俳優の水沢林太郎、遠藤健慎、平田雄也が2日、東京・池袋HUMAXシネマズで行われた映画『私の知らないあなたについて』の公開初日舞台あいさつに参加し、共演の佐々木ありさ、加藤小夏、堀内博志監督とともにトークを展開した。

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　ステージに登場した佐々木や加藤らが一言ずつあいさつを終え、水沢の順番に。しかしマイクが手もとにないというハプニングが発生。水沢は即座に「本日は！」と大きな声であいさつを始めるが、遠藤から「マイク来るからちょっと待って！」とツッコミを入れられていた。

　また、水沢が役どころを聞かれたときには、隣の遠藤が「そうですね…」と割り込み。今度は水沢がツッコミへ回り、「おいおい、和夫（水沢の役名）じゃないだろ！」と制止して会場の笑いを誘った。さらに、水沢が「監督から『ちょっと子犬っぽく』という指示があって、みんなから愛されるようなキャラクターを意識しました」といい、堀内監督も「もっとペット感を強めて」と言葉を続けた際には、遠藤がニヤリと笑いながら「あざとい…」とつぶやく場面もあった。

　2人の息ピッタリなかけ合いに感化されたのか、平田も参戦。遠藤も同じく役どころについて聞かれたのだが、ほかの4人とやや立ち位置が異なる役であることや、作中で明らかになる事柄も多いことから言いよどむ。すると、平田がすかさず「さっきは出番奪ったのに（話すことが）自分のときはないんかい！」と強烈なツッコミを食らわせていた。

　そんな和やかな空気の中、3人はそれぞれの役柄や完成後の印象については真剣に答えていた。水沢は「撮っている最中も、それぞれのシーンがどうつながっていく想像ができなかった。完成したものを見たときも想像と違ったし、刺さるものも違いました」と語り、「みなさんに『予想したい』と思わせたら勝ちかなと思っています。僕たちも、キャスト以外の感想が気になっているので」と呼びかけた。

　遠藤は、役柄について「悩みを通りすぎて、何かを諦めてしまっている人にはグッサリと刺さるんじゃないか…これ以上多くは語らないでおきます」と含みを持たせつつ、「僕は全部を見よう、俯瞰の立場でいようと思って現場にいました。結果、みんなから勇気をもらったんですよ。これはヒントです」と観客の期待感をあおっていた。

　平田は「葛藤の多い人物」と自身の役どころを説明しながら、「僕も気持ち的には一貫しているけど、迷いが多い。そういうところが似ていると思います」と、自分自身との共通点も分析。完成後の感想を求められると、「僕らも中心人物としていたけど、そういう視点でも捉えられるのかと驚きました。すごく深みのある作品だと思います」と力を込め、最後に「1人で観て考えていただくのもよし、みんなで話し合っていただくのもよしということで、楽しんでください」と呼びかけていた。

　同作は、堀内監督が構想に7年もの歳月を費やした、魂の救済について描く作品。佐々木演じる大学生・慶子はある日、自分に思いを寄せていた人物が自死したことを知る。自分が原因だったのではと思い悩む慶子に、加藤演じる同級生の真美は彼氏・拓也（平田）が主宰する劇団の劇団員・和夫（水沢）を紹介しようとするが、拓也に会った慶子は彼に特別な感情を抱いていく。そして、日常の闇に潜むように生きる何者でもない青年・宮田（遠藤）は、あるとき慶子に出会う。若者たちの“愛”を軸にしたストーリーの中で、他者を通して知る自分の姿や、自分を通して見える他者の姿を独創的な視点で描くという内容になる。