放送プロデューサーでタレントのデーブ・スペクターが14日、都内で行われたドキュメンタリー映画『戦場記者』の公開直前イベントに登壇し、須賀川拓監督、戦場カメラマンの渡部陽一氏とともにトークを行った。

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　同作は、TBSテレビ特派員にして今やYouTubeでも注目を集める“戦場記者”の須賀川拓氏が、自身の行動力と分析力を通じて今世界で起きている危機に迫るドキュメンタリー映画。あさって16日より全国公開となる。

　はじめに、リモート参加となった須賀川監督が「貴重なお時間をいただいてありがとうございます」と観客に感謝を伝え、「私が軸になることでいろいろな紛争地を観ていただくことができたので、結果的によかったんですが、普段は取材する相手が主役なので…まだちょっとドキドキしています」と心境を語った。

　MCに呼び込まれ、渡部とデーブが登場。トークセッションを前に、渡部氏が「興奮しています」と心境を伝えると、デーブは「そのわりにはゆっくり話していますよね」とすかさずイジる。そして、MCから須賀川氏との交流を聞かれたデーブは、「TBSの12階にあるセブンイレブンで1回会ったことがありますね」「いやぁ、英語が堪能でうらやましいですよ。僕はこう見えて英検3級ですから」とジョークを飛ばし、会場の笑いを誘った。

　会場は冒頭から和やかな雰囲気に包まれたが、映画の内容をテーマとしたトークが始まると、全員が真剣なまなざしで思いを語っていった。

　渡部は須賀川監督と同じく戦場の様子を伝える立場として、「私は必ず現場にいることが、国際報道において一番の真骨頂だと思っています。直接的な戦闘の現場にかち合ったりすること、そこでカメラを回していること。そのためには須賀川さんのみならず、コーディネーターや現地スタッフの存在が欠かせない。チームの力が激しく表れている作品だと思う」と共感を伝える。

　一方、デーブは放送プロデューサーの視点から「テレビで放送されるレポートは3分とか、もっと短い場合もある。その前後…一般的に目にすることがない取材の準備とかがこの映画では観られる。今はYouTubeやTikTokでいろいろな映像が観られるけど、充実した情報を伝えるためにどれだけのフィクサーやコーディネーターが命を賭けているのか、大手メディアが努力しているのか。その部分だけでも、この映画は観る価値、知る価値がある」と作品を評価。

　続けて「須賀川さんも、人間だから凄惨な現場を見たりすると感情的になってしまうと思うんですけど、必ず関係者の話を聞いたりしていて、さすがだなと思いました」と話し、「報道する立場の人間は、観る側に押し付ける誘導的なものを作ってはいけない」と持論も展開した。

　世界で起きている紛争問題などに真正面からコメントしたかと思えば、「僕は紛争地に行ったことがない。僕が行ったことがある危ないところは池袋くらい」「（須賀川さんは）フリーになって『クレジ―ジャーニー』とか狙っているんじゃないですか」など、すきあらばジョークを挟み込んでいく。

しかし、最後には「テレビそのものが大好きなので、怒られるくらい用語をしてしまう。この映画を通じて、テレビ局の重要性、ポテンシャルなどを感じてほしいと思います」と強く訴えていた。