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大隈重信没後100年、早稲田大学がベンチャーキャピタルを創設 「2050年の日本を支える会社を作る」

 昨年の大河ドラマ「青天を衝(つ)け」では、大倉孝二が演じる大隈重信と吉沢亮演じる渋沢栄一の”舌戦シーン”が話題になった。作品ではコミカルで天真爛漫な一面も描かれて人気を博した大隈重信は、今年の1月10日で没後100年に。早稲田大学は、この節目を記念して「大隈重信没後100年記念式典」を開催。創設者・大隈の理念も引き継いでいるという、教育・研究と大学経営に関する新たな戦略が発表された。

早稲田大学の大隈記念講堂 (C)oricon ME inc.

早稲田大学の大隈記念講堂 (C)oricon ME inc.

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■早大初のベンチャーキャピタルを創設「目標は”自由な競争関係”を作ること」

 同大学は2032年に創立150周年を迎えることから、それに向けた中長期計画「WASEDA VISION 150」を2012年時点で策定。入試制度の改革やグローバルリーダーを育成するための教育体系を再構築するなど、現在も13の核心戦略と45のプロジェクトが動き、改革を進めている。

 今回、同大学が式典内で公開したのは、さらに先の2050年時点を見据えた研究戦略と財務戦略。「WASEDA VISION 150 AND BEYOND」として打ち出され、なかでも同大学初となるベンチャーキャピタル(VC)の創設は大きな目玉となった。VCの社名は「早稲田大学ベンチャーズ」。東京大学のVCで取締役パートナーを務めた山本哲也氏と産業用ドローン事業の経営者としてIPO(新規上場)経験のある太田裕朗氏の2名が、学外から共同代表に就任。大学からの出資はされるが、投資判断においては大学の介入はせずに進める。1号ファンドは80〜100億円を想定しているという。

 同大学の田中愛治総長は、式典後の記者会見で「大学の名前を冠するVCができるが、最終的な目標は”自由な競争関係”を作ること。新しい早稲田の研究にも、他大学の案件にも投資していく。東京大学や慶応義塾大学をはじめとした既存の大学とも連携し、日本のスタートアップ全体を強くしていきたい」と意気込みを語った。

■大隈重信が残した「学問の活用」を体現、2050年に向けた戦略

 田中総長は、VCの他にも、産学連携を推進して若手研究者を支援する仕組みを確立すること、カーボンニュートラルの分野に研究力を結集すること、研究を支えるための新財務戦略も発表。

 そこには大隈重信の言葉である「学問の活用」が生きているという。「学問や研究は、学理の考究に留まらず、文化、社会、産業への活用の道を拓くことによってさらに発展する」という同大学の教旨にもなっているものだ。

 実際に2020年4月には、同大学で産学連携を進める象徴的な施設である「リサーチ イノベーション センター」が本格運用。最先端の産学連携による新産業が次々と樹立し、受入研究費は2012年の約96億円から2020年には約124億円に上昇している。

「大学が次世代を担う中核研究者、若手の研究者を支援します。いかに学外から研究費をいただける仕組みを作るか、そういうことをやっていく。いい研究をして還元することも大事ですが、ノーベル賞を取るような大きな研究に対して学費を使うのは違う。学費をまわすことはなく、果実(運用益)で運用することがよいと考えている。早稲田から、2050年の日本を支える会社を作ることができればと考えています」(田中総長)

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