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異例づくしの衝撃ミステリー『#真相をお話しします』発売 伊沢拓司「悔しい気持ちにさせられる」

 作家・結城真一郎氏の最新作『#真相をお話しします』(新潮社)が、きょう6月30日に刊行される。発売を記念して、雑誌『波』7月号(発売中)で結城氏と東大発の知識集団「QuizKnock」CEOでタレントの伊沢拓司との対談が実現。「開成からの東大組」でもある2人が、ミステリーとクイズ、両者の「謎」の魅力と可能性について語りつくした。

結城真一郎『#真相をお話しします』(新潮社)

結城真一郎『#真相をお話しします』(新潮社)

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 伊沢は「この短篇集はどの話も謎解きの世界やミステリーの世界に入り込ませる段取りが丁寧になされているように感じました。文章の随所に『これは怪しいな』と思わせるヒントらしきものが出てくる。だから推理しながら読み進められるし『解けた』つもりになるのですが、各話の結末には『でも、ここは気がつかなかった』というポイントが必ずあって、悔しい気持ちにさせられる」と分析。

 また、「予想外のぞっとするようなラストが待っていて、思わず作品の世界に入り込んでしまうつくりにもなっていました。久々にミステリーの作品を読みましたけど、本当に楽しかった」と感想を語った。

 発売前に海外翻訳決定、重版決定と、異例尽くしの今作では、現代日本の〈いま〉とミステリーの技巧が見事に融合した珠玉の5篇を収録。家庭教師の派遣サービス業に従事する大学生が、とある家族の異変に気がついて(「惨者面談」)。不妊に悩む夫婦がようやく授かった我が子。そこへ「あなたの精子提供によって生まれた子供です」と名乗る別の〈娘〉が現れたことから予想外の真実が明らかになる(「パンドラ」)。子供が4人しかいない島で、僕らはiPhoneを手に入れ「ゆーちゅーばー」になることにした。しかし、ある事件を境に島のひとびとがやけによそよそしくなっていって(「#拡散希望」)などとなっている。

 作品に現代的要素を取り入れた理由として、結城氏は「新たな技術や価値観がもたらされる中で生じる『日常の歪み』や『新たな動機』に興味がありました。生活をより豊かにするための技術や道具が世に出てくれば、当然のようにそれを悪用する人もでてきます。新たな価値観が世に浸透すれば、当然のようにそこから『今までの常識では考えられない動機』も生まれます」との見解を示した。

 続けて「例えば、迷惑系YouTuberは『視聴回数を稼ぐため』に迷惑行為、下手したら犯罪行為に及びますが、これはほんの十年前では考えられなかった『動機』です。しかし、事実としてそれを楽しみにしている視聴者も居ますし、それが先の動機をより切実なものとして いる側面もある」と明かした。

 その上で「また、それらの迷惑行為に対して否定的であるいっぽうで、『でも、それをされたら、人はどういう反応をするのだろう』と怖いもの見たさにも似た興味を覚えてしまう自分が居るのも事実でした。このもやもやとした割り切れない感情が原体験となり、ならば作品を通じて『すこぶる歪で、従来の常識ではとても考えられないけれど、いまを生きる私たちとどこか地続きのようにも思えてしまう事件・人間模様』を描いてみたいと思ったのです」と語っている。

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