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猫がまるで“お爺”に…思わず“ブサかわ”になる猫専用こたつに反響、実は「みかん」がメインだった?

 『猫と、こたつと、思い出みかん。』という日本初の猫専用こたつ付き“みかん”が大人気で、これまでに5000箱以上を売り上げている。メインであるみかんについてくる、おまけの猫専用こたつは段ボール製になっており、足を差し込むだけで完成。簡単にこたつができあがる。もともとは鶏肉をメインに販売していたオンラインショップだったが、2018年からあることをきっかけに、みかんも扱う和歌山グルメのサイトに様変わりしたのだという。本商品が生まれた経緯を、同サイトを運営する中田直希さんに話を聞いた。

■地元に恩返しするため試行錯誤「これまでにないコンセプトのみかんを」

 元々、鶏肉を販売していたネットショップ「チキンナカタ」。しかし今では鶏肉だけでなく、和歌山グルメも同サイトで販売している。その理由は、遡ること2018年、台風21号の影響で、仕入元の鶏舎が大きなダメージを受け、9万羽の被害が出たことがきっかけだったという。

「私たちの会社も停電が続き、工場も稼働できず、営業もできない。鶏も仕入れられず、まったく売るものがない状態になった時に助けてもらったのが、地元の方々でした。売るものが無いなら、うちの商品を売ってくださいと言ってくれたんです」

 そんな中、有名なブランドではないけれど、和歌山でみかんを栽培している農家から「うちのみかんをネットで売ってくれないか?」という相談があった。中田さんは、地元の方に恩返しをしたいという想いから、扱ったことのないみかんの販売も決めた。

「他のサイトと同じように売ってもダメだろうと思い、これまでにないコンセプトのみかんを作って、新しいお客さんに届けようと考えました。商品会議の中で、もともと私や友人が猫好きであったことから、“猫好きのためのみかん“というコンセプトの商品ができたら面白いのでは?という話になり、猫とこたつ、こたつとみかんは連想しやすいのではと考え、『猫専用こたつ付きみかん』というアイデアが生まれました」

 名前は、美味しいみかんを食べながら、ダンボール製のこたつで猫と遊んで、ささやかな冬の思い出を作ってほしいといった想いから、ストーリー性を意識したライトノベルのタイトルのような「猫と、こたつと、思い出みかん」に決まった。パッケージも、昔ながらの「みかん箱」とはまったくイメージの違う、原稿用紙風のパッケージにすることで、よりストーリー性のある商品に仕上がった。

■猫きっかけで気づかせたみかんの魅力 「こんなに売れるとは!」 

 今では大人気商品となったが、発売した直後は「1週間で3箱しか売れず途方に暮れていた」と振り返る。全く売れなかった同商品の知名度が一気に上がったのはSNSがきっかけだった。

「あるネットニュースに掲載され、そのニュースをご覧になった猫好きな方がSNSで取り上げてくださり、『アイデアが素晴らしい』『我が家の猫で遊んでみたい』といったコメントとともに、驚くほどの勢いで拡散しました。その後ネットニュースやTVでさらに取り上げていただき、お客様が殺到。これまで累計5,000箱以上を販売する人気商品となりました」

 こたつメインで購入をした人も「みかんを食べてみると甘くて美味しくて、家族で取り合いレベルでした」といったように、みかんが驚くほど美味しかった、という声が多かったそう。

「他には、『猫は飼ってませんが、箱の可愛さ・コンセプトの秀逸さに指が勝手に購入ボタンを押してました』とか、『送付されてきた段ボールがかわいい』といったようなデザインやコンセプトを評価していただく声もいただいています」

 見事に戦略がハマり、人気商品となった「猫と、こたつと、思い出みかん」。その売れ行きと話題性は、みかん農家が抱える悩みも解決した。

「農家の方には、『こんなに売れるとは思わなかった!』という驚きのお声をいただいているのと、自分たちが苦労して育てているみかんをたくさんの人に知ってもらえて嬉しい、と喜んでくださっています。がんばって育てても、知名度がないという理由だけで流通に乗りにくかったり、安く買いたたかれてしまうといった苦労があるそうです。流通に乗りにくいため一般の方は食べたことがない。食べたことがないから味がわからない。味がわからないから売れにくい…といった負のスパイラルに陥ってしまうと、農家さんたちの収入も上がらず継続するのが難しくなる恐れがあるのですが、本商品でそのスパイラルを断ち切ることができたのではと思っています」

■猫もみかんに興味津々? こたつを使ったフォトコンテストも開催

 みかんを売るために考案された同商品だが、購入すると、売り上げの2%が保護猫活動の支援金として寄付される。

「猫あってこその商品なので、猫ちゃんにも幸せになって欲しいという想いからです。売り上げの一部を寄付することで、不幸な猫ちゃんをなくすための応援ができることは、私にとってももちろんですが、商品を購入いただいたお客様にとっても嬉しいことだと考えています」

 また、こたつを使ったねこのフォトコンテストも開催。過去に出品された写真の中から特に好きな写真を聞いてみると、「どれもかわいくて選びづらいのですが、ちゃんちゃんこを着た2匹の猫ちゃんがこちらを見ているポーズが絶妙な写真や、和室でこたつの上のみかんをガン見している猫ちゃんたちの写真が印象的です。また、こたつに入りながら『ふぅー』とひと息ついているような写真は、猫ちゃんのキャラクターがなんともいえません(笑)」と笑顔を見せた。

 地元愛溢れる鶏肉専門店の試みは、ピンチをチャンスに変え、みかん農家だけでなく、大好きなねこも救ったのだ。

「海と山に囲まれた和歌山には、まだまだ知名度は低いけれど美味しいものが埋もれています。知名度の低いノーブランドのものでも、ブランドものに引けを取らない美味しさがあるんだ、ということを知っていただけると嬉しいですね。面白いアイデアと工夫で、そんな埋もれた価値をお客様に知っていただくお手伝いができれば、私たちとしてもこんなに嬉しいことはありません。また、猫ちゃんがこたつに入ってぬくぬくしているような様子は、飼い主の心を癒してくれます。そんなコミュニケーションを通じて、おうちの猫ちゃんとのささやかな思い出になったり、いっそう猫ちゃんへの愛着が深まるといいですね。猫は人の心を潤してくれる存在であることを、この商品を通じてあらためて感じてもらえると嬉しいです」

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