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少年忍者・織山尚大、日本ダンス界の伝説的作品の“踊り手”に抜てき「久しぶりに硬直」

 ジャニーズJr.の人気グループ・少年忍者織山尚大が、来年3月14日から17日まで大阪・森ノ宮ピロティホール、同月22日から26日まで東京・Bunkamuraシアターコクーンで上演される黒田育世 再演譚vol.2『波と暮らして』『ラストパイ』に出演する。日本のコンテンポラリーダンス界を代表する振付家の黒田氏が、過去作の再演に取り組むシリーズ第2弾。今回上演するのは2005年初演の『ラストパイ』と、2015年初演の『波と暮らして』の2作品で、織山は『ラストパイ』に参加する。

黒田育世 再演譚 vol.2『波と暮らして』に出演する(左から)柚希礼音、加賀谷香と『ラストパイ』に出演する少年忍者・織山尚大

黒田育世 再演譚 vol.2『波と暮らして』に出演する(左から)柚希礼音、加賀谷香と『ラストパイ』に出演する少年忍者・織山尚大

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 『ラストパイ』は、国内外から高い評価を受けるダンスカンパニーのNoism05(現:Noism Company Niigata)から振付委嘱された話題作。40分間絶えず踊り続け、身体を極限まで追いつめる過激さゆえに、ステージ上で神に捧げる儀式が執り行われているかのように錯覚するもので、日本ダンス界の伝説的作品となっている。

 過去に金森穣(Noism Company Niigata芸術総監督)や菅原小春といったダンス界の寵児が担ってきたソリスト役に、織山を抜てき。卓越したダンスの才能の持ち主として知られ、黒田自身が織山の持つ、爆発力、しなやかさ、少年性、表現力を見て「どうしても彼に踊ってほしい」と直感し熱烈オファーしたことで、今回の出演が決定した。脇を固める出演者たちも黒田が厚い信頼を寄せるダンサー陣が一挙集結する。

 『波と暮らして』は、ノーベル文学賞作家のオクタビオ・パス氏による同名の短編小説に想を得て、元宝塚歌劇団星組トップスター・柚希礼音が画家の“ある男”を、日本が誇るダンサーであり、黒田が敬愛すると公言する加賀谷香が、ある男と暮らす“波”を演じる。静と動、生と死、表裏一体の世界が広がる2作品で、言葉なく踊りだけで表現するダンスの限りない可能性を届ける。

■出演者コメント

▼黒田育世

これまで演劇の現場でお世話になったBunkamuraシアターコクーンが休館になると聞いたときに、直感的に『ラストパイ』を上演したいと思いました。『ラストパイ』はダンス以外の要素の無い、命という単位しかない、一番シンプルな形のダンス作品です。一度劇場を閉めて、再び幕が上がるとき、劇場に焼き付けておくべきは、命を歌い上げる祝祭的な踊りであるべきだと思ったのです。一方『波と暮らして』はオクタビオ・パスの小説があり、ストーリー性を帯びているものです。状況を克明に説明するものではなく、パスが作品に秘めた本心をダンスで綴っています。物語性を孕んでいる『波と暮らして』と、物語性を排し、生命力を孕んでいる『ラストパイ』という対照的な二作品で、ダンスとは両極に触れることができるものだということをお客様にお見せ出来たらと思います。

『波と暮らして』の柚希さんの役は、当初は男性の方を探していましたが、今回はよりポエティックにストーリーを紡いでいける方を念頭に、役者でもあり、ダンサーでもある方というのが重要でした。そんな時に柚希さんの踊っている映像を拝見して、雷が落ちたような衝撃を受けました。一瞬の映像でしたが柚希さんなら、パスが“ある男”に背負わせたものを無意識に吐き出してくれるのでは、と。そして本作はバレエのテクニックを基に振り付けているので、美しいバレエのラインを持つ方という意味でも、柚希さんしかいないと思いました。加賀谷さんは、どんなに言葉を尽くしても、振付家はその作品のすべてをダンサーに伝えきれるものではない中で、振付家の目を通して振付を体現することができる方です。決して自分の色を出すということをせず、作品の登場人物になろうとする。振付に込められた言葉をすべて読み取れてしまう方なのです。彼女が踊ることで、私が言葉にできなかった、欠落した部分さえも表現してくださると信じております。

そして、織山さんが踊る『ラストパイ』のソロパートは、非常に大きなエネルギーを要する役です。織山さんの中に残っている、成人しきれていない中性的な部分が、この作品に神聖さを与え、この作品を祝祭化してくださるのではと思いました。そして彼の爆発力は、この非常に苛酷な40分間を乗りこなしてくれると確信し、オファーに至りました。


▼織山尚大(少年忍者/ジャニーズJr.)
出演が決まったときは久しぶりに硬直しました。足の先からゾワッ!と何かが走った後、ゆっくりとうれしさや感謝の気持ちが込み上げてきました。自分を見つけてくださった黒田さんには、感謝の気持ちでいっぱいです。黒田さんが思い描く世界を覗けるということが、とても楽しみです。そして、一から「伝える」という事を勉強し、少年忍者の今後につなげたいです。精神力を極限まで追い込む振付けということなので、いつものアイドルとは違う織山尚大を皆さまにお見せしたいです。頑張ります!

関連写真

  • 黒田育世 再演譚 vol.2『波と暮らして』に出演する(左から)柚希礼音、加賀谷香と『ラストパイ』に出演する少年忍者・織山尚大
  • 黒田育世 再演譚 vol.2『波と暮らして』
  • 黒田育世 再演譚 vol.2『ラストパイ』
  • 黒田育世(C)池谷友秀

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