「一文無し、参上!」。そう叫んでから1年。長谷川雅紀(50)と渡辺隆(43)からなるお笑いコンビ・錦鯉は漫才日本一を決める『M-1グランプリ2021』(ABC・テレビ朝日系)17代目王者に輝き、優勝賞金の1000万円を獲得した。過去最多となる6017組の頂点に立ち、歴代最年長の輝いた“愛すべきおじさんコンビ”に視聴者、ファイナリスト、審査員も胸を打たれた。
今回のファイナリストは、錦鯉のほかにインディアンス、真空ジェシカ、モグライダー、ゆにばーす、ロングコートダディ、オズワルド、もも、ランジャタイ、敗者復活を勝ち上がったハライチ。決勝進出者の発表会見で、長谷川は「50代(での決勝進出は)初めてじゃないですかね? 自分との戦いですよね(笑)。今回の僕のテーマとしては“50歳からののびしろ”をテーマでやってきたので、頑張りたいですし、日本を引っ張っていきたい」とまっすぐな視線を向けていた。
その言葉通り、8番手で登場した今回、初決勝となった昨年からの成長を見せつけた。審査員からも「去年と比べると、雲泥の差でよくなっている」(中川家・礼二)、「紙芝居と水あめ、なつかしかったです。ありがとうございます! 尻上がり、最後に向けて持っていく、錦鯉の力を感じました」(上沼恵美子)、「本当に今年はめちゃくちゃおもしろかったですね。尻上がりにどんどんよくなる」(松本人志)、「50歳でまだまだ進化できる。(観客の)みなさんが、世代的に知らない紙芝居のネタで、なんで笑うんやろう」(オール巨人)、「最近の笑いはボケとツッコミで成立するパターンが多いと思うんですけど、ボケだけで笑いが起きるのが最強」(塙宣之)といった賛辞が相次いだ。
ファーストラウンドは、オズワルドが665点でトップ通過し、インディアンス、錦鯉が655点の同率2位でファイナルラウンドに駒を進めた。決戦でのネタ順は2番手。長谷川の人柄がにじみ出るボケと、渡辺のキレキレなツッコミがさえわたり、審査員たちも頭を悩ませた決選投票で、7票中5票(富澤・塙・志らく・礼二・松本)を獲得し、優勝をたぐり寄せた。決定の瞬間、渡辺が長谷川に抱きつき「ありがとう」と小声で呼びかけると、長谷川もたまらず号泣した。
長谷川が「あきらめないでやってきてよかった。ラストイヤーが56歳だったので、その前に…今年決められてよかった」と涙を流しながら言葉を振り絞ると、審査員の富澤たけしと塙がもらい泣きをしていた。審査員が涙を流すという、極めて異例な光景を眺めながら、トンツカタン・森本晋太郎が次のような言葉を残していたことを思い出した。
「『M-1』って、「ドラマ」だと思うんですよね。『キングオブコント』は“当日のコントの出来のみ!”みたいなところがあると思うんですけど、『M-1』はその人のバックボーンを理解した上で見るお客さんが多いと思うんですよね。『去年惜しくも準決勝で敗退したコンビが……!』っていうのがあったりすると、より応援したくなると言いますか。やっぱり漫才は『人(ヒト)』ですからね。仁(ニン)がにじみ出ると有利な気がします」
悩みに悩んだ最終投票の決め手について、松本は「最後の最後は一番バカに入れよう」と告白。キャラクターもスタイルも知られた上で臨んだ2回目の『M-1』決勝で、のびしろを信じて、ネタを磨き上げてきたことへの最大級の賛辞だった。そんな松本がかつて言ったという「魂は年を取らない」とのフレーズに胸を打たれ、自身を奮い立たせてきた長谷川は、喜びを爆発させながらも、こう宣言した。「漫才のおかげで人生が変わったので、本当にここからスタートかもしれないですね。ずっと向き合っていきたい。体が動かなくなったら、言葉で補いながらとか、そういうことをしながらやっていきたい」。
同じ決勝を戦ったファイナリストたちからも、次々と祝福の言葉をかけられたというほど、錦鯉は芸人たちからも愛されている。このほど刊行した著書のタイトルは『くすぶり中年の逆襲』(新潮社)。アルバイトを続け、母に電話しては金銭の催促をし、同居芸人の300円を借りたという逸話を持つ長谷川は、最高で最強の相棒とともに、華麗なる逆襲で王者に輝いた。これから、両手を目いっぱいに広げて「こんにちはー!」と『M-1』王者としての新たな道を歩み始める。
■M-1グランプリ 優勝者一覧【参加組数】
2001年度 中川家【1603】
2002年度 ますだおかだ【1756】
2003年度 フットボールアワー【1906】
2004年度 アンタッチャブル【2617】
2005年度 ブラックマヨネーズ【3378】
2006年度 チュートリアル【3922】
2007年度 サンドウィッチマン【4239】
2008年度 NON STYLE【4489】
2009年度 パンクブーブー【4629】
2010年度 笑い飯【4835】
2015年度 トレンディエンジェル【3472】
2016年度 銀シャリ【3503】
2017年度 とろサーモン【4094】
2018年度 霜降り明星【4640】
2019年度 ミルクボーイ【5040】
2020年度 マヂカルラブリー【5081】
2021年度 錦鯉【6017】
その言葉通り、8番手で登場した今回、初決勝となった昨年からの成長を見せつけた。審査員からも「去年と比べると、雲泥の差でよくなっている」(中川家・礼二)、「紙芝居と水あめ、なつかしかったです。ありがとうございます! 尻上がり、最後に向けて持っていく、錦鯉の力を感じました」(上沼恵美子)、「本当に今年はめちゃくちゃおもしろかったですね。尻上がりにどんどんよくなる」(松本人志)、「50歳でまだまだ進化できる。(観客の)みなさんが、世代的に知らない紙芝居のネタで、なんで笑うんやろう」(オール巨人)、「最近の笑いはボケとツッコミで成立するパターンが多いと思うんですけど、ボケだけで笑いが起きるのが最強」(塙宣之)といった賛辞が相次いだ。
ファーストラウンドは、オズワルドが665点でトップ通過し、インディアンス、錦鯉が655点の同率2位でファイナルラウンドに駒を進めた。決戦でのネタ順は2番手。長谷川の人柄がにじみ出るボケと、渡辺のキレキレなツッコミがさえわたり、審査員たちも頭を悩ませた決選投票で、7票中5票(富澤・塙・志らく・礼二・松本)を獲得し、優勝をたぐり寄せた。決定の瞬間、渡辺が長谷川に抱きつき「ありがとう」と小声で呼びかけると、長谷川もたまらず号泣した。
長谷川が「あきらめないでやってきてよかった。ラストイヤーが56歳だったので、その前に…今年決められてよかった」と涙を流しながら言葉を振り絞ると、審査員の富澤たけしと塙がもらい泣きをしていた。審査員が涙を流すという、極めて異例な光景を眺めながら、トンツカタン・森本晋太郎が次のような言葉を残していたことを思い出した。
「『M-1』って、「ドラマ」だと思うんですよね。『キングオブコント』は“当日のコントの出来のみ!”みたいなところがあると思うんですけど、『M-1』はその人のバックボーンを理解した上で見るお客さんが多いと思うんですよね。『去年惜しくも準決勝で敗退したコンビが……!』っていうのがあったりすると、より応援したくなると言いますか。やっぱり漫才は『人(ヒト)』ですからね。仁(ニン)がにじみ出ると有利な気がします」
悩みに悩んだ最終投票の決め手について、松本は「最後の最後は一番バカに入れよう」と告白。キャラクターもスタイルも知られた上で臨んだ2回目の『M-1』決勝で、のびしろを信じて、ネタを磨き上げてきたことへの最大級の賛辞だった。そんな松本がかつて言ったという「魂は年を取らない」とのフレーズに胸を打たれ、自身を奮い立たせてきた長谷川は、喜びを爆発させながらも、こう宣言した。「漫才のおかげで人生が変わったので、本当にここからスタートかもしれないですね。ずっと向き合っていきたい。体が動かなくなったら、言葉で補いながらとか、そういうことをしながらやっていきたい」。
同じ決勝を戦ったファイナリストたちからも、次々と祝福の言葉をかけられたというほど、錦鯉は芸人たちからも愛されている。このほど刊行した著書のタイトルは『くすぶり中年の逆襲』(新潮社)。アルバイトを続け、母に電話しては金銭の催促をし、同居芸人の300円を借りたという逸話を持つ長谷川は、最高で最強の相棒とともに、華麗なる逆襲で王者に輝いた。これから、両手を目いっぱいに広げて「こんにちはー!」と『M-1』王者としての新たな道を歩み始める。
■M-1グランプリ 優勝者一覧【参加組数】
2001年度 中川家【1603】
2002年度 ますだおかだ【1756】
2003年度 フットボールアワー【1906】
2004年度 アンタッチャブル【2617】
2005年度 ブラックマヨネーズ【3378】
2006年度 チュートリアル【3922】
2007年度 サンドウィッチマン【4239】
2008年度 NON STYLE【4489】
2009年度 パンクブーブー【4629】
2010年度 笑い飯【4835】
2015年度 トレンディエンジェル【3472】
2016年度 銀シャリ【3503】
2017年度 とろサーモン【4094】
2018年度 霜降り明星【4640】
2019年度 ミルクボーイ【5040】
2020年度 マヂカルラブリー【5081】
2021年度 錦鯉【6017】
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2021/12/20
