1967年10月2日の放送開始から今年10月で55周年を迎える深夜ラジオの代名詞・ニッポン放送『オールナイトニッポン（ANN）』。深夜3時から放送の『ANN0（ZERO）』は2012年4月からスタートし、アーティスト・芸人・俳優・タレント・アイドル・文化人など、幅広いジャンルのパーソナリティーが日替わりで担当し、22年4月に番組開始10周年を迎える。ORICON NEWSでは新シーズンの改編期に合わせて、月曜から金曜の5組にインタビューを敢行。火曜担当は、昨年度の『ANNX』から移動してきたぺこぱ。放送時間増加の喜び、深夜になる不安、リスナーの期待、いろんなものを背負いながら“松井勇太と成田秀平”による2年目のラジオが始まる。

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■“芸人”ぺこぱではなく“ナマイキなギャル男とイキった田舎者”のラジオ

――昨年4月から『ANNX』を1年間やってきて、ラジオが2人だけで話せる大事な場になったのでは？

【松陰寺太勇】めちゃめちゃなりました。テレビに出始めて1年目はレギュラーラジオがなくて、1週間をお互いに振り返る時間がなかったけど、『ANNX』が始まってからは「何を喋ろうかな」と考えることをきっかけに1週間を整理してリセットできるので、2人とってすごく貴重なものになりました。

【シュウペイ】毎日一緒にいて同じ仕事をしているのですが、それ以外の時間の話をラジオでお互いにするので、「あの仕事のあとにプライベートでこんなことがあったのか」とか、家に帰ってからの生活ぶりが聴けるので、リスナーの方にも“素のぺこぱ”を感じていただいてると思います。

【松陰寺】もはやラジオは家みたいなもんですね。だから本名でやってるところでもあるし、ぺこぱという芸人のフォーマットじゃなくて、僕たちが出会った頃のバイト時代の関係性の“ナマイキなギャル男とイキった田舎者”でやってる部分もあります（笑）。

【シュウペイ】今はお笑い芸人としてやってますけど、バイト時代からずっとちょっと下に見ている感じはあります（笑）。

【松陰寺】ホントに生意気だよな（笑）。

【シュウペイ】4歳の年齢差ってけっこう大きいと思うんですけど、こんなに下に見れる4個上っていないなって（笑）。地元の4個上の先輩って怖いけど、相方の4個上は下に見れます。

【松陰寺】自分で言うのも嫌ですけど、なかなかのザコですよ（笑）。

【シュウペイ】キャラがあるのでテレビではなかなかこういう話はできないけど、ラジオだといろいろ素で話せるので、ぜひラジオを聴いてほしいですね。

■どんどん芸能人になっていくシュウペイ、芸能人になりきれない松陰寺太勇

――毎週のトークエピソードづくりには苦労した？

【松陰寺】僕らのラジオが始まったときには、すでにコロナ禍で外出しにくくなっていたので、だいぶエピソードづくりには苦労したんですけど、そもそも友達が多いタイプじゃないので、ちょっとチャンスがあれば「ラジオで話せるかも」と思ったことはやるようにしてきました。例えばちょっと時間があって、たまたま献血をやってるところに通りかかったら、ギリギリ間に合うから行ってみようとか。実際にそれでエピソードができたり、そのへんがアグレッシブになったと思います。

【シュウペイ】僕は友達が多い方ですけど、このご時世で動ける範囲で食事行ったり、後輩と遊んだりすることがエピソードになります。あと、ちょっとテレビに出始めて3年目くらいになるのですが、趣味の幅が広がってきて、趣味に費やす時間がエピソードトークになったりするので、いろいろアクティブにやらせてもらってます。

【松陰寺】僕はだいたい、犬の散歩の話か、嫁の話か、芸能人としてバレるかどうかの話ばっかりで。相方がどんどん芸能人になっていくんですよ。あの人とご飯食べたとか、身につけてるものどんどん良くなって、「芸能人やんって。どうしよう」って焦ってますよ。

【シュウペイ】でもこの前、松陰寺さんもダテメガネ買ってました（笑）。僕はファッションが好きでダテメガネもかけるんですけど、それを見て「うわ、芸能人ぶってる！」とか言ってたくせに、松陰寺さんもかけてたから「なにそれ？」って聞いたら、「いやいや、俺も芸能人だから…」って。こういうヤツが一番恥かしいですよね（笑）。

【松陰寺】俺にも芸能人させてくれよ…。俺が何をやっても「ザコがイキってる」になるのが嫌なのよ。

【シュウペイ】でも僕がツッコまなかったら、本当にスベったみたいになるでしょ？　そういうところも拾っておいしくしてあげなきゃいけないから、大変ですよこっちは（笑）。

――『ANN0』に移動することで開始時間が深夜0時から3時になり、時間も1.5時間になりますが、期待と不安の両面あるのでは？

【松陰寺】期待については時間が増えたので、もっとリスナーからのメールを読んでみたり、フリートークもゆっくり深く話したりとか、1時間ではできなかったことをやってみたいです。不安としては、今年僕が39歳、シュウペイも35歳になるオジサンなので、体力が大丈夫かなという心配もありますが、もっとオジサンの佐久間（宣行）さんや、同世代のマヂカルラブリーさんと三四郎さんも頑張っているので新しい習慣になるのは楽しみです。

【シュウペイ】僕もずっと時間が増えるのを願っていて、自分たちでお金を払って時間を伸ばせないかと思っていたので。

【松陰寺】誰が誰に払うんだよ（笑）。

【シュウペイ】どんどん夢がかなっていくというか、ニッポン放送でラジオをやらせていただくのも夢だったし、かなえさせていただいてます。

――時間帯がより深夜になることで、トークやコーナーの内容が変わることも？

【松陰寺】やっぱり0時〜1時は“地上波のぺこぱ”を入り口にして入ってきた人もいるので、世間に思われているイメージを意識しつつやってたけど、3時からはディスりしか言わないラジオにしてやろうかな。「ラジオの松陰寺は人の悪口しか言わない」みたいな…、無理か（笑）。でももっと等身大の自分で話そうかなと。下ネタのラインもグッと下がるかも。

【シュウペイ】この時間でしか出せない僕らになっていくと思うし、楽しみにしてほしいです。

■前任のCreepy Nutsに「火曜3時のラジオの作法などを聞いてみたい」

――『ANN』は横のつながりも特徴的ですが、絡んでみたいパーソナリティーは？

【松陰寺】番組で共演することはあってもガッツリと話したことがないので、同じ芸人のマヂラブさんや三四郎さんと話してみたいですね。「あのときの『有吉の壁』どうだった？」みたいな話とか。

――3月まで同時間を担当し、4月から月曜『ANN』に異動したCreepy Nutsさんに聞いてみたいことは？

【松陰寺】あまり接点がなくて、番組の企画で僕のギャグ「時を戻そう」を入れてラップを作ってくださったのですが、リモートだったのでちゃんと絡めてないんです。だからちゃんとお会いして、火曜3時のラジオの作法などを聞いてみたいので、ぜひゲストに呼んでいただきたいです。

――水曜の『ANN0』を担当されている佐久間さんが昨年11月に、東京国際フォーラムでイベント開催し大成功でした。自分たちもイベントをやってみたい？

【シュウペイ】やってみたいけど…、来てくれる人はいるのかな（笑）？

【松陰寺】それを増やすためにラジオを頑張らないと。僕がやってみたいのは、お客さん1万人を集めた「地下芸人フェス」。無観客でイマジンスタジオでやったことはあるのですが、ぜひたくさんのお客さんの前でやりたいです。

【シュウペイ】僕はギャルとギャル男を集めたイベントをやりたいですね。『ANN』でギャルイベントは初じゃないですか？　大トリは誰だろう、JOYくんかな（笑）。