったんですけど、今は人の言葉で癒されるんだなっていう感覚を覚えたから、笑い飛ばしてくれる仲間や大事な人のそばにいるようにしています。

――その相手はお子さんだったりもするんですか?

西山:私が強い人間だったら「子どもといれば母として癒されてすべて解決してくれる」とか言えるのかもしれないんですけど、自分が弱い心になってしまう時があることを知っているんで、強い心とか凛とした心を持つ存在が必要なんです。もちろん子どもは大事でかけがえのない存在ですが、頼れる相手とは違います。子どもたちと向き合う時は、自分の心を正常に戻してからを心がけています。

■悩みの種類は増えたけど、対処法はうまくなった

初のエッセイ本出版を出版する西山茉希 (C)猪原悠

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――20代と比べて悩みの種類が変わったなぁと感じることはありますか?

西山:20代は、自分のことだけ考えてもがけばよかったけど、今は守るものも増え、いろんな角度の自分があるんで、悩みも増えましたね。でもその分、対処がうまくなっているので、ひとつの悩みに時間をかけなくても良くなっていると思います。

――先日出演されていた『ダウンタウンDX』(日本テレビ系)で、恋愛報道に触れ、結婚も前向きに考えられているという発言がありましたね。

西山:私は「ひとりでがんばる道」と、「パートナーと一緒にがんばる道」があるんだったら、後者を選びたいんです。将来、今を振り返って「一緒に乗り越えたよね」って言えたら幸せだなって。だから、その思いはもう隠さないでいようと思ったことが、今回の発言になりました。

――その発言が気持ちよくて、西山さんはサービス精神が旺盛な方なんだなという印象を受けました。

西山:テレビでの発言って、言い方を間違えると相手を巻き込んでしまったり、迷惑をかけることもあるので躊躇(ちゅうちょ)してしまうんですけど、今回はきっとOK寄りなことだと直感的に感じたので。でもテレビの世界だけじゃなく、会社員の方だってサービス精神が必要なことも多かったりしませんか? わたしの父がバリバリの営業マンだったのですが、そういった背中を見ているからこそだと感じています。

――たしかに、そうかもしれないですね(笑)。でも、西山さんは世の中のパブリックイメージに応えようとしているのかなとも思いました。ちなみに、本来の自分とのギャップは感じますか?

西山:なんでこんなにズレてしまったんだろうと思う部分と、たしかにそうだよなと思う部分がありますね(笑)。でも人間って見せている部分だけが真実ではなくて、もっと複雑なもの。それを誰かが理解してくれれば良いのかなと思っています。

――最後に初のエッセイ本をどんな方に読んでもらいたいですか?

西山:私のことを好きで応援してくださっている方はもちろん、嫌いな方も知らない方もどんと来い!って気持ちです。そのために本にしたので。芸能界は華やかに見えるかもしれないけど、悩みや感じることは意外とそう遠くないんだよってことが、幅広い人たちに穏やかに届いてくれたらうれしいですね。

西山茉希、初のエッセイ本『だいじょうぶじゃなくてもだいじょうぶ』書影 (C)猪原悠

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